脂肪吸引の太ももへの効果は?ダウンタイムの症状やまれに起こる後遺症・傷跡は残るのかも解説
太ももは脂肪が多くつきやすく、痩せたいと希望する方も多い部位です。ダイエットで痩せることが難しいのであれば、脂肪吸引を受けることを検討してみても良いでしょう。
しかし、脂肪吸引にはダウンタイムなどのリスクもあります。そのため、施術を受けることに不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、脂肪吸引で太ももに得られる効果だけでなく、ダウンタイムの症状や後遺症などのリスクも紹介しています。
太ももの脂肪吸引を受けるかどうか悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
監修医師:
山下 真理子(医師)
目次 -INDEX-
脂肪吸引とは
脂肪吸引とは、脂肪細胞を吸引することで脂肪を減らす施術です。施術をする部位にカニューレと呼ばれる細い管を挿入し、脂肪細胞を吸引していきます。
脂肪吸引によって除去される脂肪細胞は、ダイエットでは減らしにくいものです。そのため、ダイエットでは痩せられなかった部位を細くする効果が期待できます。
施術が行われることが多いのは、太もも・お腹・二の腕などの脂肪が多くついている部位です。これらの部位は部分痩せが難しいこともあり、施術を希望する患者さんが多くいます。
脂肪吸引は、ダイエットに苦労されている方や部分痩せがしたい方におすすめの施術です。脂肪の量が減るため、術後はすっきりとしたボディラインになることが期待できます。
また、脂肪細胞が除去されることから、リバウンドも起きにくくなります。ダイエット後にすぐにリバウンドしてしまう方にも向いている施術です。
脂肪吸引の太ももへの効果
太ももに多く脂肪がついていると、下半身が重い印象になってしまいます。そのことに悩まされている方も多くいるでしょう。
脂肪吸引を行えば、太ももを細くし、ラインをすっきりとさせる効果が期待できます。
例えば「タイトなスカートやパンツが履きたいけど、太ももの太さが気になって履きづらい」という方は、脂肪吸引によって気にせず履けるようになるケースがあります。
また、「内ももの間に隙間が欲しい」という方にも有効です。脂肪吸引では、希望する箇所の脂肪をピンポイントで吸引できます。
そのため、太ももの外側・内側・前面・後面といった、特に気になる箇所のラインを細くすることが可能です。
さらに、太ももを太りにくくする効果も見込めます。脂肪細胞を物理的に除去することから、リバウンドが起こりにくくなるためです。
ただし、生活習慣によって脂肪細胞が大きくなることがあり、施術部位が再度太くなってしまいます。
リバウンドをしないためには、日常生活で暴飲暴食などを避けることが大切です。健康的な生活習慣を意識すれば、効果は半永久的に続きます。
太ももの脂肪吸引のダウンタイムの症状
太ももをすっきりさせる効果が期待できる脂肪吸引ですが、施術後にはダウンタイムがあります。ダウンタイム中には、人によって様々な症状が表れます。
施術を受ける前には、どのような症状が生じるのかを把握しておくことが大切です。以下で詳しく紹介するので、脂肪吸引を検討している方はチェックしておきましょう。
痛み
施術中は麻酔を使用するため、痛みを感じることはありません。しかし、術後しばらく経って麻酔が切れてくると、施術部位に筋肉痛のような痛みが生じ始めます。
痛みの強さには個人差があります。1回で広い範囲の施術を行うほど、強い痛みが出やすいです。
痛みは術後1週間ほど続きますが、ピークは術後2〜3日までのケースが多いです。痛みが強い場合は痛み止めを服用することで対処できます。
腫れ
施術後には太ももに腫れやむくみが生じます。
腫れは施術でダメージを受けることで引き起こされます。むくみは施術中や施術後に出た血液・リンパ液が溜まることによって起こる症状です。
特に太ももの脂肪吸引では、むくみの症状が出やすいです。重力の影響により、太ももだけでなく膝やふくらはぎなどにもむくみが出るでしょう。
腫れは術後1週間ほど、むくみは2週間〜1ヵ月ほど症状が続きます。脂肪の吸引量が多いなど、場合によっては3ヵ月ほど症状が出ることもあります。
気になるようであれば、リンパ液の流れを良くするマッサージを行ってみましょう。
内出血
ダウンタイム中には内出血も起こります。施術中に出た血液が皮膚の表面あたりに移動することによって生じる症状です。
内出血は太ももだけでなく、膝や足の甲まで生じる可能性があります。症状がある間は足を出しての外出は避けると良いでしょう。
症状が続くのは2週間程度です。術後2〜3日は赤黒い内出血が目立ちますが、その後徐々に薄くなり、2週間を過ぎると目立たなくなることがほとんどです。
突っ張り感
人によっては術後に皮膚の突っ張り感が生じる場合があります。また、同時に皮膚の表面がでこぼこしたり硬くなったりする症状がみられることもあるでしょう。
これらの症状は瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)と呼ばれます。脂肪吸引によって生じた空洞がくっついて修復する際に起こる症状です。
吸引した脂肪量が多いと瘢痕拘縮が起きやすい傾向にあります。特に太ももは他の部位よりも吸引量が多いため、症状がみられる方が多いです。
突っ張り感や硬さなどは術後2〜3週間ほどで表れ始めます。その後、3〜6ヵ月ほど経過すると症状が落ち着くでしょう。
時間が経てば症状は治まりますが、気になる方はマッサージやストレッチなどを行ってみてください。症状の緩和や早期回復が期待できます。
しびれ
術後にしびれを感じる方もいます。しかし、日常生活に支障があるほどのしびれを感じることはほとんどありません。
しびれは施術後3〜6ヵ月ほど続きます。時間が経つと和らいでいくので、過度に心配する必要はありません。
圧迫してダウンタイムの症状を軽減しよう
ダウンタイムの症状は、時間が経てば自然に治まります。しかし、むくみなどの症状が強く出るとどうしても気になってしまうでしょう。
ダウンタイムの症状は、圧迫することで軽減が期待できます。そのため、太ももの脂肪吸引後は専用の下着や包帯を使用し、圧迫を行うと良いでしょう。
圧迫を行うことで、内出血の抑制・腫れやむくみの緩和の効果があります。また、症状の悪化の防止や早期回復の効果も望めます。
圧迫が推奨されているのは、術後当日〜1週間です。医師のアドバイスを受け、適切な方法で圧迫を行うようにしましょう。
まれに起こる後遺症
脂肪吸引は一般的に安全な施術ですが、まれに後遺症が起こるケースもあります。事前にどのようなリスクがあるのかを理解してから、施術を受けるようにしましょう。
以下で、太ももの脂肪吸引が原因で生じる可能性のある後遺症について解説していきます。
感染症
傷口に細菌が入ると、感染症が引き起こされる可能性があります。
太ももの脂肪吸引では、カニューレ挿入時の傷から細菌が入る場合があります。また、吸引時に内部組織に傷がつき、そこから細菌が侵入するケースもあるでしょう。
施術を行う環境が整っていない場合、感染症にかかるリスクが高くなります。施術を受ける病院は、吸引を行うための環境を十分に整えているところを選ぶようにしましょう。
脂肪塞栓症
脂肪塞栓症とは、脂肪吸引前にゆるくする処置を施した脂肪組織が血管内に入り、詰まりを引き起こすことで生じる病気です。
血栓ができる場所によっては重篤な症状となる場合があります。肺血栓や脳血栓になった場合は、すぐに処置が必要です。
脂肪塞栓症は、一度の施術で大量の脂肪を吸引すると、発症するリスクが高まります。多くの脂肪を除去したい方は、施術を何度かに分けて受けると良いでしょう。
血腫
脂肪吸引時には血管が傷つけられるため、出血が伴います。基本的には問題ありませんが、出血量が多い場合や止血の措置が行われなかった場合に、血腫が生じることがあります。
血腫の症状は、施術部位の大きな腫れや、皮膚が赤黒い色になることなどです。
血腫は脂肪塞栓症と同様に、大量の脂肪吸引によって引き起こされやすくなります。リスクを抑えるために、負担がかかるほどの脂肪吸引は控えましょう。
漿液腫
漿液腫(しょうえきしゅ)は、脂肪吸引によって生じた空洞に液体が溜まる症状です。施術部を触るとぷよぷよとした腫れが確認されるようになります。
脂肪吸引では組織内に空洞が生じるため、漿液腫が起こるリスクがあります。漿液腫が疑われたらすぐに病院を受診し、適切な治療を受けましょう。
傷跡は残る?
太ももの脂肪吸引を行う際には、カニューレを挿入するために5mmほどの穴を複数個所に開けます。
その際にできた傷跡が残らないかどうか気になるという方も多いでしょう。太ももの脂肪吸引では、目立つような傷跡が残ってしまうことは少ないです。
時間の経過で目立たなくなる
施術直後は、小さな傷跡が赤みを帯びて残っています。中にはしびれを伴っていることもあるでしょう。
しかし、多くの場合傷跡は時間が経てば薄れていきます。1ヵ月ほどは赤みが続きますが、3〜6ヵ月ほど経つとほとんど気にならなくなるでしょう。
ただし、傷跡の残り方には個人差があります。体質によっては残りやすいケースもあるので、心配な方は事前に医師に相談しておきましょう。
クリニック選びが重要
基本的に太ももの脂肪吸引で目立つような傷跡は残りません。しかし、施術する医師によっては、傷跡が残るリスクが高まってしまいます。
施術の結果には、脂肪吸引を行う医師の腕が大きく関わります。技術が不十分な医師から施術を受けると、傷跡やその他の症状が生じてしまいやすいです。
そのため、施術を依頼するクリニックや医師は慎重に選ぶようにしましょう。事前に調べ、技術力や安全性が信頼できると感じたところを受診するようにしてください。
また、アフターサポートの充実度もチェックのポイントです。アフターサポートがしっかりしていれば、ダウンタイムの症状が長引きにくくなります。
脂肪吸引を行うことに決めたら、まずはカウンセリングを受けるようにしてみてください。自分の不安や相談を真摯に受け止めてくれる、信頼性のある医師を探しましょう。
加えて、カウンセリングでは自分の希望を正確に伝えることが大切です。脂肪吸引では、患者さんの希望と体質を考慮して適切な施術を選択します。
納得できる施術結果を得るために、信頼できるクリニックで適切な施術を受けるようにしましょう。
ダウンタイムや後遺症のリスクを理解して施術を受けよう
太ももの脂肪吸引は、比較的リスクの少ない施術だといわれます。しかし、リスクが全くないわけではありません。
施術後のダウンタイムは、少なくとも1ヵ月は続きます。突っ張り感やしびれが6ヵ月ほど続く場合もあるでしょう。
また、後遺症のリスクもあります。特に環境が整っていない病院で施術を受けたり、負担が大きい施術を受けたりすると、後遺症のリスクが高いです。
ダウンタイムの症状は、適切なケアを行うことで緩和や早期回復が期待できます。施術後は医師のアドバイスを受け、適切な処置を行うようにしましょう。
後遺症のリスクを低くするためには、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。クリニックや医師の情報は事前に調べ、慎重に選択するようにしましょう。
負担の少ない施術を選ぶことも大切です。せっかく脂肪吸引を行うのであれば、一度で大量の脂肪を除去したいと考える方もいるでしょう。
しかし、一度で脂肪を大量に吸引することは負担が大きく、ダウンタイムの症状の悪化や後遺症を引き起こす可能性が高くなります。
脂肪を多く除去したい方は、複数回に分けて施術を受けることがおすすめです。
ただし、対策を行ってもダウンタイムがなくなったり、後遺症のリスクがゼロになったりするわけではありません。
脂肪吸引にはリスクがあることを理解し、そのことを考慮したうえで施術を受けるようにしましょう。
編集部まとめ
太ももの脂肪吸引を行うと、足のラインがきれいになる効果が期待できます。太ももは部分痩せが難しい部位でもあるため、脂肪吸引を希望される方も多いです。
しかし、施術後にはダウンタイムがあります。症状は施術部位の痛み・腫れ・内出血などです。
ダウンタイムの症状は、施術後1週間〜6ヵ月ほど続く場合があります。ただし、圧迫などの適切なケアを行うことで、症状の緩和や早期回復が見込めるでしょう。
また、後遺症のリスクもあります。基本的に発症のリスクは低いですが、受診する病院や受ける施術によってリスクが高まるケースもあります。
太ももの脂肪吸引を受ける病院は、慎重に選びましょう。技術力の高い医師から施術を受けることで、後遺症のリスクを低くしたり傷跡を残しにくくしたりできます。
脂肪吸引によるリスクを理解したうえでより良い施術を受けて、すっきりとした太ももを目指してください。
参考文献
- 太ももの脂肪吸引で起こり得る7つの症状とダウンタイムの過ごし方を美容外科医が解説|共立美容外科
- 太ももの脂肪吸引は安い?値段相場とモニター制度について解説|共立美容外科
- 術後最も大変と言われる脚/太ももの脂肪吸引。ダウンタイムを上手く乗り切るには?|MODS CLINIC
- 太ももの脂肪吸引が完成するまで〜吸引量・痛み・圧迫期間〜|MODS CLINIC
- 脂肪吸引のリスクと効果について|施術の流れやよくある質問も紹介|渋谷美容外科クリニック
- 太ももの脂肪吸引|渋谷美容外科クリニック
- 脂肪吸引|共立美容外科
- 脂肪吸引とは?|ACE CLINIC
- 脂肪吸引で起こる後遺症とリスクを最小限まで抑える方法|GORILLA CLINIC