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訪問診療の費用は?保険適用の可否や費用の比較について解説

 公開日:2024/10/28
訪問診療の費用は?保険適用の可否や費用の比較について解説

訪問診療とは、通院が困難な方や在宅療養中の方の自宅や施設などに医師や看護師などの医療従事者が訪問し、必要な医療を行うことです。

今回は、訪問診療の費用の内訳や目安、保険や介護保険の適用など、訪問診療の費用について解説します。ご自身やご家族が訪問診療を検討している方はぜひ参考にしてください。

西村 昌雄

監修医師
西村 昌雄(医療法人社団昌美会)

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高知市立高知市民病院 内科研修医
名古屋保健衛生大学(現 藤田医科大学)総合医科学研究所 心臓血管部門助手
米国イリノイ州シカゴ市ノースウエスタン大学 内科ラインゴールド心電図センター客員助教授
藤田保健衛生大学(現 藤田医科大学) 総合医科学研究所 心臓血管部門講師
帝京大学 医学部第1内科 助教授(循環器部門)
上尾中央総合病院 副院長

訪問診療とは?

訪問診療とは?
まずは、訪問診療について詳しく解説します。

訪問診療の概要

訪問診療は在宅医療の一つで、地域の高齢化や自宅を最期の場所にしたいと考えている方の選択肢の一つとしてニーズが高まっています。
訪問診療は往診とよく比較されますが、目的や治療内容が異なります。訪問診療では計画的で定期的な訪問を土台とした医療が提供され、1〜2週間に1回の頻度で診療を受けることができます。24時間体制で365日対応してもらえることもあり、病状の急変時には緊急訪問や入院の手配などのサポートを受けることもできます。
これに対して往診は、突発的な病状の急変などで患者さんからの依頼を受けて医師が訪問し診療を行います。臨時対応として応急的な処置を施すことが目的で、計画的に治療を行うことが目的ではありません。
訪問診療では医師や歯科医師、看護師、理学療法士、管理栄養士などが連携をとり、診療・看護・薬剤指導・リハビリテーションなどを行うことで医療や介護のサポートを行います。
訪問診療とは別に、看護師が定期的に訪問して行うのが訪問看護です。患者さんの療養に必要な看護を行い、かかりつけ医とのパイプ役も担います。訪問看護では主に、治療に必要な看護や処置、療養生活に必要な看護ケア、病状の観察などが行われます。

訪問診療の対象エリア

訪問診療が行われる対象エリアは、基本的に訪問する医師が在籍するクリニックから半径16km以内と決まっています。半径16kmのエリア外からの訪問診療を受ける場合は保険適用にならず、自由診療扱いになります。
ただし、次の場合は半径16km以上でも訪問診療の対象となることがあります。

  • 対象エリア内に医療機関がない場合
  • 対象エリア内に医療機関はあるが訪問診療を行っていない場合

また、難しい疾患など専門的な診療が必要な患者さんで近隣に対応できる医療機関がない場合にも、訪問診療が認められることがあります。

訪問診療の対象になる方

訪問診療を受けるのに年齢や性別、病状は関係ありません。訪問診療の対象となるのは、原則として自宅もしくは施設で療養しており、疾病や傷病により通院が困難な方です。

  • 在宅療養を希望している
  • 通院が困難(寝たきり・交通手段がない・介助者がいない)
  • 退院後の療養生活中
  • 在宅酸素・カテーテルの医療管理が必要
  • 難病で療養治療が必要
  • 在宅でのがん治療中
  • 末期がん患者さんで、自宅での看取り介護を希望している

訪問診療の対象となるかどうかは、かかりつけ医に判断してもらう必要があります。

訪問診療の費用

訪問診療の費用
訪問診療の費用は診療内容や訪問回数によって変わりますが、医療保険が適用されます。
基本的には採血や心電図などの検査、特殊な医療機器の使用、がん治療を行う場合などは別途料金が発生すると考えておきましょう。

訪問診療の費用の内訳

訪問診療にかかる費用には、基本診療費と追加加算分があります。

基本診療費

基本診療費は、毎回かかる訪問診療料と、月一回かかる医学総合管理料に分けられます。医学総合管理料とは、医師が定期的な訪問で医学的に必要な指導や管理を行う費用のことです。
臨時で往診を行った場合は、再診料と外来管理加算が、基本診療費になります。

追加加算される診療費

追加で加算される費用とは、基本的な診療に加え症状や要望などで必要になった診療にかかる費用です。追加加算に相当するものは以下になります。

  • 処置料(胃ろうや尿道カテーテルの交換・創傷の処置など)
  • 注射・点滴
  • 検査料(血液検査・尿便検査・レントゲン・心電図・エコーなど)
  • 画像診断料
  • 処方箋料
  • 特殊な医学管理料(在宅呼吸器・在宅酸素の管理など)
  • 訪問看護料
  • 在宅療養指導管理料
  • 交通費(2kmを超えた場合)

介護保険サービスを利用して訪問診療を行い、管理栄養士や薬剤師が訪問して指導や管理を行った場合には、居宅療養管理指導料が加算されます。

医療費負担割合

医療費の負担割合は年齢や所得によって異なります。負担割合の詳細は以下のとおりです。

  • 6歳未満(2割)
  • 70歳未満(3割)
  • 70~74歳(2割)(現役並みの所得がある場合は3割)
  • 75歳以上(1割)(現役並みの所得がある場合は3割)

訪問診療で受診した場合も高額療養費制度や医療費控除が利用できるため、負担額が高額になる場合は申請するとよいでしょう。

訪問診療の費用の目安

月2回の訪問診療と院外処方箋を発行してもらった場合、1ヶ月間の費用の目安は1割負担で7,000円程、3割負担で20,000円程になります。検査や追加の診療を受けた場合は、その分の費用が加算されます。

通院・入院との費用の比較

訪問診療にかかる費用は、通院費用と比較すると高額になることが多いでしょう。
入院の1日あたりの自己負担費用の平均は20,700円ですが、室料や食事代などが加算されることもあるため、入院費用と比較すると訪問診療を利用するほうが費用を抑えられる可能性があります。

訪問診療は保険適用になる?

訪問診療は保険適用になる?
訪問診療では医療保険が適用されるとお伝えしましたが、すべての費用に対して適用されるわけではありません。保険適用される診療とされない診療について確認しましょう。

保険適用される診療

保険適用の対象になる診療には以下のものがあります。

  • 訪問診療にかかる診療費
  • 訪問歯科診療にかかる診療費
  • 検査や薬などの医療行為によって発生する費用
  • 訪問看護医療費
  • 療養費(健康保険等の給付の対象となるあん摩やマッサージ・補装具の費用など)

保険適用されない診療

訪問診療で保険が適用されないものには以下のものがあります。

  • 一般的に自由診療にあたる物品や処置
  • 医療従事者の自宅への訪問にかかる交通費
  • 健康診断・検診・予防接種
  • 文書作成料

医療従事者が訪問するときの交通費は、訪問診療を実施する医療機関によって費用がかかる場合とかからない場合があります。
また、訪問歯科診療で使用される材料の材質にも保険適用外のものがあるため、注意が必要です。

介護保険が適用されるケースもある?

介護保険とは、介護が必要な方が介護認定を受け、要介護度に応じて介護サービスの費用の一部を負担してもらえる制度です。要介護度に応じて利用限度額があり、限度額を超えた分は全額自己負担となります。
訪問診療は医療サービスになるため、介護保険は利用することができません。ただし、訪問診療と組み合わせて居宅療養管理指導を利用する場合は介護保険が適用されます。
居宅療養管理指導とは、医師や歯科医師、薬剤師、管理栄養士などが定期的に訪問して、健康管理や健康維持についてのアドバイスをしてくれるサービスです。アドバイスのみで治療などの医療サービスは行わないため、介護サービスとして介護保険が適用されます。

訪問診療でできること

訪問診療でできること
訪問診療では診療をはじめ、看取りに対応してもらえる場合もあります。訪問診療で提供される医療には以下のものがあります。

  • 診察・血液検査のための採血
  • 心電図・超音波検査(腹部・心臓)・レントゲン撮影
  • 点滴・輸血・腹水の除去・褥瘡処置
  • 薬剤の処方
  • 緩和ケア
  • 疼痛ケア
  • 褥瘡(床ずれ)の管理
  • 人工呼吸器の管理・気管切開の管理
  • 胃ろう管理(交換)
  • カテーテル管理
  • 歯科医師による口腔管理

訪問診療では必要に応じて薬も処方されます。また糖尿病などの自己注射の方法や、在宅酸素療法などで自宅に機器を導入する場合の使用方法など、自宅での治療や処置に対する指導や管理も行います。
さらに、訪問日以外でも病状が悪化したり不測の事態が起こった場合は、緊急の往診に対応してもらうことができます。

訪問診療のことなら医療法人社団昌美会にご相談を

上尾ハートクリニック
訪問診療は、通院が困難になった場合に利用できる診療体制として、需要が高まっています。
医療法人社団昌美会は、埼玉県に上尾ハートクリニックと西村ハートクリニックの2院があり、「在宅医療は在宅入院である」をコンセプトに心と心のかよう在宅医療を理念として、地域密着型の質の高い医療の提供を目指しています。
ここからは、24時間365日体制で充実した訪問診療を提供している医療法人社団昌美会の特徴を紹介します。

入院診療と変わりない充実した医療を提供

医療法人社団昌美会では、総合的に患者さんをサポートできるよう、医師と看護師、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師が連携をとってチームで訪問診療にあたっています。入院診療と変わらない充実した医療を自宅にいながら受けられるよう診療内容の充実にこだわっており、先進的な医療機器を用いたMRI検査やCT検査、骨密度検査、レントゲン検査も訪問診療で受けることができるのが特徴です。
これらの検査以外で、医療法人社団昌美会 上尾ハートクリニックで対応している訪問診療の主な内容には以下のものがあります。

  • 一般検査(血液・生化学・尿)
  • 点滴注射・中心静脈栄養
  • 予防接種
  • 癌性疼痛に対する緩和療法
  • 在宅人工呼吸器療法・在宅酸素療法
  • 心電図・超音波検査
  • 経鼻胃管栄養・胃瘻管理・胸水穿刺・腹水穿刺
  • 経鼻胃管栄養・胃ろう管理
  • 褥瘡処置
  • 留置カテーテル管理
  • 心臓ペースメーカー機能検定・埋め込み型除細動器機能検定

訪問診療で対応してもらえる内容が充実しているので、手厚いサポートを受けられるといえるでしょう。

24時間体制の機能強化型在宅療養支援診療所

上尾ハートクリニック 受付
医療法人社団昌美会は、在宅療養支援診療所です。在宅療養支援診療所とは、各機関と連携しながら24時間対応できる診療体制を整えている診療所のことで、在宅医療において中心的な役割を担っています。
医療法人社団昌美会では在宅医療介護センターも併設し、24時間365日体制で医師と看護師が待機しています。また、上尾中央総合病院やさいたま赤十字病院、調剤薬局などさまざまな医療機関や施設と連携することで、患者さんの病態が急変した場合も適切な診療を受けられるよう体制が整えられています。

地域に寄り添った医療、看護、介護サービスを提供

医療法人社団昌美会には、埼玉県上尾市春日に上尾ハートクリニック、埼玉県上尾市宮本町に西村ハートクリニックがあり、地域に寄り添い充実した医療・看護・介護サービスを提供できるよう尽力されています。自宅での看取りにも対応しているので、訪問診療を開始してから最期まで、心と心の通う手厚いサポートを受けることができるでしょう。
訪問診療の対象エリアは、上尾市・伊奈市・桶川市・北本市・さいたま市北東部です。この地域にお住まいで、充実した検査や診療を訪問診療で受けたいと考えている方は、医療法人社団昌美会に一度相談してみてはいかがでしょうか。

医療法人社団昌美会 上尾ハートクリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR高崎線 上尾駅西口より徒歩8分

埼玉県上尾市春日1-4-22

診療時間
9:30~12:30
14:30~17:30

※緊急時は24時間対応

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