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在宅医療の現状とは?対象になる人の特徴・行えること・訪問診療と往診の違いについて解説

 更新日:2023/09/27
介護

在宅医療と聞くと高齢者の在宅ケアを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、通院が困難な方であれば年齢を問わず利用できるのが在宅医療です。
日本は高齢化社会を迎え高齢者の在宅ケアの整備を進めていますが、どれほど充実したのでしょうか。
また、障害のある子どもや青年の生活の医療的なサポート体制も気になることでしょう。
本記事では必要性が増す在宅医療の現状と、在宅医療の対象になる人の特徴・行えること・訪問診療と往診の違いなどを解説します。

橋本 和憲

監修医師
橋本 和憲(ひのでクリニック)

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広島大学医学部を卒業後、複数の総合病院や診療所で内科・呼吸器内科・緩和ケア科・在宅医療・小児在宅医療・精神科など、さまざまな医療分野の経験を積む。2019年4月に同院を開業。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本在宅医療連合学会所属

在宅医療の現状とは?

在宅医療の現状
在宅医療では、医療・介護・福祉などのスペシャリストが通院の困難な方の住まいを訪問します。その上で患者や家族の意向をくんで包括的かつ全人的に提供するのが在宅医療です。
2008年以降在宅医療を受けている方の人数は増加する傾向にあり、2020年の厚生労働省の調査では全国で約17万3,600人の方が在宅医療を受けています。在宅医療を受けているのは、高齢になり自宅で最期を迎えたい方・ご病気で通院が難しくなった方・障害によって通院が難しい方などです。
日本財団が2020年に行った『人生の最期の迎え方に関する全国調査』によると、「人生の最期を迎えたい場所」でいちばん望ましい場所を「自宅」と回答した人は58.8%でした。しかし、厚生労働省が市区町村窓口に提出された死亡届を元に作成する『人口動態統計』によると、2021年の死亡者数のうち自宅で亡くなった方は約17.2%です。市民の希望と実態には大きな乖離があり、この差の縮小は在宅医療における大きな課題といえるでしょう。

在宅医療の対象になる人の特徴

在宅医療の対象になる人の特徴
在宅医療と聞くと体の不自由な高齢者の診療を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、在宅医療を利用できるのは高齢者だけではありません。
小さな子どもから高齢者まで年齢に関わらず、通院が難しい方には在宅医療の利用という選択肢があります。一般的に在宅医療の対象となるのは以下のような方々です。

  • 歩行が難しい人
  • 寝たきりの人
  • 認知症の人
  • 病気や障害のある方(子どもを含む)

以降の章では、在宅医療の対象になるケースと特徴について解説しましょう。事情がありご自身やご家族の通院が辛い・大変・困難と感じている方は、在宅医療の検討の参考にしてください。

歩行が難しい人

在宅医療の対象になる方の大きな特徴の1つが、介助なしでの歩行が難しいという点です。例えば、脳梗塞などで入院治療を受け退院したものの、身体機能に障害が残り介助なしでは歩けない方などが該当します。
若くて他にご病気もない方で足を骨折して一時的には介助なしで歩けない方もいますが、在宅医療の対象にはならない傾向があるでしょう。
介助なしで歩けなくても、常時介助人がいて楽に通院できる方は、在宅医療を希望しないケースが多いです。こうした方の中には通院を数少ない外出の機会として楽しみにしていたり、病院のスタッフとの交流を楽しみにしていたりする方もいます。

寝たきりの人

在宅医療の対象になる方のもう1つの大きな特徴が寝たきりです。自身が寝たきりの状態の場合、持病などで通院をするには多大な困難があります。
そうした方は訪問診療や訪問看護を利用して自宅での療養が可能です。またご家族の負担も軽減され、安心して生活できるでしょう。地域や病院のケアマネジャーと相談し在宅介護の支援も受けられると、さらに生活の質の向上も可能です。

認知症の人

認知症の方も在宅医療の対象です。軽度の認知症の場合、歩行・食事・通院などは自身でできますが、症状が進むと徐々に自力での通院が難しくなります。それは、外出した目的を忘れてしまったり帰り道が分からなくなってしまったりするためです。
通院には付き添いが必要になりますが、付き添ってくれる方がいなければ訪問医療も可能になります。また認知症が進むと体全体が衰弱し始めるため、自宅で過ごせるよう医療面での支援を行うことも在宅医療の一つです。

病気や障害のある方(子どもを含む)

在宅医療を受けている方の特徴として、病気や障害があり通院が難しい点があります。
具体的には、NICUを退院後の重症心身障害児のように医療的管理や指導が必要な方です。
重度の障害や人工呼吸器や胃瘻などの医療的ケアがない方でも、体調に不安がある方には在宅医療の適応になる方も多数おられます。在宅医療を受けてみたいが、受けられるのかわからない方は一度医療機関にお問い合わせください。
またALS・パーキンソン病などの神経難病や、カテーテルなどが必要となりその管理が必要な方なども在宅医療を利用できます。こうした子どもや病気・障害のある大人は在宅医療を利用することで、家族と共に安定した生活を送れるでしょう。

在宅医療で行えること

在宅医療で行えること
これまでの在宅医療は問診・薬の調剤・注射など軽い医療行為に限られていましたが、現在では在宅でも多くの医療行為を受けられるようになりました。在宅医療を専門とする医師・看護師などの医療従事者もいます。
在宅医療は地域に密着した医療です。在宅医療を提供する医療機関だけでなく、訪問看護ステーションやケアマネジャーさんがいる居宅介護支援事業所など地域の医療・介護事業所と協力して、患者さんとそのご家族の生活をサポートしています。自宅で生活する患者さんやご家族が希望する生活をかなえ、より安楽に生活できるサポートをしていくことが在宅医療を提供する医療機関の役割ではないでしょうか。

予防接種・ワクチン接種

医療の進歩によって、感染症によっては予防接種やワクチンによって重症化を防ぐことができるものもあります。そうした予防接種をきちんと計画的に接種することで、健康を維持することはとても大切です。
通院が難しい方は、在宅医療を受けながら自宅で予防接種も受けることができます。

薬の調整

在宅医療では訪問した医師が診察をして、必要な薬の調整をすることが可能です。また、必要に応じて自宅で検査も行います。
がんによる痛みがある場合などは、症状にあわせてきめ細かな薬の調整をすることで生活の質がまったく変わります。普段生活する環境で、自分の症状にあわせて薬を調整することで症状を早くコントロールすることが可能でしょう。

点滴・注射

入院治療では多く種類の薬剤を点滴・注射で投与できますが、在宅医療でもある程度の点滴・注射が可能です。
在宅医療では投与できる薬に若干の制限がありますが、在宅医療を検討している方やそのご家族で、事前に投与している注射や点滴が在宅医療でも投与可能かがわからない場合には、直接でもいいですし、点滴などを実施している医療機関を通して在宅医療を提供している医療機関に確認することができますので、まずは相談をしてみましょう。

気管切開や胃ろうのチューブ交換

脳梗塞やパーキンソン病、神経難病などで呼吸や飲み込みが難しくなった方は気管切開チューブや胃ろうなどが必要な方もいます。そうした患者さんは医療機関への通院が困難な場合も多く、在宅医療を受けられる場合もあります。
在宅医療では気管切開や胃ろうのチューブを自宅で交換できます。また医療処置に必要な物品も在宅医療を受けている医療機関から提供可能な場合もあります。

尿バルーンの交換

尿バルーンは膀胱留置カテーテルともいい、尿の排出障害で出せない尿をカテーテルという管を膀胱まで挿入し尿を排出させる医療器具です。
尿をうまく排出できないと膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症を引き起こす可能性があります。尿の腎臓への逆流は非常に危険な状況であり、尿バルーンで強制的に尿を体外に排出しなければなりません。
この尿バルーンは定期的な交換が必要です。

在宅酸素療法や人工呼吸器の調整

在宅で酸素や人工呼吸器を使いながら、療養する患者さんが増えてきています。そうした患者さんは在宅医療が入っていない場合には、病院の医師が酸素量や人工呼吸器の設定を調整していますので、変更が必要な場合には病院を受診して設定を変更してもらう必要があります。
しかし、そうしたご病気によって呼吸に影響がある患者さんは通院も困難な場合が少なくありません。
訪問診療を受けることで、自宅で必要なときに診察を受け、酸素量の調整や、人工呼吸器の設定を変更してもらうことができます。

血液検査や尿検査

在宅医療では血液検査や尿検査も可能です。その検査結果を参考にしながら患者さん・ご家族の方と相談し、治療の方針を決めます。また、在宅医療でも急を要する場合には、検査当日や翌日に検査結果を参考に治療方針を決めることもできます。
在宅医療だから、検査しても何日も結果がわからないので、状態にあわせた適切な治療方針が立てられないといったことはありません。ただし、検査の内容によっては当日に結果が出ないものもあります。

心電図検査やエコー検査

以前の心電図検査やエコー検査は検査機器が大きく持ち運ぶのが困難でしたが、現在ではコンパクトで持ち運べる検査機器があります。在宅医療ではそうしたコンパクトな検査機器を使用して心電図検査エコー検査が可能です。
そうした検査機器を常時携帯し随時検査できる医療機関と、事前に予約が必要な医療機関がありますので、検査を受けたい方はあらかじめ確認しておきましょう。

訪問診療と往診はどう違うの?

訪問診療と往診はどう違うの?
在宅医療には訪問診療と往診という2つの診療スタイルがあります。
訪問診療では医師が定期的・計画的に自宅などを訪問し診療を行います。往診は患者さんや家族からの電話などでの要請を受けて、その都度、診療を行うことです。
どちらも訪問医療ではあり、状態が変化しやすい患者さんには訪問診療と往診を組み合わせて提供することで、普段の様子を把握しながら、体調不良時にも速やかに対応することができます。
また在宅医療では全人的・包括的医療を提供するものですので、医療のスペシャリストと介護・福祉のスペシャリストが連携してケアを行います。医療的なケアを行う医療のスペシャリストには、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・作業療法士・理学療法士・言語聴覚士・栄養管理士・歯科衛生士などがあります。
生活支援を行う介護・福祉のスペシャリストは介護支援専門員(ケアマネジャー)・介護福祉士・訪問介護員(ヘルパー)などです。

在宅医療をご希望ならひのでクリニックへ

ひのでクリニック
広島県で在宅医療を希望する方に紹介したい医院は、ひのでクリニックです。

ひのでクリニックは患者さんの生活や日々のできごとを支える在宅医療を目指しています。

ひのでクリニックの院長である橋本先生は、以下の3点の柱を実行する在宅医療専門の医師です。

  • 子どもから大人まで全ての方の在宅医療専門の医師
  • 心と体の両方から診察
  • 患者さんが家で快適に過ごせる治療

では、ひのでクリニックがどのようなクリニックなのか具体的にご紹介していきましょう。

在宅医療専門の医師で安心

ひのでクリニックの院長の橋本先生は、日本在宅医療連合学会に所属する在宅医療専門の医師です。

広島大学医学部を卒業し、複数の総合病院や診療所で経験を積みました。

内科・呼吸器内科・緩和ケア科・在宅医療・小児在宅医療・精神科などの医療分野で勉強したのち、クリニックを開業しています。

在宅医療では専門的な知識も必要ですが、ケースバイケースでさまざまな病気を診察しなければなりません。

その点、ひのでクリニックは在宅医療の専門の医師でありながら、総合病院でも多くの分野で医療経験を積んでいますので安心です。

0~100歳まで対応し、子どもの在宅医療にも

ひのでクリニック
ひのでクリニックでは0歳の子どもから100歳の高齢者まで、年齢に関わらず在宅医療を行っています。

少子高齢化でケアを必要とするお年寄りが増えていますが、新生児医療の進歩により医療的ケアを必要とする子どもも増えているためです。

24時間365日・土日・夜間でも対応

ひのでクリニックの往診は、24時間365日・土日・夜間でも対応しており、突然の容態の変化や異変が起きても安心といえます。

訪問診療を基本とし、容態に応じて往診を行っているためです。
 
広島県広島市近郊で訪問診療の「かかりつけ医」を探している方は、ひのでクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

ひのでクリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR山陽本線・JR可部線・JR芸備線 広島駅 車で4分
バス:段原山崎 下車 徒歩3分
バス:マツダスタジアム前 下車 徒歩6分

広島県広島市南区段原日出1-12-18-101

診療時間
9:00~12:00
13:00~17:00

※緊急の場合は24時間、365日対応いたします。
※外来受診を希望される場合は、必ずはじめにお電話ください。

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