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血尿の原因は?検査方法や治療法、予防法まで徹底解説!

 公開日:2024/07/30
血尿の原因は?検査方法や治療法、予防法まで徹底解説!

トイレに行って尿に血が混ざっていたり、検査で血尿と診断されたりした場合、何の病気にかかっているのか不安になるでしょう。

出血は身体の不調のサインのため、迅速かつ適切な処置が必要です。血尿を放置していると状況は悪化し、危険な状態になりかねません。

この記事では、血尿の原因を詳しく解説します。検査方法や治療法、予防法も含め血尿に対処するためのポイントをまとめているので、参考にしてみてください。

渡邉 智成

監修医師
渡邉 智成(渋谷内科・スキンケアクリニック)

プロフィールをもっと見る
2005年 順天堂大学医学部卒業
2006年 同医院初期研修医
2008年 同医院腎高血圧内科入局
2012年 同大学院卒・医学博士取得
2016年 池上総合病院腎臓内科科長
2020年 昭和育英会 湯島三和クリニック院長
複数の美容医療クリニックで研鑽を積む
2022年 渋谷内科・スキンケアクリニック開院

血尿の主な原因は?

血尿の主な原因は?
血尿がみられた場合、体内では明らかに不調が起こっています。血尿が生じた際に考えられる代表的な原因を解説します。

腎臓の病気

血尿は、腎臓から尿の出口までの間で赤血球が尿に混じる症状です。大きく分けると、腎臓由来か尿路由来のケースがあります。
腎臓由来のケースでは、血液をろ過する糸球体に何らかの障害が起きることにより、血尿が生じます。主症状に血尿が含まれる疾患例は以下のとおりです。

  • IgA腎症
  • 急性糸球体腎炎
  • 膜性増殖性糸球体腎炎
  • 急速進行性糸球体腎炎
  • ループス腎炎
  • 紫斑病性腎炎

高血圧・膠原病などによる腎障害によって引き起こされることもあり、腎臓の病気と血尿が密接に関係していると考えられます。
また腎臓に原因があると、血尿と合わせて尿中に基準値以上のタンパク質が排出されるタンパク尿がみられることもあります。
血尿とタンパク尿が両方認められる場合は腎機能が低下している恐れがあるため、早期の治療が必要です。

膀胱炎

膀胱炎とは、尿を溜めて排泄する役割を持つ膀胱内で炎症が起き、膀胱の機能に異常が生じる尿路感染症です。直腸常在菌による上行性尿路感染が原因となって引き起こされます。
10~50代の女性に多く、頻尿・排尿時痛・残尿感などの症状が起こります。膀胱炎が原因で生じる血尿は、尿が赤みを帯びていることが肉眼で確認できます。
また膀胱炎では白血球が細菌と闘うことにより、死んだ白血球が混じり尿が白濁する膿尿と、死んだ細菌が検出される細菌尿がみられます。

結石

結石とは、尿に含まれるシュウ酸・カルシウム・マグネシウム・尿酸などの成分が結合し、結晶化したもののことです。
直接命を脅かす疾患ではないものの、結石が尿管の粘膜を傷付け、血尿や激しい疼痛を生じさせます。
結石の場合は、尿路感染症を合併していなくても膿尿が認められます。さらに、結石は再発しやすい疾患です。腎結石の再発率は治療後3年間で30%、10年間では60%とも報告されています。

前立腺肥大

前立腺肥大とは、男性の尿道周囲を取り巻く前立腺の内腺が肥大する疾患です。
30代後半になると内腺に小さな結節が生じ、80歳以上では大多数の方に結節ができています。結節自体に大きな問題はありませんが、内腺が過剰に肥大すると前立腺の中央を通る尿道が圧迫されて狭くなり、排尿機能に支障をきたします。
血尿を主訴とする前立腺肥大症は稀です。ただし、肥大した腺腫が膀胱の粘膜を圧迫・伸展させて血管を脆弱化させてしまうと、いきんで排尿する際に出血しやすい傾向にあります。

悪性腫瘍

血尿は悪性腫瘍でも多くみられる症状です。代表的な疾患には、以下のようなものがあります。

  • 膀胱がん
  • 腎がん
  • 前立腺がん
  • 尿管がん
  • 腎盂がん

主に腎臓や泌尿器などに悪性腫瘍が生じた場合に、血尿が生じやすいです。
血尿は検査により尿中に血液のもととなる赤血球が増えているのが確認される顕微的血尿と、排尿した際に肉眼で血が認められる肉眼的血尿に分けられます。
膀胱がんは、顕微的血尿で診断される悪性腫瘍で特に多い傾向がある疾患です。
一方で、患者さんの85%が肉眼的血尿をきっかけに自覚し発見されている疾患でもあります。
また、腎がんは健康診断や人間ドックで偶然見つかるケースも増えていますが、血尿が生じてから発覚する患者さんも少なくありません。

外傷

尿路外傷が原因の血尿は、泌尿器科で扱う血尿のなかで特に緊急性が高いものとなります。
交通事故・転落・スポーツによる腰部の打撲などが原因で、腎臓・尿管・膀胱・尿道が損傷し血尿を引き起こします。
腎外傷は頻度が高い傾向にあるものの、80%以上は保存的治療が可能です。
膀胱・尿道外傷は、骨盤骨折に伴って発症するケースが多くみられます。また男性は女性より尿道が長く、尿道外傷をきたすのはほとんどが男性です。

特発性腎出血

特発性腎出血は、通常の内科的・泌尿器科的検査で原因が特定できない片側性の肉眼的血尿を指します。
20〜50代の男性に多くみられ、血尿以外の症状がほぼない患者さんに対して診断されます。多くの場合は一時的な出血のため、あまり心配する必要はありません。
ただし何度も再発するようであれば、念のため医療機関へ受診することをおすすめします。

血尿が出た場合に行われる検査

血尿が出た場合に行われる検査
検査は主に検尿・尿細胞診・超音波検査など、身体への負担が少ないものが中心です。
検尿では顕微鏡による血尿の確認を行い、尿細胞診では悪性細胞の有無を調べます。これらの検査で異常が疑われる場合は、CTやMRIなどを用いた精密検査が必要となります。
場合によっては、膀胱内部を内視鏡で観察する検査が行われる場合もあります。特に、肉眼的血尿が認められる患者さんは注意が必要です。膀胱がんや腎臓がんでは1回の肉眼的血尿で終わるケースがあり、患者さん自身が治ったと誤解してしまうためです。
肉眼では明らかな異常がなくても体内には病気が潜んでいるため、1回でも血尿が出た方は十分な検査を行いましょう。

血尿が出た場合の治療法

血尿が出た場合の治療法
血尿は罹患している疾患に伴ってみられる症状のため、血尿自体の治療は行いません。原因となっている個々の疾患に応じた治療が行われます。
例えば、炎症や細菌感染を伴う疾患では、基本的に薬物療法で症状を改善させます。原因不明の特発性腎出血は急を要さないケースが大半のため、安静と止血剤投与による自然軽快が適しているでしょう。
悪性腫瘍や自然排出されない結石が原因であれば、外科的治療が第一選択となります。
外傷は、損傷の程度によってカテーテルでの保存的治療が行える場合と、手術による腎臓の摘出や膀胱の修復が必要になる場合があります。
患者さんごとに疾患のタイプや症状の程度が異なるため、適切な検査に基づく診断と治療が重要です。

血尿を予防する方法はある?

血尿を予防する方法はある?
血尿を予防するには、血尿の原因となる疾患の予防が大切です。日頃の生活に取り入れられる予防法を紹介します。

適切な水分補給を行う

夏場や運動後に尿の色が濃くなりがちなのは、汗と尿で体内の水分が出てしまい脱水状態になっているためです。色の濃さは、成分の濃さと比例しています。
成分の濃い尿は結石を起こしやすく、細菌感染のリスクも高めます。適切かつ十分に水分補給していれば、健康的な尿を保てるでしょう。
また、細菌をもっている膀胱内を洗い流すことにもつながり、細菌感染を防げるでしょう。
脱水状態を放置すると腎機能の低下も引き起こすため、季節に関わらず水分補給に気を配ってください。水やほうじ茶を毎日1.5~2リットル飲むのがおすすめです。

免疫力を低下させない

免疫力とは、免疫担当細胞が体外から侵入したり体内で発生したりした異物を認識し、排除するためのシステムです。好中球・マクロファージが担う自然免疫と、リンパ球が担う獲得免疫から成り、これらが連携して身体を守っています。この免疫力が低下すると異物に対する抵抗力が弱まり、さまざまな疾患にかかりやすくなります。免疫力が低下する主な原因は、以下のとおりです。

  • 体温の低下
  • 加齢
  • 偏った食事
  • 運動不足
  • ストレス
  • 病気
  • 免疫抑制薬

免疫力を低下させないために、規則正しい生活とバランスのよい食事、適度な運動を心がけましょう。ストレスは心身を疲れさせてしまうため、ストレス解消に努める点も大切です。

定期的に健康診断を受診する

血尿の多くは、健康診断や人間ドックで発覚しています。肉眼的血尿であれば患者さん自身で異変に気付けますが、顕微的血尿だと見た目には普通の尿と変わらず発覚が遅れてしまいます。早期発見には定期的な健康診断の受診が欠かせません。
健康診断を受けていないと、透析や死亡のリスクが高まることが明らかになっています。年に1回健康診断を受診し、尿検査を受けてください。もし尿検査で顕微的血尿が認められたら、二次検査を受けて原因を調べ、必要な治療を早急に行うべきです。
腎臓内科のある病院であれば、より詳細に血尿の原因を見きわめられるでしょう。

血尿が心配なら渋谷内科・スキンケアクリニックにご相談を

渋谷内科・スキンケアクリニック
血尿が心配な方は、東京都渋谷区にある渋谷内科・スキンケアクリニックを受診してみてはいかがでしょうか。

内科の内科一般外来から内科専門外来まで、患者さんの多種多様な悩みに対応されているクリニックです。渋谷内科・スキンケアクリニックの特長を紹介します。

日本腎臓学会 腎臓専門医である院長による地域に寄り添った診療

渋谷内科・スキンケアクリニック
腎臓内科を専門に扱うクリニックがなかなかなくて、血尿がみられてもどの病院に相談するか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
腎臓内科の診療もしている渋谷内科・スキンケアクリニックの渡邉智成院長は、日本腎臓学会 腎臓専門医の資格をお持ちです。その専門的な知識と経験に基づき、ネフローゼ症候群・慢性腎炎・多発性嚢胞腎などの腎臓病の検査から治療までを行っているそうです。
腎臓の評価と診断を適切に行うために、採血・尿検査・腎臓エコー検査などを中心に、多数の項目の検査が実施されています。また、少しでも患者さんの心が晴れて帰ってもらえるよう努めることを信条に、患者さんに寄り添った丁寧な診療を大切にされています。
親身になって患者さんの悩みにしっかりと耳を傾け、治療内容を十分に説明してもらえるため、不安を軽減し治療に専念できるのではないでしょうか。

早期発見・進行予防を目指した腎臓内科

渋谷内科・スキンケアクリニックでは、腎臓病の早期発見・進行予防を目指しているそうです。
腎臓病リスクの代表例は、糖尿病・高血圧などの生活習慣病です。そのため、すでに生活習慣病の治療を行っている方で腎臓の状態が気になる方には、並行して腎臓病の検査・治療を行っています。
土・日・祝日の診療に加え、午後の診療は19時30分まで対応しているため、仕事終わりでも相談や定期健診に通いやすいでしょう。
また、急性期の対応や精密検査が必要になる場合には、専門の医療機関を紹介しているそうです。また、病状が安定した後のアフターフォローにも対応されているそうなので、安心して相談できますね。

腎臓内科・一般内科のほかアレルギーや生活習慣病など幅広い診療

渋谷内科・スキンケアクリニックの大きな特徴は、診療内容が多彩な点です。内科の一般外来だけでも腎臓内科を含む8つの外来があり、多岐にわたる診療が行われています。
日本内科学会 総合内科専門医である医師も在籍しているため、風邪・腹痛などの一般内科の症状も相談しやすいでしょう。
また、腎臓病の原因になる生活習慣病の診療でも、患者さん一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせて生活習慣に関する相談やアドバイスに応じています。アレルギー科では、39種類のアレルゲンを一度に調べられるView39によるアレルギー検査や、花粉症治療も行っているそうです。
さらに睡眠や頭痛などの外来など、多岐にわたって対応されているそうなので、気になる点をまとめて渋谷内科・スキンケアクリニックで解消できるのではないでしょうか。

渋谷内科・スキンケアクリニックにご相談をの基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用

JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン 渋谷駅より徒歩5分

東京都渋谷区渋谷1-8-8新栄宮益ビル1F

診療時間
10:30~13:30
15:00~19:30

★:10:30~14:30
※受付は診療時間の終了30分前まで
※月曜が祝日の場合は診療(翌日の火曜が休診)

【費用】
尿検査(尿定性・沈渣検査):約90円~約260円
血液検査(採血):約600円~約1,800円
尿細胞診検査:約190円~約540円
腹部超音波検査(エコー検査):約530円~約1,590円
膀胱内視鏡検査(スコープ検査):約890円~約2,670円

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