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胃カメラの費用はどのくらい?保険適用になる条件も解説

 公開日:2024/02/09
胃カメラ 費用

最近胃の様子が良くない、それならば胃カメラなどの検査で調べてみたほうが良いのではないかと感じている方もいるでしょう。

しかし診察するにあたって検査費用が気になるという方に、今回は胃カメラの費用について紹介します。

なぜなら胃の不調があるなら医療機関で直ちに検査したほうが胃がんの早期発見に繋がるからです。

胃カメラは意外とお得な値段で検査ができますので、胃カメラ検査が気になる方は一読をおすすめします。

田中 茉里子

監修医師
田中 茉里子(医師)

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・弘前大学医学部卒業 ・現在は湘南鎌倉総合病院勤務 ・専門は肝胆膵外科、消化器外科、一般外科

胃カメラの費用はどのくらい?

胃カメラの費用はどのくらい?
胃がんにかかると治療が難しいということは、医学がこれだけ進歩した今でもいわれています。その証拠に胃がんで亡くなる方というのは日本では近年までかなりの数がみられていました。
しかし時代が経つにつれ胃がんの解明が進み、なんと胃がんの予防までできる時代になりつつあるのです。
そこで胃がんといわないまでも気になる症状がある場合に受けるといくらかかるのか、そして予防する意味で胃カメラ検査を受ける際にはいくらかかるのかを紹介します。

保険適用の場合

日本において医療機関にかかると、支払いの際に検査料や初診料などがつけられることは誰もが体験したことがあるでしょう。
これらは厚生労働省が定めている診療報酬と呼ばれるもので、胃カメラ検査も例外なく設定されているものです。
診療報酬では胃カメラ検査をしたら1,140点の加算がされます。これは1点が10円として換算されるのでそのまま計算すると11,400円となり高額に感じるかもしれません。
しかしありがたいことに、この金額がそのまま使われるのでなく、ほかの検査料と相殺されて診療報酬の実際の値段より安く支払えるのです。
そして、保険適用が入ると社会保険などの医療費の負担割合に応じて支払う金額も違います。
1〜3割負担だと、胃カメラ検査はおよそ数千円程度の負担ですむので、胃カメラ検査に大きなハードルは感じにくくなるかもしれません。
しかし胃カメラで生検などの体内の組織を調べたり、その場でポリープなどの治療を行うとその分の料金が加算される関係で、料金が少し高くつく可能性があるので注意してください。

自費診療の場合

一方、「自費」診察となると胃カメラの診療報酬が使えません。これは診察において健康保険の適用がされないからです。
それに伴って、各医療機関で自由に値段が設定できるようになるので、医療機関の裁量で割高になる傾向がみられます。

胃カメラでピロリ菌検査をする場合の費用

胃カメラでピロリ菌検査をする場合の費用
最近になり、胃がんの原因がピロリ菌によるものだとの見解が示されるようになりました。
そのためピロリ菌検査を受ける方はこちらも気になるでしょうが、ピロリ菌の有無は胃の中の一部を採取して検査を行い調べます。そのため胃カメラ検査は必須となるでしょう。
そして、胃カメラを使って行われるピロリ菌を調べるための検査方法は迅速ウレアーゼ試験・鏡検法・培養法の3つが多いです。

  • 迅速ウレアーゼ試験:ピロリ菌が胃の中でアンモニアを生成し酸を出しているかを試薬を使って調べる方法です。
  • 鏡検法:採取した生体内のピロリ菌の存在を顕微鏡で調べる方法となります。
  • 培養法:胃の中の組織を培養してピロリ菌を調べる方法です。

ピロリ菌の有無の検査は胃カメラを使った場合には、前述した項目のうち1項目しか診療報酬の算定に使えません。
またピロリ菌の検査も、以前は国が指定した疾患が確認されるとピロリ菌検査の保険適用がされましたが、現在では慢性的な胃炎であってもピロリ菌検査が保険適用されるようになりました。
もし胃カメラ検査のときに生検し、採取した組織にピロリ菌が見られた場合は除菌治療を行う必要が出てくるでしょう。
その場合は除菌治療は2回まで保険適用されます。これはピロリ菌が抗生物質に耐性がある場合に失敗する可能性があるからです。
そして抗生物質を変えてまた除菌治療を施し、2回目まで除菌治療を行うと100%近い除菌ができます。
しかし2回目でも除菌が一定数出来なかった場合に3回目も除菌治療が実施できますが、そこまでになると様々な医療機関でも自費診療の扱いが多いです。

胃カメラの費用が保険適用になる条件は?

胃カメラの費用が保険適用になる条件は?
胃カメラ検査の費用が保険適用になる場合は、症状の有無が焦点だといわれています。
胃がすっきりしない・ピロリ菌の陽性症状など胃の症状が見られる場合に医師の判断で検査が必要となれば保険適用がされるのです。
反対に症状がないものの、予防がしたくて検査を受ける場合は人間ドックや健診の扱いとなり保険が適用できず、自費診療となりますので保険適用を受けたい場合は注意しましょう。

胃カメラの検査の流れ

胃カメラの検査の流れ
ここまでは胃カメラ検査の費用について紹介しました。
しかし受けるにあたって、胃カメラ検査を受ける当日の受診の流れはわかりにくいところがあるのではないでしょうか。そこで当日の流れを紹介します。
医療機関に到着後、胃カメラ検査を受ける前に問診表を記入する時間が設けられていますので記入しましょう。
そこで既往歴・アレルギー・内服している薬があれば伝えます。特に内服に関して抗血栓薬(血液をサラサラにするもの)があった場合や、透析関係で処置が禁止されている為、点滴を行うのが難しい場合は検査先の医療機関に確認を取ってください。

消泡剤を飲む

まず検査前には胃の泡を消す白い液体を飲みましょう。胃の中に泡が見られると検査がしにくくなるためです。
そのためこの液体を飲んで胃の中をきれいにしてから検査を行います。

麻酔・鎮静剤

麻酔・鎮静剤
次は検査前に麻酔と鎮静剤が投入されます。
内視鏡検査には2種類用意されている医療機関があり、経鼻内視鏡経口内視鏡が選べるようになっていて、そのどちらかをまずは選択しましょう。
経鼻内視鏡を使う際は麻酔をかける前に鼻の通過を良くする薬を点鼻し、その後キシロカインと呼ばれる麻酔を鼻にかけます。そしてスティックを使って鼻の中に塗るかスプレーを使うかは医療機関によって異なりますので、検査前に確認しましょう。
経口内視鏡の場合はキシロカインを口に含みます。数分後まで喉にいきわたるように溜め込み、溜め込んだ後の動作は飲み込んだり吐き出したり医療機関により違いが見られるようです。ほかにも必要時には鎮静剤を使用する場合があります。
ここで注意していただきたいのがキシロカインという麻酔薬です。
これはアレルギー反応が出るといわれているもので、もし歯科などで処置の際に使われたときにアレルギー反応が見られた場合は医師などに相談しましょう。

検査

検査はベッドで横になってから行われますが、鎮静剤利用を希望した方は先に鎮静剤を点滴で入れてから始めます。
経鼻内視鏡であれば鼻から細い内視鏡が挿入され、経口内視鏡であればマウスピースを咥えてから口に内視鏡が挿入されます。
内視鏡が体に入っている際は肩・首・喉に力は入れず、またげっぷは我慢しましょう。唾液は口から出します。検査時間は5~10分くらいで完了です。
検査後、経口内視鏡であれば 口腔内の唾を吐きうがいをします。麻酔は検査後も1時間は効果がある状態なので飲食はできません。
また鎮静剤を使っている場合は1時間は安静にしないといけません。更に検査が終わってからも鎮静剤が残っている可能性が十分にあり得ます。そのため当日は車の運転などは控えましょう。

診察

診察に関しての結果報告は数日かかる医療機関が多いようです。生検などをする場合は2週間程度時間を要することがあります。自分が利用した医療機関で診察した際に結果はいつ頃聞けるのか確認しましょう。
結果は画像を見ながら説明をしてくれるので、わかりやすく自分の胃の把握が可能です。また外来以外でも電話などでも連絡を受けることもあります。

胃カメラの検査前の注意点

胃カメラの検査前の注意点
胃カメラ検査を受けるにあたって、どのようなことに注意したら良いでしょうか。ここではその点についておさえておきましょう。
気になる前日の食事や日頃している運動は、胃カメラ検査前にはどうしたら良いのかまとめています。

繊維質の多い食べ物を控える

繊維質の多い食べ物を控える
食事は前日の21時までに終わらせておきましょう。
21時を過ぎると固形物を食べることは控えてください。しかし水やお茶は飲むことができます。夕食はうどん、おかゆなどの消化に良いものを摂取しましょう。
しかし乳製品・脂っぽい物・きのこ・海藻・野菜・キウイフルーツなどの繊維質が多く含まれている食物は避けてください。これは消化が悪く繊維質が残るからです。検査が終わるまで控えましょう。

アルコールを飲まない

胃カメラ検査前には、アルコールだけでなく検査を正確にするために、胃を空にしておくことが大切です。
21時以降には水やお茶は飲んで良いと前述しましたが、同じ飲料でも特にアルコールの摂取は検査3日前から検査後まで控えるようにしましょう。
なぜなら、アルコールは胃に刺激が強く荒れやすいので検査に支障が出るかもしれないからです。
場合によっては生検をすることがありますが、その検査後の飲酒も控えるようにしてください。

激しい運動をしない

運動を日頃厳しめに取り組まれている方は、胃カメラ検査前日には、運動は胃への負担になるので控えるようにしましょう。
検査後であれば運動はしても良いですが、やはり生検等の検査をした際は胃に負担がかかるので激しい運動は避けてください。

サウナは控える

サウナは控える
サウナを趣味にされている方は多いことでしょう。しかし胃カメラ検査を受ける前にはいったん中止してください。
なぜなら胃カメラ検査を受ける際に食事制限がされますが、その食事制限により脱水が引き起こされる可能性があるからです。
サウナを利用したことによる発汗は体への負担となりますから、検査前は控えてください。
また検査後であれば使用しても良いですが、検査前まで胃の中に何も入れていない関係で水分も取れていない可能性があります。
水分がきちんととれていない場合は、更にサウナ利用中に脱水を引き起こす可能性がありますので、サウナに入る前は1リットル近くの水を飲んでから入るようにしてください。

胃カメラの費用以外で病院を選ぶポイント

胃カメラの費用以外で病院を選ぶポイント
胃カメラ検査をするうえで自身が胃カメラを受けやすい検査を選べる病院をみつけることは大切なことだといえます。
検査といえどもあまり辛い思いはしたくないと誰もが思うことでしょう。
そのような方にこの項目では鎮静剤の仕様の有無・経鼻内視鏡が利用できるかなど病院選びのポイントは何に注目したら良いのかを紹介します。

鎮静剤を使用できるか

胃カメラを飲むときに喉の奥に触れると吐き気を覚えた体験をしたことがあるでしょうか。
それが嫌な思い出になっている方は、鎮静剤を使える医療機関を探しましょう。
そのため、鎮静剤が可能かの選択肢を提示できる医療機関に相談できると良いでしょう。
しかし、その鎮静剤を使うにあたってメリットやデメリットがあります。そのことを説明してくれる医療機関で検査ができたら患者さん自身も心強いでしょう。
また、鎮静剤なしで胃カメラを使う医療機関もあります。鎮静剤なしで行う医療機関には、以下のような理由があります。

  • 医院内で休むスペースが設けられない
  • 車が多い地域である
  • 鎮静剤の使用で血圧や呼吸数が下がってしまうといざという際の処置が難しい

しかし鎮静剤を使わない分、苦痛の少ない胃カメラ操作ができる技術力がある医師という証拠にもなると捉えても良いのではないでしょうか。

経鼻内視鏡を選べるか

経鼻内視鏡を選べるか
胃カメラ検査といえば専ら口から検査のチューブが入るとのイメージが強いかもしれません。
そして入れたものの強い吐き気に見舞われた方は経鼻内視鏡を選ぶのも手といえるでしょう。
そのことから、どこから挿入する内視鏡かを選べる医療機関の選択をおすすめします。
経鼻内視鏡は経口内視鏡より半分以下のサイズで細いので、喉を通るときの吐き気などは軽減されるのが特徴です。また呼吸もしやすいので負担が少ないのがポイントでしょう。
しかし経口内視鏡よりサイズが劣るということは画質もその分落ちてしまいます。しかし目に見える精度の下がりはありません。
また経口内視鏡の方が胃の中での変化を観察しやすくなっていますので、より高度な精度を求める場合には経口内視鏡を選択しましょう。
検査の質に重きをおきたいのであれば経口内視鏡、負担は少ない方が良い方は経鼻内視鏡を選択に入れてみてはいかがでしょうか。ただし、静脈麻酔の利用をする際は経口内視鏡を使用することをおすすめします。

胃カメラの実績が多いか

経験の少ない医師に胃カメラを対応してもらうと考えると、患者さんは不安になってくることは想像に難くありません。
胃カメラ検査を受ける際には速度や体内に入れることへの苦痛をいかに和らげるか、病変を見逃すことはないかなどは、医師がどれだけ胃カメラなどの内視鏡検査を経験しているかという点にかかってきます。
そのため良い医療機関にかかるためには、ホームページで胃カメラ検査などの臨床経験の実績を調べてから選ぶと良いでしょう。

編集部まとめ

まとめ
この記事では胃カメラの費用について、保険適用ができるのかなどを解説しました。

費用については社会保険の負担割引が入って 1~3割負担だと数千円程度で収まる点は、家計にやさしく予防を目指せるためコストパフォーマンスが良いといえるでしょう。

また、胃カメラの検査方法や当日までしてはいけないことなどもまとめました。
費用と合わせて胃カメラ検査を受けるイメージが持てたら検査も受けやすくなるでしょう。

今は苦しい思いをなるべく抱かせないように、内視鏡での検査方法も選択肢がありますので積極的に自分に合う検査方法を探してみるのも良いかもしれません。

胃がんは予防できる時代になりました。この機会に胃に関して気になる症状があれば、胃カメラ検査を行い健康を目指しましょう。

この記事の監修医師