二重整形は埋没法だと取れる?取れる確率や取れやすい人の特徴・取れる前兆・取れたときの対処法も詳しく解説
二重整形を行ったら、糸が出てきたなんて話を聞いたことがある方もいるでしょう。この糸は二重整形の埋没法で使用されるもので、この糸で二重を作っています。
埋没法で作った二重は確かに取れやすいといわれています。ですが、糸が取れやすい人の特徴もわかっているため、適切なケアを行えば長く二重を維持できます。
そこで本記事では、二重整形の埋没法で使う糸が取れやすい理由・取れる確率・取れやすい人の特徴などについて詳しく解説します。
監修医師:
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会
目次 -INDEX-
二重整形の種類
二重整形の種類は主に埋没法と切開法の2つです。二重を作るためには、二重まぶたの裏側と上眼瞼挙筋という眼筋との間に連続性を持たせる必要があります。
埋没法は細い糸を使用することで連続性を持たせ、二重を作る方法です。一方、切開法は手術によって連続性を持たせる方法です。
それぞれに適したまぶたの形がありますが、人のまぶたの形は様々であるため埋没法と切開の法どちらが適しているかは一概にはいえません。
希望する二重の形によっても手術方法が変わってくるため、二重整形を希望する場合には美容外科へ相談しましょう。
埋没法
埋没法とは、二重整形の手術の中でも最も簡単にできる手術方法です。埋没法は次のような方に向いています。
- 初めて二重整形を行う方
- 高校生以下の方
- 周囲にばれたくない方
- アイプチで二重の線が付きかけている方
- まぶたのたるみや厚みが少ない方
埋没法は医療用の細い糸を使用し、二重を作ります。目の内部から行うため二重整形の跡が目立ちにくく、周囲にばれにくいです。
埋没法の術後、まぶたが腫れたり内出血したりすることがありますが一週間程度で治まります。切開法と比べて、ダウンタイムが短いため早期に日常生活に回復できることが利点です。
しかし、仕上がりやダウンタイムの期間は二重整形に使用した糸の本数・糸の掛け方・手術を行う医師の技術次第で大きく異なります。経験豊富な医師に行ってもらうと良いでしょう。
切開法
切開法とは、目の外側から手術を行い二重を作る方法です。切開法は次のような方に向いています。
- まぶたが厚い方
- まぶたの皮膚が余り気味な方
- 幅広い二重を作りたい方
- 埋没法では二重がとれてしまった方
切開法には、小切開法と全切開法の2種類があります。
小切開法は、全切開法と埋没法の両方の特性を持つ手術方法です。小切開法は10㎜程度の切開のみ行うため、全切開法と比べて腫れ・内出血・ダウンタイムが軽度で済むことが利点です。
全切開法は瞼の全体にあたる約35~40mm切開します。幅広く切開することで余分な皮下組織を切除でき、強い癒着を作れます。そのため、非常に取れにくい二重ができます。
しかし幅広く切開する分、腫れや内出血などのダウンタイムは長くなりやすいです。また手術の跡が残ることがあるため、周囲にばれる可能性があります。
切開法も埋没法と同様に医師の技術次第で仕上がりやダウンタイムが大きく異なります。経験豊富な医師に行ってもらい、手術前には医師と相談して適切な手術方法を選びましょう。
二重整形は埋没法だと取れる?
埋没法で作られた二重は取れやすいことが欠点です。埋没法は細い糸を使用し、二重を作ります。この糸が劣化しなければ二重を維持できますが、まばたきや目を見開く度に、ある程度の負荷がかかってしまいます。
一回当たりの負荷は大きくありませんが、回数が重なると大きな負荷です。糸が完全に切れなくとも、糸が掛かっている部分が少しずつ切れていく場合があります。すると結果的に、二重が取れてしまう可能性があるのです。
埋没法での二重が取れやすいかどうかは手術を行う医師のスキルや経験も重要な影響を与えます。経験豊富な医師に行ってもらうと良いでしょう。
埋没法の糸が取れる確率
埋没法を行った後、1年以内に二重が消えてしまう確率はおおよそ10~20%です。これは、埋没法に使用した糸がほどけてしまうことが主な原因といわれています。
1年経過後には、糸がほどけてしまうことはほとんどありません。ですが、前述したようにまばたきなどで糸に負荷がかかり、今度は糸が切れる確率が高くなっていきます。
埋没法を行った後、5年ほど経過すると30%程度で糸が切れて二重が消えることがあります。
二重整形に限らず、どの手術においても全くリスクがなかったり完璧な術後結果が保証されたりすることはありません。
手術を受ける前には、必ず医師と相談し、手術後の予後やリスクについて説明を受けることが重要です。
糸が取れやすい人の特徴
糸が取れやすい人の特徴は次のとおりです。
- 糸を留める数が少ない
- 幅が広い二重にした
- 目をこする癖がある
- まぶたに厚みがある
- まぶたがたるんでいる
まぶたの皮膚は上に行くほど厚みがあります。厚みがあると、二重が作りにくく消えやすいです。そのため、二重幅を広く取ろうとまぶたの上の方で埋没法を行うと糸が取れやすくなります。
理想の二重の形があるかもしれませんが、医師と相談し無理のない範囲で二重を作ることで取れにくい二重にできます。
手術後のトラブルを避けるためにも手術前に自分のまぶたの状態を確認し、糸が取れにくいまぶたなのか、糸が取れた場合はどうしたら良いか医師に相談しておくと良いでしょう。
糸を留める数が少ない
埋没法は何本かの細い糸を使用し、二重まぶたの裏側と上眼瞼挙筋を繋ぎ合わせて二重を作る方法です。ですので、糸を留める本数が少なければ当然しっかり繋ぎ合わせることができず、糸が取れやすくなる可能性があります。
しかし、手術方法や手術実施者によっては糸を留める数が少ないのにも関わらず、糸が取れにくいこともあります。
手術を受ける前には必ず医師と相談し、手術後の予後やリスクについて説明を受けることが重要です。また、手術後には、医師の指示に従って適切なケアを行うようにしましょう。
幅が広い二重にした
幅が広い二重は糸が取れやすいです。二重の幅を広くするためには、まぶたの上の方で埋没法を行う必要があります。
ですが、まぶたは上に行くほど脂肪が多く厚みがあるため、糸の間に脂肪が挟まれることになります。脂肪がずれた時に糸に緩みができやすく、糸が取れやすくなるのです。
まぶたは移行帯という部位があり、その範囲内に二重幅を作ると自然な二重になります。二重整形を行う際には自分の希望だけではなく、医師としっかり相談して糸が取れにくい位置で二重を作ると良いでしょう。
目をこする癖がある
目をこする癖がある場合、糸が取れやすいです。目をこすることで手術部位に対し、外的な刺激や力が加わってしまうからです。
ですので手術後には、手術部位を触らないように気をつけましょう。また、目をこすることは角膜を傷つけることにも繋がり、感染の原因にもなります。
埋没法を行った後、目がゴロゴロして違和感を覚えることは多いため、どうしても目をこすってしまうこともあるでしょう。そのような場合には医師へ相談し、適切な処置を行いましょう。
まぶたに厚みがある
まぶたに厚みがある場合、糸が取れやすいです。ですので、まぶたが厚い場合には切開法が推奨されることが多いです。
まぶたに厚みがあると、二重まぶたの裏側と上眼瞼挙筋がうまく繋ぎあわず、糸が取れやすくなります。ただし、手術実施者によっては厚いまぶたでも糸が取れにくいよう工夫して埋没法を行ってくれます。
埋没法を行えるクリニックは多くありますが、厚みのあるまぶたへの埋没法を得意としている医師に行ってもらうと良いでしょう。
手術を受ける前には必ず医師と相談し、手術後の予後やリスクについて説明を受けることが重要です。また手術後には、医師の指示に従って適切なケアをすることが大切です。
まぶたがたるんでいる
まぶたがたるんでいる場合には、数mm幅の皮膚を切除しなければならないことがあります。ですので、切開法を推奨されることが多いです。
それでも、切開法を行いたくないという場合には埋没法を行うことがありますが、たるんだまぶたは手術部位が固定しきれないことがあり、糸が取れやすくなる可能性があります。
ですが、色々な工夫をして糸が取れにくいように埋没法を行ってくれる医師もいます。二重整形を受ける場合には、経験豊富な医師に行ってもらうと良いでしょう。
糸が取れるときの前兆
二重整形術後に、糸が取れる前兆には次のようなものがあります。
- 二重幅が狭くなる
- 二重の食い込みが浅くなる
- 二重線がたまに消える
- 三重になる
- まぶたが重く感じる
このような症状を感じたら糸が取れる可能性があります。埋没法を行ったクリニックで医師に診てもらいましょう。
クリニックによっては無料で診察や再手術を行ってくれる所もあります。アフターフォロー制度を活用しましょう。
取れてしまったときの対処法
二重整形の糸が取れてしまったときは次の方法で対処しましょう。
- まぶたから糸が出ていないか確認する
- 二重整形を受けたクリニックの保証を確認する
- もう一度手術をするか検討する
まぶたから糸が出ている場合、医師による早急な処置が必要です。糸をそのまま放っておくと目を傷つけてしまう可能性があります。
一度切れたり緩んだりした糸が元に戻ることはありません。二重をまた作りたい場合にはもう一度手術をするか検討する必要があります。
一般的にクリニックでは保証期間を設けているため、アフターフォロー制度を活用しましょう。
まぶたから糸が出ていないか確認する
二重整形の糸が取れてしまった場合、まずはまぶたから糸が出ていないか確認しましょう。まぶたから糸が出ている場合、早急な処置が必要です。
まぶたの表から糸が出ている場合、細菌が傷口から侵入して皮膚が炎症を起こす可能性があります。まぶたの裏から糸が出ている場合、糸が眼球を傷つけてしまう可能性があります。
まぶたの裏から糸が出ているかどうかは中々目視で確認しにくいです。しかしながら、痛みや違和感を覚える場合には、早急にクリニックへ相談しましょう。
まぶたから糸が出ていない場合でも、一度切れたり緩んだりした糸が元に戻ることはありません。再び二重に戻したい場合は医師へ相談しましょう。
二重整形を受けたクリニックの保証を確認する
糸が取れてしまった場合、二重整形を受けたクリニックの保証を確認しましょう。一般的にクリニックは、手術後の保証期間を設けています。
手術後のトラブルが発生した場合には、再手術を行うなどの対応を受けられるため、アフターフォロー制度を活用しましょう。
ただし保証の内容や期間はクリニックによって異なるため、事前にクリニックに問い合わせて保証内容を確認することをお勧めします。
もう一度手術をするか検討する
一度切れたり緩んだりした糸が元に戻ることはありません。ですので、二重をまた作りたいのであればもう一度手術をする必要があります。
糸が取れやすいまぶたの場合、埋没法ではなく切開法が適していることもあります。再手術を希望する場合には医師と相談し、自分のまぶたに合った適切な方法で手術を行うと良いでしょう。
ただし手術は常にリスクを伴うので、手術の必要性・リスク・手術後の予後を評価した上で、医師と相談しながら再手術をするかどうか考えることが重要です。
自分のまぶたに合う二重整形を受けよう
自分に合った二重整形を受けるためには、次の点に気を付けましょう。
- 資格のある整形外科医に相談する
- 手術前にカウンセリングを受ける
- 手術後のフォローアップをする
- 実績や口コミを確認する
二重整形を行ってくれるクリニックは多く存在しますが、医師の技術で術後成績は異なります。美容外科医の中でも専門医認定証を持っている医師に二重整形の相談をすると、自分の希望も取り入れつつ、一人ひとりに合った手術方法を提案してもらえるでしょう。
また、手術前にカウンセリングを受け、手術の目的・手術方法・リスク・予後・手術後のケアなどを理解し、手術に対して期待していることや不安なことを話し合うことが大切です。
埋没法で作られた二重は取れやすいため、手術後のフォローアップは重要です。手術後の経過を見ながら適切な手術後のケアをすることで、手術後の予後を改善することができます。
クリニックによっては、手術前に患者に手術前後の写真を見せることがあります。これらを確認し、納得できるクリニックを選ぶことが大切です。
編集部まとめ
埋没法は医療用の細い糸を使用して二重を作る、二重整形の中でも最も簡単にできる手術方法です。手術跡が目立ちにくい利点がありますが、埋没法で作られた二重は取れやすい欠点があります。
糸が取れる前には前兆があります。取れてしまった糸をそのまま放置しておくことは危険なので、手術を行ったクリニックで医師に診てもらうことが重要です。
糸が取れてしまった場合にも、多くのクリニックでは保証期間を設けているためアフターフォロー制度を活用すると良いでしょう。
二重整形を受ける時には、自分に合った二重にすることが大切です。そのためには、医師としっかり相談し無理のない範囲で二重を作りましょう。
本記事が二重整形を検討している方のお役に立てば幸いです。
参考文献