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腟カンジダの特徴的なおりものとは?再発や予防についても解説

 公開日:2024/05/10
腟カンジダの特徴的なおりものとは?再発や予防についても解説

これまで、おりものが白いカッテージチーズ状になっていたり、おりものの増加により痒みや灼熱感を感じたりした経験はありますか?もしかしたら、腟カンジダになっているかもしれません。
腟カンジダは女性によく見られますが、男性や子どもにも発症することがあります。症状が悪化すると腟内の炎症が進行し、悪化すると症状がよりひどくなる場合があるので、腟カンジダの正しい予防策を理解しましょう。
そこで本記事では、腟カンジダについて以下の点を中心にご紹介します。

・腟カンジダの症状
・腟カンジダの治療
・腟カンジダの再発について
・腟カンジダの予防

腟カンジダについて正しく理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

村上 知彦

監修医師
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

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長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

腟カンジダとは

腟カンジダとは
腟カンジダはカンジダ菌によって引き起こされる腟炎で、健康な人の体内にも存在するこの菌が異常増殖すると発症します。
主な原因はホルモンバランスの変化、免疫力の低下、常在菌バランスの崩れ、環境の変化などです。
典型的な症状には外陰部のかゆみや特徴的な白いおりものがあり、症状の進行により炎症や痛みが生じることもあります。
再発することがあるため、適切な治療と予防が重要です​。
腟カンジダの早期治療のためには、早めの検査が大切です。
医療機関で検査が受けられますが、忙しくて受診ができない方やなるべく人に知られたくないという方も多いのではないでしょうか。
そのような人でも検査が受けやすい検査キットがあります。
注文や検査結果の確認などがネット上で簡単に行えますので、受診が難しい場合などは、検査キットを検討してみるとよいでしょう。

腟カンジダの原因

腟カンジダの原因
腟カンジダの原因として考えられるのは、カンジダ菌の異常繁殖にあります。
健康な人でも皮膚や粘膜に存在するこの菌が、免疫力の低下、ホルモンバランスの変化、抗生物質の使用などによりバランスが崩れた際に増殖します。
腟内環境が乳酸菌によって酸性に保たれることで通常は増殖を抑制されていますが、妊娠、出産、ストレス、疲労、高温多湿な環境などでそのバランスが崩れると発症しやすくなります​。
ホルモンバランスの変化は、身体内のホルモンレベルが通常の範囲を超えたり、周期的な変化が起こったりすることを指します。
また、腟カンジダが発症しやすい原因の一つである高温多湿な環境というのは、密閉された衣類や下着を長時間着用することで、腟周辺が湿った状態になっていることを指しています。

腟カンジダの症状

腟カンジダの症状
腟カンジダの症状には、外陰部の強いかゆみ、特徴的な白いカッテージチーズ状のおりもの、腟や外陰部の赤みや腫れ、性交痛や排尿時の痛みなどがあります。
これらについて詳しく解説します。

特徴的なおりもの

腟カンジダの症状には、特徴的なおりものの変化があります。
おりものは、量が増え、白く濁った酒かす状、おかゆ状、またはカッテージチーズ状の外観を呈します。
これらの変化は、カンジダ菌の増殖による腟内の炎症を示す典型的な兆候です。

強いかゆみ

腟カンジダ症状の一つとして強いかゆみがあります。
これは腟内及び外陰部に発生し、カンジダ菌による炎症が原因です。
かゆみは不快感を伴い、日常生活に影響を及ぼすことがあります。
この症状は腟カンジダの特徴的な兆候であり、治療によって改善が期待できます。

赤みや痛み

腟カンジダの症状として、腟や外陰部に赤みや痛みが現れることがあります。
これらはカンジダ菌による感染と炎症が原因で起こり、感染部位の敏感さや不快感を引き起こす可能性があります。
赤みや痛みに対しては、抗真菌薬を含む局所用のクリームや軟膏が処方されることがあります。
これらの薬剤は、感染した部位に直接塗布し、カンジダ菌の増殖を抑制し炎症を緩和することを目的としています。

腟カンジダの治療

腟カンジダの治療
腟カンジダの治療には、主に抗真菌薬が使用されます。
これには口から摂取する薬や、腟内に挿入するクリームや坐薬があります。
治療期間は短期間で、医師は感染の程度に応じてベストな薬剤を選択します。
また、再発予防のために、日常生活での注意点や予防策についても指導を受けることが大切です。

抗真菌薬

腟カンジダの治療には、イミダゾール系抗真菌薬が用いられます。
これらは腟内に挿入する形で使用され、かゆみが強い場合は塗り薬も併用されることがあります。
イミダゾール系抗真菌薬は、腟カンジダ以外にも皮膚カンジダ症や爪の真菌症、口腔カンジダ症など、さまざまな真菌感染症の治療に使用されます。
これらの薬剤は広範な抗真菌活性を持ち、感染部位に応じた形態(クリーム、軟膏、錠剤など)で処方されます。

治療期間

治療期間は約1週間程度で、治癒が確かであることを確かめるためには、医師の指示に従い、指定された期間通り薬を使用する必要があります。
腟カンジダの再発を避けるために、治療期間をしっかりと守り、必要に応じて生活習慣の改善も行うことが重要です​。

軽症であれば自然治癒することもある

腟カンジダは、症状が軽度の場合、自然に治癒することもあります。
これは、体の自浄作用が回復し、正常な状態を取り戻した場合に起こります。
ただし、症状が重い場合や長期間続く場合は、自然治癒が難しいとされ、適切な治療が必要です。
初期段階であれば、治療は比較的簡単であり、早めの診断と治療を推奨しています​。

腟カンジダの再発について

腟カンジダの再発について
腟カンジダは再発しやすい性質を持っています。
再発を防ぐためには、日々の生活習慣の改善が重要です。
具体的には、適切な下着の選択、衛生的な生活習慣の維持、ストレスの管理、健康的な食生活などが挙げられます。
再発する原因には個人の体質や生活環境などが関係しており、一度感染した経験がある人は特に注意が必要です。
腟カンジダ以外に、再発しやすい腟炎には細菌性腟炎(BV)があります。
細菌性炎は腟内の正常な細菌のバランスが崩れることで起こり、不快な臭いのあるおりものの増加などの症状を引き起こします。
また、腟カンジダと似た病気はトリコモナス症や細菌性淋菌感染症があります。
トリコモナス症は、トリコモナスと呼ばれる原虫によって引き起こされる性感染症です。
症状には異臭のある泡立ったおりもの、かゆみ、痛み、排尿時の痛みが含まれます。
細菌性淋菌感染症は淋菌と呼ばれる細菌によって引き起こされる性感染症です。
女性の場合、腟内の感染が起こることがあり、症状には腟内の痛み、痒み、異常なおりものが含まれます。
感染症は、区別が難しいこともあるので、以前のカンジダと少し違う気がするときは、産婦人科を受診し診察を受けましょう。

腟カンジダの予防

腟カンジダの予防
腟カンジダは再発しやすい腟炎ですが、予防ができます。
正しい予防策により、腟内の自然なバランスを保ち、カンジダ菌の過剰な増殖を防ぎましょう。
ここからは、具体的な予防策について解説します。
万が一、脱毛期間中に腟カンジダの疑いがある場合は、衛生習慣の確保や免疫力の維持が重要となります。

高温多湿の環境を避ける

腟カンジダの予防で高温多湿を避けることは重要です。
これは、温暖で湿った環境がカンジダ菌の増殖を促すためです。
密閉された衣類や下着が原因で局部が蒸れやすくなり、感染リスクが高まります。
通気性の良い衣類を選び、定期的に衣類を着替えることで、腟周辺の環境を清潔に保つことが予防につながります。
また、おりものシートを使用することは腟カンジダの予防に直接役立つかどうかは少し複雑です。
なぜなら、おりものシートは腟からの分泌物を吸収するために使用されますが、一部のおりものシートには香料や染料などの添加物が含まれている場合があるからです。
これらの添加物が皮膚への刺激やアレルギー反応を引き起こす可能性がゼロではないので、まずは通気性のある綿の下着を着用して高温多湿の環境を避けましょう。

腟の洗浄は適度に

腟カンジダ予防において、腟の過度な洗浄は避けるべきです。
腟内は自浄作用(自然な清浄能力)を持ち、適切なバランスで菌を保っています。
なので、過度な洗浄はこのバランスを崩し、カンジダ菌の増殖を促す可能性があります。
どうしても洗いたいときは、刺激の少ない石鹸やボディソープを使用し、洗いすぎないようにしましょう。

患部を掻かない

患部を掻くと、炎症が悪化する恐れがあります。
患部がかゆい場合は、冷たいタオルや保冷剤を当てたり、市販の抗ヒスタミン薬を服用したりして、かゆみを抑えましょう。

規則正しい生活を送る

規則正しい生活とは、毎日決まった時間に起きて、決まった時間に寝て、バランスの良い食事を摂り、適度な運動をすることです。
また、アルコールやカフェイン、甘い食べ物は、免疫力を低下させる可能性があるので、控えめにしましょう。
規則正しい生活を送ることで、体調を整え、免疫力を高めます。
免疫力が高まれば、腟カンジダの原因となるカビの感染を防ぎます。

まとめ

まとめ
ここまで腟カンジダの再発や予防についてお伝えしてきました。
要点をまとめると以下の通りです。

・症状が軽度の場合、自然に治癒することもある
・腟カンジダの治療には、主に抗真菌薬が使用される
・腟カンジダは再発しやすい腟炎
・腟カンジダを予防するためには、高温多湿の環境を避け、規則正しい生活を送ることが重要

通常、カンジダ感染症はほかの人から直接感染するわけではありませんが、感染源となる真菌は環境中に存在し、それが特定の状況下で増殖して感染を引き起こすことがあります。
例えば、カンジダ感染症の女性と性行為をすることで、男性の陰茎やほかの女性の腟内に感染が広がる可能性があります。
また、感染した女性からの間接的な感染も考えられます。
感染を広げないために早期の検査を受けることや、疑う症状がみられた場合はすぐに医療機関を受診することが大切です。

この記事の監修医師