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腰痛の原因|症状や治療法から原因不明の腰痛についても解説

 更新日:2024/11/25
腰痛の原因|症状や治療法から原因不明の腰痛についても解説

一生のうちに腰痛を経験する方は80%にものぼるといわれており、腰の痛みに悩んでいる方は少なくありません。また、患者さんが訴える症状で一番多いのも腰痛です。

腰痛の痛みを訴える患者さんの数は年齢とともに増加しますが、腰の痛みにはどのような原因があるのでしょうか。この記事では、腰痛の原因や症状、主な治療方法について解説します。

田島 幹大

監修医師
田島 幹大(みわのえ整形外科)

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1991年  私立城北高校卒業
1998年  獨協医科大学卒業 医師国家試験合格
獨協医大越谷病院整形外科入局
2012年  東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター
2017年  総和中央病院 整形外科部長
2019年  のぞみ整形外科・内科クリニック 院長
2021年5月17日 みわのえ整形外科 開設

腰痛の原因として考えられるのは?

腰痛の原因として考えられるのは?
腰痛といえば、急に腰に負担をかけたタイミングで発症するイメージがあるかもしれません。しかし、腰痛にはさまざまな原因があります。まずは、腰痛の主な原因や意外な原因について紹介します。

加齢

腰痛は、加齢に伴って起こる疾患が原因で生じることがあります。
高齢者の腰痛の原因の1つである腰部脊柱管狭窄症は、加齢によって椎間板や腰椎が変形することで背骨に存在する神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されて下肢の痛みやしびれが起こります。また、腰椎変性すべり症では、腰のあたりの背骨が前後にずれてしまって脊柱が狭くなり、腰痛として痛みを感じることがあります。さらに、変形性脊椎症とは、加齢に伴って椎間板が薄くなり、クッションとしての役割が低下したり、骨の変形にて関節がいたんだりする状態を指します。無症状のこともありますが、症状が進行すると腰痛を訴える患者さんが多い病気です。
ほかにも、年齢を重ねて骨粗鬆症になることで背骨を構成している椎体が圧力によって潰れることがあります。この状態を脊椎圧迫骨折といい、骨が潰れることで腰の痛みを感じます。
このように、加齢によって引き起こされる疾患が腰の痛みを生じさせることが少なくありません。

椎間板の不具合

椎間板とは、椎体と呼ばれる骨と骨の間でクッションの役割を担っている組織です。椎間板に不具合が起こると、周囲の神経が圧迫されることなどにより腰の痛みを感じる場合があります。椎間板の不具合としてよく見られる病気は下記のとおりです。

  • 椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは30~50代の若年者に好発し、強い衝撃や負荷をきっかけに起こります。椎間板はゼリー状の組織が丈夫な膜に覆われたような構造をしていますが、この椎間板が突出して脊柱管を圧迫し、下肢の痛みやしびれが出現するものが椎間板ヘルニアです。これにより、腰痛を伴うことがあります。

作業による腰や背中への負荷や外傷

腰痛の原因として最も多いのは、筋肉や靱帯の挫傷・捻挫です。筋肉や靭帯が傷つきやすい場面としては、背骨や周囲の筋肉に予想外の強い負荷がかかったり、急に無理な力がかかったりするなどです。
適度な運動や負荷は背骨を支える筋肉を鍛えることにつながるため腰痛の予防効果が期待できますが、重いものを運ぶなど腰に継続的な負荷をかけると、前述の椎間板ヘルニアのリスクが高まるといわれています。ほかにも、外傷として事故や転落による腰椎骨折・脱臼が原因で腰痛を自覚する場合もあります。

悪い姿勢

よい姿勢とは、単に背筋が伸びてきれいにみえるというだけでなく、関節や脊椎への負担が少ない姿勢でもあります。その姿勢が崩れると、腰椎に負担がかかり腰痛につながる可能性があります。なお、正しい姿勢が身に付いていた方でも、肥満や疲労により正しい姿勢を保つことが難しくなる場合があるため注意が必要です。いくらよい姿勢でいたとしても、長く同じ姿勢でいることも腰痛につながります。
また、病気により関節や脊椎が変形した状態も、姿勢が崩れた状態と同じく腰に負担がかかったり神経が圧迫されたりして腰痛の原因になることがあります。
腰痛につながりやすい関節・骨の病気として代表的なものは、股関節の機能障害を主な症状とする変形性股関節症や、背骨が弯曲したりねじれたりする脊椎側弯症が挙げられます。

感染症・腫瘍

腰椎に感染が起こったり、腫瘍ができたりすると正常な組織が弱ります。その結果、腰椎が潰れて腰痛が起こる場合があります。脊椎の感染症として代表的な病気は、黄色ブドウ球菌を主な原因とする化膿性脊椎炎や、結核菌による脊椎カリエスです。
また骨に腫瘍ができるケースとしては、内臓にできたがんの腰椎転移のほか、脊髄に腫瘍ができる脊髄腫瘍などが挙げられます。

内臓の病気

ここまでは、実際に腰椎や腰椎を支える筋肉などに負担がかかり、腰に痛みを感じるケースについて紹介してきました。しかし、腰とは直接関連のない臓器の異常を腰痛で自覚する場合もあります。下記は腰の痛みを感じる可能性がある主な病気です。

  • 尿管結石
  • 前立腺疾患
  • 膀胱の感染症
  • 解離性大動脈瘤
  • 胆のう炎
  • 十二指腸潰瘍
  • 線維筋痛症

このように、尿管や膀胱、前立腺など腰の近くに位置する器官の病気では腰痛を感じることがあります。また、解離性大動脈瘤は患者さんによって痛みを感じる位置はさまざまで、なかには腰に痛みを感じる方もいます。その他、胆のうや十二指腸などに異常がある場合にも腰痛を自覚することがあるため注意が必要です。

女性特有の原因

女性の方に特有の原因として、月経痛の痛みを腰痛として自覚することがあります。月経痛は月経に伴い子宮を収縮させる物質が分泌されることで感じる痛みとされており、健康な方でも感じる可能性がある腰痛のひとつといえるでしょう。
ただし、月経痛が重い場合や月経期間以外にも腰痛を感じる場合には、子宮筋腫・子宮内膜症などの婦人科疾患が原因の可能性もあります。

心理的要因

腰痛の原因といえば、ここまで紹介したような身体的な不調・病気によるものをイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、身体表現性障害の症状として腰痛が現れる場合もあります。
身体表現性障害とは、精神的なストレスが身体的な不調として現れるものです。心身症と呼ばれることもあり、さまざまな検査を受けてもデータや画像上は異常が指摘されないため、原因がわからずに悩んでいる方もいるでしょう。

原因不明の腰痛もある?

原因不明の腰痛もある?
腰痛には先述のようにさまざまな原因があります。内臓の病気や椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・腰椎圧迫骨折などの場合は、問診や画像検査により腰痛の原因がはっきりとわかります。
しかし、複数の要因が絡んで腰痛として感じることも多く、筋肉の挫傷や捻挫のほか、心因性の腰痛などは検査では明確な原因を突き止められないことも珍しくありません。そのため、腰痛で医療機関を受診しても原因がわからない可能性もあります。腰痛の約85%が原因が特定できないと言われています。

腰痛の症状

腰痛の症状
痛みの様子や痛みが出るタイミングは原因により異なります。
挫傷や捻挫による腰痛は、動かないでいると痛みが悪化したり、特定の姿勢をしたときにだけ強い痛みを感じたりすることが多いでしょう。
一方、脊柱管狭窄症などにより神経根が圧迫されている場合には、長時間の歩行を続けたり背筋を伸ばしたりしていると痛みが増します。このような痛みは、座ったり前屈みになったりして休むと改善することも特徴といえるでしょう。逆に椎間板ヘルニアは、長時間の座位や前かがみで腰痛や下肢痛、しびれが悪化することが多いです。また、重いものを持ちあげた数分~数時間後に痛みを感じる方も多いようです。この場合の痛みは腰から臀部や下肢に広がるような痛みと表現されます。神経根の圧迫が進行すると、痛みだけでなく下記のような症状が現れることがあるため注意が必要です。

  • 下肢のしびれ・チクチク感
  • 下肢の筋力低下
  • 排便・排尿のコントロール不良

なお、内臓の病気が原因で起こる腰痛は体表でなく身体の奥の方が痛いと感じる方が多く、体勢を変えても大きく変化せず、安静時に痛いことが多いことが特徴です。

腰痛の治療方法

腰痛の治療方法
腰痛になった場合、医療機関ではどのような治療を行っているのでしょうか。今回は、腰痛に対して行われることが多いリハビリテーション・薬物療法・手術について解説します。

リハビリテーション

腰痛に対するリハビリテーションで行うのは、主に運動器リハビリテーションや骨盤牽引などの理学療法です。運動療法の内容は、腰痛の原因によって異なります。
また、側弯症など発育に伴って進行する病気に対しても運動療法の有効性が期待されますが、進行を十分に抑えられない場合に装具治療を行うこともあります。

薬物療法

腰痛には消炎鎮痛剤や神経痛に対する薬など内服薬での治療が行われることが多くあります。薬物療法で痛みを抑えたうえで、安静が必要な場合にはコルセットを使用したり、運動の必要があれば運動器リハビリテーションを始めることもあります。
なお、痛みが強い場合には内服薬だけでなくブロック注射での治療も選択肢の一つです。ブロック注射とは、神経の周りに麻酔薬や炎症を抑える薬を注射する治療方法です。その他、腫瘍が原因の場合には化学療法を行うことがあります。

手術

上記の方法で痛みが治まらない場合には、原因に応じた手術を検討します。腰痛に対して行われる主な手術は、椎間板ヘルニアに対するヘルニアの摘出、脊柱管狭窄症で狭くなった部分を広げて神経の圧迫を軽減する手術などです。
その他、急激に側弯症が進行する場合は手術により矯正することがあります。なお、脊髄腫瘍の場合にも腫瘍の切除が可能ならば手術が第一選択となります。一方、転移により脊椎に腫瘍ができている場合には放射線療法・化学療法が治療の中心です。ただし、骨が弱って背骨で体を支えることが難しくなってきたら脊椎固定術などの手術をすることもあります。

腰痛でお悩みなら、みわのえ整形外科にご相談を

みわのえ整形外科
腰痛にはさまざまな原因があるため、まずは整形外科を受診して原因を調べることが大切です。また、薬で症状を抑えながら経過を見ても痛みが長引く場合は、リハビリテーションが必要になる可能性が高いでしょう。

埼玉県で腰痛にお悩みの方は、吉川市のみわのえ整形外科を受診してみてはいかがでしょうか。みわのえ整形外科は、腰痛の専門的なリハビリテーションに力を入れている整形外科です。みわのえ整形外科の特徴を紹介します。

リハビリテーションで腰痛改善を徹底サポート

みわのえ整形外科
みわのえ整形外科の院長は、脊椎外科や骨粗鬆症、骨折などの外傷の手術に携わってきた医師です。自身が腰椎椎間板ヘルニアを発症して足に麻痺が残ってしまったことを機に、保存療法で痛みや機能を改善することに特化した治療を提供しています。
その一環としてリハビリテーションに力を入れており、運動療法や熱・水・光・電気などの物理的なエネルギーを用いる物理療法などの理学療法を行っています。物理療法には温熱治療、電流刺激療法、電位療法などが含まれます。温熱療法では、患部と周辺を温めることで痛みの軽減や筋肉と軟部組織の緊張状態の改善、血流状態の改善を目指し、電流刺激療法では、電気の力を利用して痛みを和らげたり柔軟性を改善させたりします。電気刺激を与えて筋肉を収縮させ、麻痺した筋肉を運動させることもあります。
みわのえ整形外科ではこうした理学療法のほかに痛みやしびれに対する治療として、関節面の動きを改善して痛みを和らげる関節運動学的アプローチ(AKA療法)が行われている点が特徴です。

リラックスして施術を受けられるリハビリ室を完備

みわのえ整形外科
リハビリ室はトレーニングマシンや治療機器で無機質な雰囲気になりがちです。しかし、みわのえ整形外科のリハビリ室は木目調の床からはぬくもりが感じられ、広々とした空間に大きな窓が設置されて温かな光が差し込んでいます。
待合室も天井が高く、クリニック全体があたたかみと落ち着きを感じる作りになっていて、患者さんがリラックスしやすいよう配慮されています。

高血圧・メタボリックシンドロームなど内科の診療にも対応

みわのえ整形外科では、整形外科の診療やリハビリテーションだけでなく内科の診療も行っており、高血圧や高脂血症などの成人病、腹痛や下痢、便秘などにも対応しています。
腰痛で悩んでいる方のなかには、腰痛以外にも生活習慣病や消化器の不調などを抱えている方もいるかもしれません。腰痛で動きにくいなかで複数の医療機関を受診するのは患者さんにとって負担になるでしょう。
生活習慣病や消化器の不調などを抱えている方にとって、みわのえ整形外科は身体の不調も含めて相談しやすいクリニックといえるでしょう。

みわのえ整形外科の基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR武蔵野線 新三郷駅より徒歩15分

埼玉県吉川市三輪野江460

診察時間
9:00~12:30
15:00〜18:30

※金曜の10:00〜12:30は内科診療を行っています。

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