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喘息の原因・危険因子は?症状・治療法についてもご紹介します

 更新日:2023/10/02
喘息の原因・危険因子は?

喘息は気管支の炎症により発症する症状で、悪化させないための予防が重要です。

喘息を発症する原因はさまざまで、本人の体質によるものから生活環境も関係するため、専門家による診察・予防策の提案が求められます。

今回は喘息の原因・危険因子についてや、考えられる症状や治療法について解説していきます。今喘息に悩んでいる方は、是非参考にしてください。

篠﨑 克己

監修医師
篠﨑 克己(篠﨑医院)

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昭和32年7月生まれ
昭和57年千葉大学医学部卒業

専門は内科(中でも呼吸器内科)
日本内科学会認定医
日本呼吸器学会認定専門医
日医認定産業医
医学博士

喘息の原因・危険因子は?

喘息の原因・危険因子は?
喘息は喉から肺に続く空気の通り道である気管支が、何らかの原因で炎症が慢性化すると発症する症状です。喘息はアレルギー反応の原因が特定できるアトピー型と、特定が行えない非アトピー型に大別されます。
アトピー型は特定の物質によって発生する喘息が中心で、非アトピー型は気候・ストレスといった外部による喘息が中心です。症状の改善や治療には原因を特定し、その原因による炎症を阻止することが重要です。まずは喘息の原因及び危険因子について解説していきます。

アレルギーの素因・遺伝子

アレルギー反応を発生しやすい素因・遺伝子を持っているかどうかは、喘息の発症に関わる重要な要素です。素因とは、特定の病気にかかりやすい体質のことを指します。
喘息を発症する原因は2種類に大別され、アレルギーの素因・遺伝子は個体因子、食物アレルゲン・大気汚染などは環境因子と分類分けされます。アレルギーの素因・遺伝子を持っている場合喘息を発症する可能性は高まりますが、必ず発症するわけではありません。
アレルギー反応を起こしやすいと血液・遺伝子検査などで分かった場合は、普段の生活から環境因子による発症を起こさないよう心がけましょう。

室内・屋外・食物アレルゲン

室内・屋外・食物などに含まれるアレルゲン(原因物質)に身体が過剰に反応することで、気管支に炎症が発生し喘息を引き起こします。喘息を引き起こすアレルゲンは人それぞれです。
代表的なものは室内に多く発生するダニ・カビ・季節によって増減する花粉です。また体内に取り込むだけでなく、皮膚に接触しただけでも喘息を始めとした症状を発症する接触性アレルゲンも存在します。
アレルゲンは人によって異なるため、アレルギーを発症したらまずは専門機関を受診しましょう。

薬物

医薬品の摂取によって喘息を発症する場合があります。代表例は非ステロイド型抗炎症薬(NSAIDs)を服用した際に発生するNSAIDs過敏症です。
NSAIDsが含まれている医薬品として、アスピリン・ロキソプロフェンなどがあります。成人喘息患者さんの約10%がNSAIDs過敏症による喘息だと報告されており、異常が見られないのに胃にもたれ・痛みを招く胃腸症や、狭心症が合併症として報告されています。
アレルギー検査による診断が難しいため、問診によって発見することが重要になる喘息です。

大気汚染

大気中に含まれる物質が気道を刺激し、喘息を引き起こす場合があります。屋外の大気汚染として代表的なものはPM2.5と呼ばれる、ガソリン車の燃焼や工場から排出される微粒子状物質です。これらの燃焼は窒素酸化物の増加にも関係しており、二酸化窒素の濃度が高くなると呼吸器にさまざまな影響を与えます。
また大気汚染は屋外だけでなく、屋内でも考えられるため注意が必要です。調理中の湯気が気管支を刺激したり、建物に使われた物質が原因で喘息を発症したりする場合があります。

喫煙・受動喫煙

喫煙は喘息を発症するアレルギー・素因を持っていない場合でも、喘息を発症するリスクを引き上げる行為です。またそれ以外の呼吸器疾患を引き起こす引き金となり、死に繋がる合併症に繋がる可能性が高まります。
また喫煙は喫煙者だけでなく周囲の人に受動喫煙による悪影響を与えます。吸う場所をベランダ・庭などに変更している場合でも、同居者の副流煙は阻止できません。喫煙はさまざまな病気のリスク上昇に繋がるため、禁煙を考えている場合は禁煙外来の受診を検討しましょう。

呼吸器感染症

呼吸器に悪影響を与える感染症も、喘息を発症・増悪させる可能性があります。喘息に関連する感染症はマイコプラズマ肺炎・インフルエンザなどです。
マイコプラズマ肺炎は咳・くしゃみなどによって感染し、発熱・咳に加えて気管支炎を起こす可能性があります。また既に喘息を発症している場合、増悪する可能性があるため注意しましょう。
インフルエンザは気道に炎症を起こし、喘息の発症・悪化に繋がる可能性があります。感染する時期になったら手洗い・うがいを行い、ワクチン接種を始めとした予防に努めましょう。

運動

負荷の強い運動は気管支の収縮を引き起こすことがあり、喘息の原因に繋がります。これを運動誘発性気管支収縮(EIB)と呼びますが、運動自体が喘息を引き起こす原因ではありません。
負荷の強い運動を行うことで呼吸が激しくなり、乾燥した空気・大気中の物質を吸い込みやすくなることがストレス増加の原因です。喘息を発症するとパフォーマンスが落ちるだけでなく、運動中の発症が最悪の場合死に繋がります。
ウォーミングアップを十分に行う・天候によって行うトレーニングを変更するなどを行いましょう。

気象

気象状況は屋外の環境を大幅に変えるため、屋外アレルゲンの発生・増加に繋がります。とあるアンケート調査では秋の冷え込み・梅雨・台風など、季節の変わり目や雨風が喘息の悪化に繋がるという結果が出ました。
気象による喘息の悪化は症状の重さも関わっており、症状が悪化するタイミングは個人差があるため自身の症状を把握し対策する必要があります。季節の変わり目・天候が変わりやすい時期は、症状が急激に現れる可能性があるため注意しましょう。

食品添加物

食品添加物の摂取は、アスピリン喘息の発作を起こすことが研究により分かっています。主に反応するのは食品の腐敗を防ぐ防腐剤や、食品・医薬品に色をつけるために使われる着色料です。全ての食品添加物が喘息を発症する引き金になるわけではありません。
しかし複数の添加物を摂取することで蓄積し、一定値を超えることで咳・喘息を引き起こす場合があります。喘息と診断された場合、原材料名を確認し発症の原因となる成分・食品添加物を摂取しないように心がけましょう。

アルコール

飲酒によりアルコールを摂取すると、肝臓から排出されるアルコール脱水素酵素(ADH)によりアセトアルデヒドに分解されます。このアセトアルデヒドの分解が弱い人は、アルコールによる喘息を引き起こしやすいです。
アセトアルデヒドはヒスタミンと呼ばれる、気道を収縮させる働きを持つ物質を生み出します。またヒスタミンは肥満状態の人程生み出しやすいです。そのためアセトアルデヒドの分解が十分に行える人でも、肥満状態の場合アルコールによる喘息を引き起こしやすくなるため注意しましょう。

過労・心理的ストレス

過労・心理的ストレスで心身に負担がかかると、気管支に負担が掛かり喘息が発生する原因となります。これはストレスにより免疫機能が低下し、気管支に悪影響を与えるためです。また心理的ストレスによりサイトカインが放出されると、喘息だけでなく抑うつ症状を引き起こすため合併症に繋がる危険性があります。
ストレスの原因を取り除く・医薬品で気管支の負担を軽くするなどの対処法を検討しましょう。

喘息の症状は?

喘息の症状は?
喘息は気管支の炎症によって気道が狭くなることでさまざまな症状が発生します。代表的なものは「ヒューヒュー」・「ゼーゼー」という特徴的な呼吸音と共に呼吸困難に陥る喘鳴(ぜんめい)です。
咳・痰も増加するため、窒息する危険性があります。症状が出るのはアレルギー源に近づいた場合や、夜間・早朝といった決まった時間に起きる場合もあり人それぞれです。長引くとCOPD(慢性閉塞性肺疾患)やアレルギー性鼻炎などの合併症に繋がるため、注意が必要です。

喘息の治療法

喘息の治療法として主に用いられるものは、吸入器を使用して服用する医薬品です。この医薬品は発作を起こさないために服用する物と、発作を止める緊急用の物に分かれています。発作が生じないよう治療を継続していくことが何より大事です。
症状の重さによって利用できる治療法やアプローチが異なるため、専門の医師に相談しながら治療方針を決定しましょう。

喘息の発作を予防する方法は?

喘息の発作を予防する方法は?
喘息の発作を予防するために必要なのは、発作の原因となる炎症・気管支収縮を起こさないよう長期的に医薬品を服用することです。また上記で解説した喘息の原因・危険因子に注意することも重要ですが、運動は心肺機能を高める効果があるため、無理のない範囲で行うと予防に繋がります。
食生活は特定の食品・香辛料を食べすぎないことがアレルギーを発症しないために有効です。バランスの良い食事を心がけましょう。

喘息にお悩みなら篠﨑医院へ

篠﨑医院の院長
喘息の症状にお悩みの方は、篠﨑医院の受診を検討してみましょう。肺活量の検査に持ちいられる「スパイロメーター」や、サイトカインにより一酸化炭素が上昇していないか確かめる「呼気NO測定装置」による診察が受けられます。

また、お年寄りや難聴の方との会話をサポートする支援機器、杖ホルダーなどさまざまな人が診察を受けやすいサポート体制が充実しているのも特徴です。喘息以外にも睡眠時無呼吸症候群や肺気腫の治療も行っており、喘息以外の治療も受けられます。

日本呼吸器学会 呼吸器専門医が在籍

待合室
院長は日本呼吸器学会 呼吸器専門医で、呼吸器全般の診察を行っています。気管支喘息・感染症・慢性咳嗽などさまざまな治療に対応可能です。

糖尿病・高血圧といった生活習慣病の診療も行っています。喘息の増悪にはさまざまな疾患が関わっているため、総合的な治療を受けることが重要です。

公害病認定をお持ちの方にも対応可能

公害病認定を持っている方の治療も可能です。喘息の治療は長い期間かけて行う必要があり、発作が起こっていない状態でも備えておく必要があります。

不安を感じていたり相談したいことがあれば、受診を行い相談してみましょう。

篠﨑医院の基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR総武線 小岩駅北口 徒歩2分

東京都江戸川区西小岩1丁目27番6号 YOSHI BLD3F

診療時間
9:00~12:30
14:00~17:30

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