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苦痛の少ない腹部エコー検査で、脂肪肝・慢性肝炎の早期発見・早期治療【岩手県盛岡市 吉田消化器科内科】

 公開日:2026/03/27

苦痛の少ない腹部エコー検査で、脂肪肝・慢性肝炎の早期発見・早期治療
苦痛の少ない腹部エコー検査で、脂肪肝・慢性肝炎の早期発見・早期治療

健康診断で肝機能異常や要経過観察と診断されたとき、「自覚症状がないから」と放置してはいないだろうか?肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、悪化するまで自覚症状がほとんどない。気づかないうちに肝硬変や肝がんへ進行するリスクがあるため、肝臓の状態を把握して適切な治療につなげることが大切だ。そのために欠かせないのが、腹部エコーをはじめとする精密検査。肝臓専門医であり、数多くの検査・治療を手がける岩手県盛岡市「吉田消化器科内科」の吉田俊巳院長に話を伺った。

Doctor’s Profile
吉田 俊巳(よしだ としみ)
医療法人緑明会 吉田消化器科内科 院長

岩手県盛岡市出身。1977(昭和52)年3月、岩手医科大学卒業。岩手医科大学で教育・研究・診療に22年間携わる。「患者さんに直接接して診療を行いたい」との思いで、1999(平成11)年5月、地元の盛岡市見前地区で開業。日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会・日本肝臓学会の専門医であり、特に肝臓病の診断・治療を専門としている。

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もの言わぬ臓器の声を聞き、どんな状態かを把握

はじめに肝臓の病気について教えてください。どのようなものがありますか?

主な肝臓病としては、ウイルス性の慢性肝炎(B型・C型)肝炎があります。慢性肝炎が悪化すると、肝硬変や肝臓がんといった重篤な病気を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
それと、近頃は脂肪肝が多いですね。健康診断でも3割以上の人が異常値を持っている状況で、肝臓学会でも脂肪肝はメインの研究テーマになっています。

もの言わぬ臓器の声を聞き、どんな状態かを把握

肝機能に異常があると、私たちの体はどうなるのでしょうか?

肝臓は人間の体で重要な役割を果たしており、代謝、解毒、エネルギーの貯蔵、胆汁の生成などを行っています。ものを言わぬ「沈黙の臓器」といわれ、末期にならないと症状が出てこない特徴があり、初期のうちは無症状です。健康診断で肝機能の異常値を指摘され、病気が見つかることが多いですね。
肝臓病の種類によっても違いますが、かなり進行すると倦怠感が出てきて、食欲が落ちたり、むくみが出たりします。黄疸が出る、お腹に水が溜まるという症状もあります。

肝機能異常と生活習慣との関係はありますか?

脂肪肝については、肥満が一番の要因となります。肥満によって脂肪肝だけではなく、心疾患や脳疾患も合併しやすくなります。食べすぎ、栄養バランス、過度の飲酒、運動不足などの生活習慣も関係してきます。
ただ、ウイルス性の肝炎であれば食事などの生活習慣とは関係なく、ウイルスと体のリンパ球との戦いにおいて病気が進行していきます。

貴院では腹部エコー検査で肝臓の状態を診ると伺っています。どんな検査か教えてください

腹部エコー検査は超音波によって臓器を観察する検査です。音の跳ね返りによって、体の中の状態を画像化し、リアルタイムで見ることができます。
肝臓にエコーをあてることによって、形や硬さ、血流、腫瘍の有無などが見られ、肝臓の中の脂肪量や線維化の状態も測ることが可能です。

異常があると、その部分は画面でどのように映るのでしょうか?

白黒の濃淡で画像が出てきます。きれいな肝臓というのは、角がシャープで表面がなめらかです。病気になると角が少し丸くなってきて、さらに進行するとデコボコになります。全体の形や、表面が平滑なのか、デコボコしているのかなどによって病気の進行度を判断します。

検査時間はどのくらいですか? 検査中に痛みなどはありますか?

通常は10分程度で終わることが多いです。お腹にゼリーを塗って、専用の機器をあてるだけなので、痛くもかゆくもありません。

もの言わぬ臓器の声を聞き、どんな状態かを把握

腹部エコー検査ではどんな病気が見つけられるのか教えてください

慢性肝炎あるいは肝硬変、がん腫瘍の発見にも有効です。脂肪肝の状態もよくわかります。肝臓疾患の早期発見・早期治療に有効な検査です。

肝機能異常が見つかれば、放置せずに必ず検査を受けること

肝機能異常が見つかれば、放置せずに必ず検査を受けること

貴院での腹部エコー検査の流れについて教えてください

基本的にはまずご来院いただき、肝臓が悪いということがわかった時点で、病気の種類を判断して進行度を診るために腹部エコー検査を行います。予約を取っていただいてから検査を行い、結果はその場でお話しします。
脂肪肝の場合は、体脂肪や代謝性なども調べて治療の方針を決めます。

検査を受ける前に患者さん側で何か準備することはありますか?

患者さんが準備するものはありませんが、当日は食事をせずにご来院いただきます。

腹部エコー検査で異常が見つかった場合、どんな検査や処置が必要になりますか?

必要に応じてCTで断層写真を撮ります。脂肪肝は超音波でもわかりますが、肥満の度合いによってはエコーで見えにくい部分があるので、内臓脂肪の程度を詳細につかむためにCTを使用することがあります。腫瘍がある場合もCTで精密検査を行います。

脂肪肝とはどんな病気ですか?

脂肪肝というのは、肝臓の細胞の中に脂肪滴がたまる病気です。普通の細胞は容量が決まっていますが、その中に余計な脂肪滴がたまってくるので、細胞がプクプクと大きくなるんですね。
「おしくらまんじゅう」をしているようになって、細胞列の間にある血管を圧迫してしまう。すると血流が悪くなって細胞が死んでしまい、肝機能異常を示すALT・ASTの数値が上がってきます。
数値が常に高いのは慢性的に細胞が壊れている状態で、修復しようとして線維が増えてきます。それが続くと肝硬変になってしまうので、細胞の中の脂肪を取ってあげるために、全身の脂肪を減らすことが必要になります。

検査で脂肪肝や慢性肝炎がわかった場合、治るものですか?

脂肪肝の場合、肥満を改善することで肝機能はよくなってきます。脂肪肝をしっかり治せる薬はまだ出てないので、体重コントロールをはじめ、食事指導、運動指導が大事になってきます。
慢性肝炎は以前とても多い病気でしたが、肝炎ウイルスの抗ウイルス薬が出てから、C型肝炎に関しては95%以上の確率で治るようになりました。患者数はかなり減っていますが、B型肝炎についてはまだ完全に消すことはできないので、お薬でコントロールしながら進行を止める治療が行われます。

治療をせずに放っておくと、やはり深刻な病気になっていくのでしょうか?

脂肪肝を放置していてがんを発症するケースは、かなり増えてきています。肝機能はほとんど変わらなくても、脂肪の線維がどんどん増えていって肝硬変になり、がん化しやすい状態になっていきます。
慢性肝炎の場合、以前はC型肝炎からがんになる比率は高かったのですが、今は治療によって激減しています。ウイルス性の慢性肝炎では必ず定期的に検査を行いますが、脂肪肝で毎年検査を継続している人はそんなに多くありません。
気づかないうちに進行するのを防ぐために、検査をして状態を把握し、早期に治療することが大事です。

肝機能異常が見つかれば、放置せずに必ず検査を受けること

早期に病気を見つけ、確実に治すためにも検査は重要

早期に病気を見つけ、確実に治すためにも検査は重要

肝がんの初期症状はどのように現れますか? 初期の状態でも腹部エコー検査でわかるものでしょうか?

肝がんが小さい場合、初期症状はまったくありませんが、腹部エコー検査で見つけることはできます。ただ、超音波で見えない場所もあるので、そこに発症した場合はわかりませんが、たいていは見つけられますね。
実際に当院では、1~2cmの早期がんを発見したケースが圧倒的に多いです。

肝がんは治る病気ですか? どんな治療を行うのでしょうか?

3cm以内の小さいがんの場合は、針を刺してラジオ波を流し、がんを焼き切ります。 この治療法で完治を目指すことが可能です。
4cm以上になるとラジオ波で焼くことはできないので、動脈塞栓術を行います。カテーテルで抗がん剤を注入して肝動脈の血管をふさぎ、がんに栄養が行かないようにして小さくする治療法です。ただし、100%は消えないので、その後にラジオ波で焼き切ることもあります。
いずれにしても、肝がんは小さければ小さいほど治る確率が高い病気です。

腹部エコー検査は何歳くらいから受けるとよいですか? また検査の頻度はどのくらいがよいですか?

男性の場合、肥満の方は20代や30代でも脂肪肝が多いので、早めに受けることをおすすめします。女性の場合は閉経後から肥満になる傾向があり、脂肪肝も増えてくるので、50代から受けたほうがいいと思います。
検査の頻度に関しては、肝機能に障害がある場合は、進行度によって1年に1回とか3年に1回の頻度で受けていただきます。肝硬変の場合は1年に2回は検査をします。

腹部エコー検査が受けられない人やケースはありますか?

特にありません。安全性の高い検査なので、どなたでも大丈夫です。

貴院の腹部エコー検査の費用について教えてください

保険適用となりますので、保険率によって費用は違います。腹部エコー検査は3割負担の方で1,500円程度、1割負担の方で500円程度です。CT検査については、3割負担の方で4,500円程度、1割負担の方で1,500円程度です。

早期に病気を見つけ、確実に治すためにも検査は重要

先生が腹部エコー検査で一番重視していることは何でしょうか?

病気を確実に治せる段階で見つけることです。早期のがんであれば、手術でメスを入れなくても治療が可能なので、早期発見で早期治療につなげることを重視しています。
脂肪肝に対しては定期的な検査を行い、しっかり評価して、患者さんにどんな状態なのかをわかりやすく伝えることを大事にしています。患者さんと心をひとつにして、本気で治していけるように一緒に取り組んでいます。

ありがとうございました。最後に、腹部エコー検査を受けようと考えている方や、Medical DOCのサイトを訪れた読者の方にメッセージをお願いします

健康診断で肝機能異常と診断されても、たいていの方がそのままにしていますが、ぜひ腹部エコー検査を受けてほしいですね。
肝機能の数値がずっと同じでも、病状が進行しているケースはたくさんあります。通常の健康診断ではわからないことも、画像を見て判明することは多いので、1回は受けていただき、ご自身の状態を把握することが大事だと思います。

編集部まとめ

肝臓は代謝や解毒など多くの機能があり、命を支える重要な役割を果たしています。病気になっても症状が出にくいため、早めの対処が肝心です。腹部エコー検査は苦痛が少なく、その場で診断もつきます。吉田院長は肝臓の専門医として非常に経験が豊富で、信頼できる先生といえるのではないでしょうか。画像診断の精度が高く、説明もとてもわかりやすいので、肝機能異常や要経過観察と言われた方は吉田消化器科内科を受診されてみてはいかがでしょうか。

吉田消化器科内科

医院名

吉田消化器科内科

診療内容

肝臓内科 消化器内科 胃腸内科 など

所在地

岩手県盛岡市東見前8-20-16

アクセス

JR東北本線「岩手飯岡」駅より車で10分
IGRいわて銀河鉄道・JR各線「盛岡」駅より車で20分
バス「都南病院前」バス停留所より徒歩5分

この記事の監修医師