保育園併設で地域に根ざす子どもと親に寄り添う、小児歯科専門医が伝えたいこと【大阪府交野市 クレモト小児歯科】


子どもの歯は、発達のステージごとに注意が必要。とりわけ4~10歳はむし歯や歯並びの問題が起こりやすく、早めに「かかりつけ歯科医」を見つけることが重要だ。
「クレモト小児歯科」の呉本勝章理事長は、全国で千人ほどしかいない小児歯科専門医。子どもの歯科診療にあたる一方、併設する保育園での食育に取り組み、地域に根ざした医療体制を整備している。親子が安心して通える歯科医院のあり方を、呉本理事長から具体的なアドバイスとともに聞いた。
呉本 勝章(くれもと かつあき)
医療法人ことしろ会理事長
2013年に愛知学院大学歯学部を卒業後、大阪大学大学院歯学研究科博士課程を修了し、現在は同研究科小児歯科学教室臨床講師および臨床研修指導歯科医として後進の育成にも携わる。1992年の開院以来、地域に根ざした医療を継承し、交野市で小児歯科を中心に予防治療に力を注ぐ。子どもから大人まで安心して通える診療所を目指し、先代が掲げた「心の拠り所となる歯科医院」の理念を大切にしている。
〔資格・所属学会等〕日本小児歯科学会 小児歯科専門医/日本スポーツ歯科医学会認定医/日本スポーツ歯科医学会認定マウスガードテクニカルインストラクター/日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト
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注意を要する時期は4~10歳。早めにかかりつけ歯科医を見つけよう
貴院に来る子どもの最年少は何歳くらいで、どんな症例が多いですか?
生後半年くらいから歯が生え始めるので、その頃にフッ素の効果を期待して0歳のうちから受診される方もいます。あとは転んで口をケガしてしまったときや、生まれつきの症状で相談に来られることもあります。たとえば「上皮真珠」と呼ばれる歯ぐきの小さなふくらみや、「先天性歯」が生えて舌に傷をつくってしまうリガフェーデ病などです。大人にはないものが赤ちゃんの口にあると、親御さんはやはり心配になって来院されますね。

そのような異常がない場合は、何歳くらいから歯科にかかるべきでしょうか?
市の健診は1歳半と2歳半にありますが、特に2歳半を過ぎて奥歯がそろってくると、3〜4歳にかけてむし歯ができやすい時期に入ります。だから健診の節目だけで終わらせず、3歳を過ぎたら“かかりつけの歯医者さん”を持って定期的に診てもらうのがおすすめです。実際に交野市でも「3歳になるまでにかかりつけ歯科医をつくりましょう」と呼びかけがあり、地域ぐるみで子どもの歯を守る取り組みが進んでいます。
子どもには「歯が生える前」「乳歯の生え初め」「生えそろった頃」「永久歯に生え変わる頃」といった段階があります。最も注意を要する時期はいつでしょうか?
子どもの歯は成長の段階ごとに気をつけるポイントがあるんですが、特に注意が必要なのは2つの時期です。ひとつは乳歯が生えそろって奥歯のかみ合わせが始まるとき。もうひとつは永久歯に生え替わりが始まるときです。前者はむし歯ができやすく、後者は歯並びやかみ合わせが大きく変わる時期にあたります。この2つの山場を意識して、定期的に歯医者さんでチェックしてもらうことが大事です。

そもそもの話ですが、乳歯の役割は何でしょうか?
乳歯は、食べたり飲み込んだり、話したりするために欠かせない歯です。それに加えて、あとから生えてくる永久歯がきれいに並ぶための道しるべにもなります。 さらに、あごの発達や見た目の印象にも関わってくるので、子どものお口にとってとても大事な役割を持っています。
世の中にまだまだ少ない小児歯科専門医

子どもを診察台に載せたとき、嫌がって暴れるような子はいませんか?
嫌がって暴れるお子さんも確かにいます。特別な裏技があるわけではありませんが、子どもの気持ちに寄り添って声をかけたり、器具をちょっと触ってもらったりして、できるだけ恐怖心をやわらげるようにしています。持っているおもちゃやTシャツのキャラクターから好きなものを予想して、『先生もそれ好きだよ』と共感することで、“同じ仲間なんだ”と感じてもらえるように工夫しています。
それでも泣き叫んで大きく動いてしまうと危険が伴うので、安全のためにしっかり体を支えることもあります。中途半端に抑えないまま治療を始めてしまうほうが、かえってケガや事故につながるリスクが高くなってしまいます。
乳歯がむし歯になることで、どのような危険がありますか?
乳歯がむし歯になると、まずは痛くてごはんが食べられなかったり、顔が腫れてしまったりと、普段の生活にすぐ影響が出てきます。さらに進んで歯が崩れてしまうと、あとから生えてくる永久歯のスペースがなくなって、歯並びに影響することもあるんです。しかも放っておくと、その下で育っている永久歯にまで悪影響が出て、発育不全の原因になってしまうこともあります。
先生は日本小児歯科学会認定の小児歯科専門医ですが、一般の歯科医との違いは何でしょうか?
小児歯科専門医っていうのは、子どもの治療に特化した知識や経験をたくさん積んで認められた歯医者のことです。日本には千人くらいしかいなくて、全国の歯医者の数と比べると本当に少ないんですよ。小児歯科専門医になるには、たくさんの症例を経験して、講習や試験を受けて、知識や技術を磨いていく必要があります。しかも資格を取ったらそれで終わりではなくて、そのあともずっと新しいことを学び続けないといけません。だから、子どもの成長や発達に合わせた治療や配慮を安心して任せてもらえる“子ども専門の歯医者さん”だと思っていただければ大丈夫です。
乳歯の頃から歯列矯正をするお子さんもいるようですが、そのメリットは何でしょうか?
乳歯の頃から始める矯正は、あとから生えてくる永久歯がきちんと並ぶための準備をしてあげる治療です。 早いうちにかみ合わせを整えておくと、その後に本格的な矯正が必要になっても治療期間を短くできたり、場合によっては二期矯正をしなくてもよくなることもあります。 そうなれば費用や時間の負担も軽くなりますし、なにより早い段階からきれいな歯並びで過ごせる期間が長くなるのは大きなメリットです。

保育園を併設して子連れ出勤が可能に
保育園を併設している歯科医院はとても珍しいですね
歯科医院に保育園があるのは、やっぱり珍しいですよね。でもそこには、子育て世代の方が安心して通える環境をつくりたいという思いがあります。保育園では通常保育に加えて一時保育も受け入れているので、通院のときにお子さんを預けていただくことができます。
歯科に併設しているからこそ“食育”や“お口の健康”にも取り組んでいます。乳幼児食指導の資格を持つ栄養士が、新鮮な食材を使って自園で給食を調理し、子どもたちに正しい味覚を身につけてもらえるよう工夫しています。
さらに、感染の窓期といわれる時期には、むし歯の原因菌が定着しにくい環境を整えることも大切です。そうした取り組みを通して、子どもたちが“食べる楽しさ”と“健康なお口”を身につけ、それが将来の病気になりにくい体づくりにもつながっていくと考えています。

家庭での子どもの歯のケアに関して、親はどのように気を付けてあげたらいいでしょうか?
子どもの歯を守るには、まず仕上げ磨きが大事です。強い力でゴシゴシすると歯ぐきを傷めてしまうので、“強い力で短時間”より“やさしい力で時間をかけて”磨くのがポイントです。それでも磨き残しは出やすいので、フロスも取り入れてください。実際、むし歯予防では歯ブラシよりフロスの方が効果的な場面も多いんです。
それから『仕上げ磨きは何歳までしたらいいですか?』とよく聞かれますが、年齢で区切るよりも、お子さんが自分でしっかり磨けるかどうかで判断するのがいいと思います。最近は学校でも給食のあとに歯磨きの時間があるので、子どもたちも自然と習慣を身につけやすい環境になっています。

やや重複する質問になるかもしれませんが、子どもの歯を守るために、親御さんに対して先生からアドバイスはありますか?
子どもは大人と違って、手先の器用さがまだまだ未熟です。ですから、大人と同じように毎日のケアをこなしても、同じクオリティにはならないんです。だからこそ、大人がどれだけ介入してあげられるかが大切になります。
むし歯の原因菌は、親御さんから赤ちゃんへとうつります。抱っこして話しかけるだけでも飛沫を通して感染してしまうので、母子感染そのものは避けられません。
大事なのは、親御さん自身のお口の状態を整えておくことです。そうすることでむし歯の原因菌が住みつきにくくなって、その後もむし歯になりにくい環境につながります。
どのように「痛い」のかを細かく聞き出す努力を惜しまない
診療を行うにあたって先生がいちばん大事にしていることは何でしょうか?
診療でいちばん大事にしているのは、患者さんが本当に何に困っているのかをできるだけ正しくくみ取ることです。たとえば『痛い』と一口に言っても、しみるのか、噛んだときに痛むのか、何もしなくても痛いのかによって原因はまったく違います。でも、ご本人がそこまで整理して伝えるのは難しいことも多いんですよ。だからこそ、こちらが丁寧に聞き取りながら、本当の困りごとを察する努力をしています。
特に子どもの場合は、自分の状態をうまく言葉にできないこともあります。そんなときは、日ごろから一番そばで見ている親御さんの気づきや情報がとても大事なんです。

ところで、先生は格闘技用のマウスピースも製作しているそうですね?
私自身もアマチュアで総合格闘技をやっていて、診療後にはジムでトレーニングをしています。コンタクトスポーツはケガのリスクが高いので、マウスピースの重要性は身をもって感じています。自分でも実際に使いながら違和感のない着け心地を確かめ、その感覚をフィードバックに生かしています。
当院では、『MONONOV(もののふ)』ブランドの正規代理店として、オーダーメイドのスポーツ用マウスピースを製作しています。違和感が少なく、パフォーマンスを妨げないことが特徴で、成長期の子どもたちの歯を守るうえでも心強いアイテムです。

最後に、Medical DOCの読者へ向けてメッセージをお願いします
子どもたちが健やかに成長できるように、小児歯科・矯正歯科・予防治療を中心に、親子で安心して通える環境を整えています。お子さんの歯で少しでも気になることがあれば、気軽にご相談ください。これからも地域のみなさんと一緒に、子どもの成長を見守っていければと思います。クレモト小児歯科でお待ちしています。
編集部まとめ
先生の言葉からは、小児歯科専門医としての豊富な知識と子どもや親御さんに寄り添う姿勢が強く感じられました。0歳からの受診を勧める理由や、仕上げ磨き・フロスの重要性など具体的なアドバイスは、日常のケアにすぐ取り入れることができます。さらに保育園の併設や食育への取り組みなど、地域全体を視野に入れた体制も心強く感じました。安心して長く通える歯科医院を探している人にとって、「クレモト小児歯科」は頼れる存在になるのではないでしょうか。

医院名
医療法人ことしろ会クレモト小児歯科
診療内容
小児歯科 矯正歯科 予防治療 など
所在地
大阪府交野市星田西3-12-6
アクセス
JR東西線・学研都市線「寝屋川公園」駅より徒歩20分
京阪バス「ふれあいプラザ」バス停留所から徒歩すぐ

