鼻づまりの正体は「鼻中隔弯曲症」かも？ 慢性症状に悩む人に日帰り手術の選択肢を【大阪市西区 わたなべ耳鼻咽喉科】

原因はさまざまですが、多くは後天的に発症します。成長期に顔の骨が大きくなる過程で、骨の成長バランスが崩れ、歪みが生じることがあります。また、鼻を強く打つなどの外傷が原因で弯曲することもあります。 生まれつきのケースは逆に少なく、新生児ではほとんど見られません。

鼻づまりが続くと、無意識に口呼吸をするようになます。すると、口の中の乾燥によって喉の痛みや風邪をひきやすくなるほか、いびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性が出てきます。 また、慢性的な副鼻腔炎（いわゆるちくのう症）を併発することがあり、頭痛や集中力の低下、嗅覚障害など、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

そのとおりですね。鼻から十分に空気が吸えないことで、本来脳に送られなくてはいけない酸素の量が減少し、眠りが浅くなります。その結果、日中の眠気や集中力の低下、倦怠感を感じるようになります。 実際、CA（キャビンアテンダント）やパイロットなど、航空機に搭乗する職業では呼吸機能が重視され、鼻中隔弯曲症があるだけでフライトを制限されることがあり、航空身体検査に通らないこともあるほどです。

鼻づまりがつらく、日常生活に支障をきたしている場合です。睡眠障害や頭痛、副鼻腔炎などが頻発しているような場合も、手術の対象になります。 手術は根本的な解決につながり、ほとんどの患者さんが術後に大きな改善を実感されています。鼻で息をすることが楽になり、生活の質が向上したと感じる方もいらっしゃいます。

治療の流れとしては、手術の2～3日前に血液検査や詳しい説明を行います。手術当日は、処置時間が1時間半ほど、その後20分程度安静にしてからご帰宅いただけます。 当院では、すべての手術を日帰り(※)で行っています。 (※)手術の前後に検査や経過観察の通院が必要な場合があります。

術後は出血リスクがあるため、術後２週間は激しい運動や飲酒は避けてください。また、処方された薬はきちんと服用し、指定された通院日には必ず来院してください。定期的に状態をチェックしないと、粘膜の治癒がうまくいかず、症状が再発する恐れもあります。

鼻づまりや通気不良といった構造的な問題はほぼ解消されます。ただし、鼻中隔矯正術はアレルギーそのものを治療するという治療ではないため、アレルゲンの影響を受ければ、再び鼻水やくしゃみといった症状は出てくることがあります。とはいえ、症状の強さは大幅に軽減される方がほとんどですね。

一番大切にしているのは、患者さんの困っている症状が、手術によって本当に改善するのかどうかをしっかり見極めることです。無理に手術をすすめることはありません。安全に、確実に、効果を得られる手術を心がけています。

鼻中隔弯曲症という病気を知らずに長年悩んでいる方は少なくありません。手術は比較的負担が少なく、日帰りで行うことが可能です。 鼻づまりの症状に心当たりがあり、「もしかして鼻中隔弯曲症なのかな？」と思われた方は、ぜひ一度、お気軽にご相談いただければと思います。