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白内障は放置せず、摺りガラスみたいな視界になる前に治療を【大阪市西成区 三間眼科医院】

 更新日:2023/07/25

白内障は放置せず、摺りガラスみたいな視界になる前に治療を
白内障は放置せず、摺りガラスみたいな視界になる前に治療を

「このところ目の前が何となくかすんで見えるような気がする」、あるいは「以前より自動車のヘッドライトの光が眩しい」といったようなことが気になり出してきたとしたら……。それはもしかすると白内障なのかも? 実は、症状の差はあっても、年齢を重ねていけば誰でも白内障を患うものらしい。白内障は少しずつ進行し、多くの人は短時間の手術で治療ができ、治療後は視界が改善される。とはいえ、目を手術することから、治療に不安を覚える人も多いことだろう。大阪市西成区の三間眼科医院では、これまで白内障の治療に多くの実績を上げている。同院の三間由美子院長に白内障とその治療について話を伺った。

Doctor’s Profile
三間由美子(みつまゆみこ)
医療法人 三間眼科医院 院長

1997年に関西医科大学を卒業し、2001年に関西医科大学大学院を修了。兵庫県立尼崎病院、済生会野江病院での勤務を経て、2006年から大学病院にて勤務し助手、2013年から講師も務めた。2017年から医療法人三間眼科医院の院長に就任。地域に根差した診療活動を行っている。
資格は日本眼科学会認定眼科医、身体障害者認定指導医ほか。所属学会は日本眼科学会、日本角膜学会ほか。

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白内障は老化現象の一種。誰にでも起こり得る目の疾患

白内障とはどのような病気なのでしょうか?

目の中の水晶体が白く濁っている状態です。病気というよりは、老化現象のひとつですね。たとえば、ある程度の年齢になったら髪に白髪が増えてきます。白髪は人によって多い少ないという違いはありますが、60歳以上になればどなたでも1本くらいはあるでしょう。白内障も同じようなイメージでとらえていいと思います。
60歳を超えて、白内障がまったくない方はいないと思っていいのですが、生活に支障がなければ、本人も自分が白内障だとは気付きにくいのです。
また、診察していて「白内障がある」とわかっても、程度が軽ければ眼科医のほうから、わざわざ「白内障がありますよ」とは言わない場合があります。

白内障は老化現象の一種。誰にでも起こり得る目の疾患

若い人でも白内障になる可能性はあるのですか?

あります。白髪だって20代で生える方もいれば、80代でも黒々とした髪の方もいらっしゃいますよね。そんな感じで個人差があります。
「何歳頃で白内障になって手術しないといけませんか」という質問をよく受けるのですが、それは「何歳で白髪って染めないといけないですか?」という質問と同じで、なる時期は医者にもわかりませんし手術する時期は患者さんの意思も反映します。

白内障は老化現象の一種。誰にでも起こり得る目の疾患

自覚症状についてはどうでしょう。どんな人でも同じ症状なのでしょうか?

白内障の初期は、視界がかすんで眩しさを訴える方が多いです。
よく言われるのは、摺りガラス越しに物を見ているような感じですね。しかし、クリアに見えていた視界が急に摺りガラスに置き換わるのではなく、何年もかけてじわじわ進行します。ですから、自覚症状としては意外に気付きにくいのです。
自分で気付くかどうかは、日々の暮らし方によります。かなり進行していても不自由を感じない人もおられます。メガネをかけても視力が上がらなくなれば眼科受診をしましょう。

現状、白内障は手術以外に有効な治療法がない

現状、白内障は手術以外に有効な治療法がない

見えづらくなってきて「白内障かも?」と思って診察を受けたら、別の疾患が見つかったといったような事例はありますか?

目の前で手を振られても見えないくらい進んだ白内障でも、白内障だけならば手術をすれば見えるようになります。
しかし診察してみたら、見えにくいのは緑内障も患っていたから、という事例はあります。

白内障を放置したままにしているとどうなりますか?

徐々に見えなくなっていき、視力がどんどん落ちていきます。そのうち、メガネをかけても矯正できなくなってきます。

手術以外で白内障を治療する方法はありますか?

点眼薬がありますが、積極的には私はお勧めしていません。老化を止める薬がないのと同じで、その薬を使って視力が回復することはありません。
ただ、術後は自己点眼が重要なので、点眼に慣れていない方に練習していただくためにお出しすることはあります。女性が顔に塗る美容液くらいの効果はあると思います。

昔と今では、白内障手術はどのように進化していますか?

どれくらい昔かによりますが、私が入局した当時でも、今の手術に近い感じにはなっていました。それでも、進化し続けているのだと思います。お腹を切る手術などと同じで、無縫合で創口はどんどん小さくなってきています。眼内に入れるレンズは素材も変化しましたし、多焦点レンズのバリエーションも増えて進化したと思います。

現在、年間160万人以上の患者さんが白内障手術を受けると聞きましたが、手術は怖かったり痛かったりしないですか……?

人間の性格がバラバラなように目も個人差があり、非常に難しい目もあります。基本的には手術は10分ほどで終わりますし、日帰り(※)でできます。もちろん麻酔をするので、痛みは少ないです。麻酔は基本的に点眼麻酔ですが、それだけでは痛みを感じる方にはテノン嚢下麻酔(注射による麻酔)をします。どうしても緊張が取れない方は笑気ガスによる麻酔を行います。
ガスを吸って眠ってしまうことはありませんし、問いかけに対して受け答えもできますが、緊張が和らぎます。
手術を受けた方に聞くと、手術中は「目の前が万華鏡のように見えてキレイだった」とおっしゃいますね。

(※)手術自体は当日で完了しますが、術前の検査、術後の経過観察のために通院して頂きます。

術後はしばらく仕事を休んだり、日常生活に何らかの支障が出たりしますか? 通常の生活に戻るまでに、どの程度の期間が必要でしょうか?

手術をした翌日と翌々日に2日連続で必ず来ていただいて、「術後眼内炎」をはじめ、合併症が出ていないかを診断します。
当院は火曜日が手術日ですから、水曜と木曜に来院していただき、次の来院は金曜か土曜のどちらか。その次が月曜日、それから1週間後、さらに2週間後に来てもらいます。
その後は、異状がなければ定期検診で3カ月後とか、何か気になったときに来ていただくとか、そういう話になります。それ以外は仕事を続けられますし、日常生活に大きな支障が出ることはありません。

現状、白内障は手術以外に有効な治療法がない

単焦点眼内レンズは保険適用、多焦点眼内レンズは自費購入

単焦点眼内レンズは保険適用、多焦点眼内レンズは自費購入

それでは、診察から手術までの流れを教えてください

診察して白内障と診断したら、患者さんに手術を希望するか否かの確認をします。希望される場合、当院での手術は2~3カ月待ちぐらいになりますから、その間に内科で血液検査と心電図検査を受けて頂きます。
術前検査と、手術の説明などで、手術までに2~3回はご来院いただきます。
ほかに、術後は自分で目薬を差してもらわないといけないので、患者さんが自分で点眼できるかどうかもチェックします。上手く点眼できない方には指導します。

使用するレンズによって保険が適用されないものがあると聞きました。治療費についてはいかがでしょうか?

通常の手術では、濁った水晶体を超音波で砕いた後に吸い出して、人工の眼内レンズに置き換えます。
そのレンズの種類に「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」があり、単焦点眼内レンズが保険適用です。全額負担で約15万円ですが、保険の自己負担率が3割なら約4.5万円ということになります。
多焦点眼内レンズは、実費で購入してもらうことになります。2焦点レンズが約20万円。3焦点レンズだと30万円以上。これらに乱視を軽減する仕様がつくと、3~5万円プラスになります。

多焦点眼内レンズとはどのようなものでしょうか?

はっきりくっきりした見え方を求めるなら、単焦点眼内レンズのほうがいいでしょう。ただ、単焦点ならメガネが必要になります。でも、日常的にメガネなしで遠くも近くもそこそこ見えたらいいという方であれば、多焦点レンズはおすすめです。メリットだけでなく、ハロー・グレアなどのデメリットも理解して、費用と見合うと感じるならば良いと思います。

治療に際して先生がいちばん大事にしておられることは何ですか?

患者さんとのコミュニケーションです。当院に来ていただいて後悔のないように、患者さんが何に困っているのか、お話をよく聞くことに留意しています。

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手術を受けた患者さんからはどのような声をよく聞きますか?

「世の中が明るくなったり、気持ちも明るくなった」と、皆さんとても喜ばれていますよ。

単焦点眼内レンズは保険適用、多焦点眼内レンズは自費購入

目によい生活態度みたいなものはありますか?

目のためというよりは、体全体によい生活態度が、結局は目によいことにもつながるのだと思います。ちなみに、当院では眼科でしか買えない目のためのサプリメント(※)をいくつか取り扱っています。詳しくは医院までお問合せください。

(※)医師によって療養の向上に役立つと判断・診断した場合に案内しています。

これから白内障の治療を受けようと考えている方や、Medical DOCのサイトを訪れている読者に対してメッセージをお願いします

病気は自己判断しないで、目に不調を感じたら必ず医師の診察を受けてください。不調を感じていなくても、ある程度の年齢になれば定期検診をおすすめします。自覚症状に乏しい疾患はたくさんあり、発見が遅れると取り返しのつかない事態になる場合もあります。少しでも目のことで不安を感じたら相談に来てください。

編集部まとめ

開業80年を迎える三間眼科医院は、大阪市西成区の住宅街に立地しています。典型的な「町の眼医者さん」といった佇まいで、先生自身も気さくで明るく話しやすいお人柄でした。白内障や手術方法の説明も、わかりやすく噛み砕いて話してくださるので、頭に映像が浮かぶように理解が進みました。手術は10分程で終わり、日帰り可能とのこと。術中も「痛みが少ない」「万華鏡みたいな光が見える」ということなのだそう。そう聞けば、これまで不安で手術をためらってきた方も、きっと安心して治療を受けることができるのではないでしょうか。

医療法人三間眼科医院

医院名

医療法人三間眼科医院

診療内容

白内障 緑内障 硝子体手術 霰粒腫など

所在地

大阪府大阪市西成区千本中2-12-11

アクセス

大阪メトロ四つ橋線「岸里」駅より徒歩10分
大阪メトロ四つ橋線「玉出」駅より徒歩12分
大阪市営バス「天津橋」バス停留所より徒歩すぐ

この記事の監修医師