そけいヘルニアは日帰りで治療ができる【大阪市北区 大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック】

いわゆる、体の経年変化ですね。お歳を召されて体の筋肉が弱ってきた場合、あるいは普段から意図的に重いものをもったりお腹に力がかかる業種のお仕事をしたりなさっている方は、発症する可能性があるといえます。

生まれてから年数を経る過程で、お腹の筋肉の弱い場所に穴が開くわけです。じゃあ腹筋を鍛えればよいかいうと、そうではありません。
腹圧がかかることによって、筋肉と筋肉の間にピンポイントに圧がかかって、裂かれるような形で穴が開きます。

誰でも発症する可能性はあります。痩せ型の人と太っている人を比較すると、痩せ型の人が発症しやすい傾向があるようです。
筋肉に関係する疾患ですから、痩せ型の人は筋肉量が少ないため発症しやすくなるといわれています。

兆候と初期症状は、本当に様々です。痛みは、発症前に出る場合もあれば発症後に出る場合もあります。部位はそけい部や睾丸で、痛みや違和感があります。
筋肉に開いた穴から臓器が飛び出すことによって神経が圧迫される痛みで、一般的に誰もが経験したことがある腹痛とは異質の傷みです。
あるいは痛みの出ない方もおられますから、症状は千差万別ですね。

筋肉は組織がしっかりしていますので、穴の縁は固いフレームのようになっています。そこを通り抜けた臓器が元に戻ればいいのですが、飛び出しすぎて首を締めた状態になってしまうと、戻らなくなります。それを「嵌頓」といいます。

そけいヘルニアには、軽症・重症の概念があまりなく、進行度を決めるのは筋肉に開いた穴の大きさです。大きい患者さんですと3cm超にもなり、これはかなり進行している状態です。
穴が大きいと、臓器もそれだけたくさん出てしまいますから、その分、腫れやすくなります。また、穴が大きいと常に出っ放しの状態になって「詰まる」という状況が起きにくくなる患者さんもおられますので、穴が大きい＝重症というわけでもありません。

前述したように、子どもには、穴を縫い合わせる組織縫合法。成人を超えている患者さんには、シートで塞ぐメッシュ法です。
シートには、針で筋肉に打ち込むものや糸で縫い付けるもののほか、マジックテープみたいに体の組織にペタッとくっついて固定され、最終的には体の組織と交わって同化していくものもあります。
シートを当てるために患部へアプローチする方法は、そけい部の皮膚を切って前から当てる方法がひとつ。もしくは、裏から当てる方法もあります。
もうひとつは、内視鏡を使う方法で、お腹に5～10mm程度の穴を開けて内視鏡を入れ、筋肉の裏から穴にアプローチしてシートを当てます。
ですから、大きくいうとお腹を切るか、カメラを通すかの2通りのアプローチ方法があります。どちらの方法を選択するかの基準は、基本的にはありません。いちばんの達成目標である再発率を下げる観点からいうと、どちらも同等といえます。

切開法のメリットは、手術時間が40分くらいと短いことです。麻酔に伴う体への負担が少ないです。
これに対し、内視鏡手術は全身麻酔で、手術時間も長くなります。もっとも50分くらいですから、10分ほどの差なんですが、難度が高くなります。
いずれの場合も、手術は日帰りで可能です(※術前・術後は経過観察のための通院が必要です)。手術時間がだいたい40～50分として、そのあと2時間ほどお休みいただいて、トータル4時間くらいでお帰りいただけます。