洗練された技術で行う眼瞼下垂症手術【大阪府堺市 医療法人まぶたラボ ひふみるクリニック】
「眼瞼下垂症」は、まぶたがだんだんと下がって視野が狭くなる症状。見えづらくなるだけではなく、肩こりや頭痛を引き起こし、生活に支障が現れることもあるという。治療には手術が必要不可欠だが、目元の手術ゆえ不安を覚える人も多いのではないだろうか。そこで、形成外科医として眼瞼下垂症の手術を数多く手掛けてきた、大阪府堺市に開院している「医療法人まぶたラボ ひふみるクリニック」の中林洋平理事長にお話を伺った。
中林 洋平(なかばやし ようへい)
医療法人まぶたラボ ひふみるクリニック 理事長
2008年山形大学医学部卒業後、山形大学医学部附属病院にて初期臨床研修医として勤務。2010年大阪大学形成外科へ入局後、大阪警察病院 形成再建外科・美容外科や大阪厚生年金病院 形成外科、JCHO大阪病院 形成外科 医長を経て、2021年6月、大阪府堺市西区に医療法人まぶたラボ ひふみるクリニックを開院。日本専門医機構認定 形成外科専門医であり、クリニック開院後の1年目の2022年には眼瞼下垂症手術の年間件数が1,180件を越えた。
加齢ばかりでなく、さまざまな原因で起きる眼瞼下垂症
眼瞼下垂症とはどのような症状なのでしょうか?
さまざまな原因でまぶたを上げる働きをする眼瞼挙筋(がんけんきょきん)が弱くなったり、外れたりすることで視野が狭くなる症状です。目をしっかりと見開けず、まぶたが瞳孔の一部に差し掛かかるので、上方の視野が狭くなって見えづらくなります。それにより、おでこの筋肉でまぶたを上げようとするため、頭痛や肩こりといった症状を引き起こします。脳外科や神経内科にかかってもよくならない頭痛の原因が、眼瞼下垂症だったということもあります。
眼瞼下垂症を引き起こす原因はどんなところにあるのでしょうか?
眼瞼下垂症は、大きく先天性と後天性に分けられます。先天性の場合、出生直後にすでに発症していますが、90%以上が片目のみです。新生児の状態でも、右目は正常なのに左目だけ明らかに開いていないなど、左右差が顕著に現れるのですぐにわかります。
後天性の場合、加齢が原因となっていることが一番多いですが、ハードコンタクトレンズによって引き起こされているケースも目立ちます。ハードコンタクトレンズを着用すると、1日約2万回の瞬きをしているので、目の奥にある筋肉がスレて、眼瞼挙筋が落ち、外れてしまうことがあるのです。
さらに、アトピー性皮膚炎、花粉症、逆まつげなどで目をこする癖がある方も、眼瞼下垂症を引き起こしやすいです。過剰なアイメイクやまつ毛エクステでまぶたに負荷をかけるほか、メイクを落とす際にこすり過ぎて、発症することもあります。
稀にですが、重症筋無力症、動顔神経麻痺、顔面神経麻痺といった、筋肉の疾患によって眼瞼挙筋の力が落ちて発症される方もいます。
自覚症状はどのように現れるのでしょうか?
鏡や写真で自分の顔を見て「なんだか眠そう」「眉毛がすごく上がっている」などと違和感を覚えて来院される方が多いです。また、頭痛や肩こりがひどく、調べてみたら眼瞼下垂症という症状に行き着いたという場合もあります。視野が狭くなって、見づらくなってきて症状に気づく場合は、すでにかなり重症になっている状態です。
自分の姿を鏡等でチェックすることで気づく方が大半なので、眼瞼下垂症を疑って来院される方は、やはり8割型が女性です。ただ、女性だけではなく男性も発症する病気ですので、男性にも意識していただきたいところです。
眼瞼下垂症にならないよう、どんな予防をすればいいでしょうか?
目をこすりすぎることが眼瞼下垂症を発症する原因の一つになっているので、目の周りを触りすぎないようにすることです。洗顔する際も、ゴシゴシと洗うのではなく、丁寧に行っていただきたいですね。アイメイクをした場合も、まつ毛を保護しながら落とすようにしてください。
眼瞼下垂症は保険診療内の日帰り手術で治療可能
眼瞼下垂症の手術はどのように行われますか? 入院の必要はありますか?
眼瞼下垂症の治療は手術で行いますが、入院の必要はなく日帰りです(※術前・術後は経過観察が必要です)。一人ひとり病態が違うため、それぞれに合う方法で手術を行います。
方法としては大きく2つあります。一つは目のふちを切開する方法。この場合は二重まぶたをつくって、二重の中に傷を隠します。もう一つは、眉毛の直下を切開する方法。この場合はまぶたには手を加えず、たるみを取り除いて縫い合わせます。いずれも、二重まぶたになるため顔貌は多少変化しますが、傷跡はほとんど目立ちません。
美容外科の二重まぶた手術と、どのような違いがあるのでしょうか?
形成外科医による眼瞼下垂症の手術は、美容外科による二重まぶたをつくる手術とはまったく別物です。眼瞼下垂症の手術は、まぶたの筋肉を切除・縫合などで調整し、最後に二重まぶたをつくってそこに傷を隠します。美容外科の手術は、この最後の二重まぶたをつくる作業だけを行います。
眼瞼下垂症の手術で二重まぶたをつくるのは、傷跡をカバーするためですので、美容目的ではありません。ですから、「目の形をこうしたい」など仕上がりの見え方についての細かなリクエストにはお答えしづらいですね。
医療法人まぶたラボ ひふみるクリニックでの治療の流れを教えてください
初診の場合は、まずは問診と観察から始まります。症状が発生した時期、アトピー性皮膚炎や花粉症の有無など、原因を探るために細かくお聞きします。さらに、額を押さえてまぶたの動きを観察し、手術適応かどうかを判断します。目の大きさによっても違いますが、眼瞼挙筋機能が7mmより下回る場合は保険適用での手術が可能です。診断後、手術日を決定し、術前採血を行います。
手術日当日は、開始時刻の15分前に来ていただき、洗顔後、止血剤・痛み止めを投薬し、写真撮影をします。その後、笑気麻酔・局所麻酔を行なって、レーザーメスを使って手術を開始します。
術後は腫れと内出血予防のためクリームを塗布し、腫れを抑えるために冷やして終了です。ここまでの所要時間は大体1時間以内。実際に切開・縫合する時間は30~40分ほどです。
手術後の生活で、気をつけるべきことはどんなことでしょう?
順調に回復し、1週間後に抜糸するためにも、術後の行動や生活には充分気をつけていただきたいです。術後すぐは、入浴は禁止です。1日1回以上のシャワーで患部の清潔を保ってください。もちろん、お酒も控えてください。
抜糸後も、ハードコンタクトをしたり、ホットカーペットで寝て温めすぎてしまったりすると、術後の回復が悪くなってしまいます。また、プールでゴーグルをつけるなど、目元を食い込ませる行為も避けたほうがよいでしょう。
手術の料金についても気になります
初診で、眼瞼下垂症と診断された場合、手術は保険適用です。3割負担で大体4万4,000~5,000円ぐらいで受けていただくことが可能です。
短時間で痛み・腫れの少ない手術を実現
眼瞼下垂症の手術に際して、何に一番気をつけていらっしゃいますか?
初診時、患者さんに問診してしっかり原因を把握することを一番大切にしています。アトピー性皮膚炎、花粉症、逆まつげなどで目をこすりすぎていないか、パソコンやスマホを見すぎていないか、過剰なアイメイクをしていないかなど、考えられることをすべて聞き出して、原因を把握しています。
また、もともと重症筋無力症など筋肉の病気を持っている場合は、術式がまったく変わってきます。ほかには先天的に眼瞼下垂症があり、子どもの頃に治療したことがある方も中にはいらっしゃいます。そうしたことも細かく追求していきます。
貴院の眼瞼下垂症手術が短時間なのは、レーザーメスを使っているからでしょうか?
レーザーメスは切開と同時に止血するため、止血時間を取る必要がなく、手術時間を短縮できます。レーザーメスはまぶたの中の筋肉の剥離もしやすく、手術時間の短縮に繋がっていると考えられます。
また、私自身、形成外科医として数多くの眼瞼下垂症の手術を担当し、1カ月に100件ほどは担当してきました。実績はもちろんですが、1日7~8件、眼瞼下垂症の手術をする日々を送ってきたため、技術も自然とブラッシュアップできました。そのため、短時間での手術を叶えることができていると思います。
現在、クリニックを開院して2年ですが、2022年は1,180件もの手術実績を残すことができております。
先生の豊富な実績は患者さんの安心材料ですね。術後のダウンタイムも比較的短いとお聞きしています
レーザーメスを使うメリットの一つとして、術後の痛みや腫れ、いわゆるダウンタイムが短縮できるということがあります。また、笑気麻酔で恐怖心を抑え、血圧を安定させることで、出血も抑えられることもダウンタイム短縮につながっています。
もちろん、痛みや腫れがまったくないわけではありません。ただ、痛みについては一般的な鎮痛剤を使うことでコントロールできます。術後すぐから2日目までは、少し痛みを感じるかもしれませんが、その後、徐々に回復してきます。
腫れについては、すぐに元に戻るわけではなく、少し時間はかかります。大体1週間後の抜糸で5割ぐらい、1カ月後にやっと9割ぐらいの腫れが引くといった感じです。完全に馴染んで違和感がなくなるには、3カ月から半年ぐらいはかかります。
とはいえ、レーザーメス以外の手術に比べると2~3倍は回復が早いため、患者さんの社会復帰も早く叶えることができます。
最後に、読者の方にメッセージをお願いします
眼瞼下垂症の手術は、目の周辺に施すものですから、不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。不安解消のためにも、さまざまな医療機関を調べて、自分と相性がよい医師を見つけるよう努めていただきたいですね。
医療機関を選ぶ際にポイントとなるのは、医師の手術歴や実績です。その中で気になる医療機関が見つかれば、診察を受けて、しっかりと話をし、疑問は解消しておきましょう。もし迷うことがあれば、手術を保留してもいいと思います。命を左右する病気でもないので、考える時間も大切にするべきです。
また、手術を受けると決めたら、眼瞼下垂症の症例や手術例をしっかり調べましょう。前情報をしっかり得ておくことで、医師との意思疎通もしやすくなります。知識を得て、医師とのコミュニケーションをしっかり取ることで、安心して納得のできる治療に進むことができるはずです。
編集部まとめ
眼瞼下垂症は、自分の顔の変化に敏感でないとなかなか気づきにくい病気です。医療法人まぶたラボ ひふみるクリニックにも、院内のパンフレットやモニター画面を見て、眼瞼下垂症を疑う患者さんも多いといいます。ぜひ一度、鏡や写真で目元をチェックしてみてください。そしても、もし気になるようなことがあれば、眼瞼下垂症の治療を行う医療機関を訪れてはいかがでしょうか。
医院名
医療法人まぶたラボ ひふみるクリニック
診療内容
形成外科 皮膚科 美容外科 美容皮膚科
所在地
大阪府堺市中区新家町589-10
アクセス
南海高野線「初芝」駅より車で5分
駐車場情報
駐車場合計21台完備(医院前駐車場7台、第2駐車場8台、第3駐車場5台、第4駐車場1台)