インプラントの失敗はどんなことが起こる?失敗の可能性を低くする病院選びとは?【市川市 杉山デンタルクリニック】 2020/02/10

杉山デンタルクリニック
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インプラント治療は、骨に穴を開けるなど大掛かりな治療なうえに、一般的に費用が高額になるため、失敗してほしくない治療ですよね。
ところで、インプラント治療で失敗すると、一体どのようなことが起こるのでしょうか?
また、インプラント治療を失敗しないためには、どのような点について注意すればいいのでしょうか?
 
今回は【杉山デンタルクリニック 杉山健太郎先生】に、インプラントの失敗で起こりえることと、失敗の可能性を下げるための対策について教えていただきました。

Doctor’s Profile
杉山 健太郎
杉山デンタルクリニック 歯科医師

東京歯科大学卒業後、慶應義塾大学医学部歯科・口腔外科学教室に入局。複数の病院にて口腔外科疾患やインプラント治療を中心に診療・研修を積む。
現在は父が院長を務める杉山デンタルクリニックで、インプラント、歯周病、口腔外科の治療にあたっている。日本口腔外科学会 口腔外科専門医。

インプラント治療で起こりえる失敗やトラブルは、大きく次の6つに分けられるといいます。

  • 体の構造による失敗・トラブル
  • 手術による失敗・トラブル
  • 歯の骨とインプラントがしっかりと結合しない失敗・トラブル
  • 人工の歯を入れるときに起こりえる失敗・トラブル
  • 医療者と患者の意思の疎通が不十分なことで起こる失敗・トラブル

 
まずは、それぞれのトラブルや失敗の内容についてみていきましょう。
 
また、インプラント治療で痛みが生じると「治療が失敗したのではないか?」と不安に感じるのではないでしょうか。
そこで、インプラント治療による痛みはどのようなものなのかについても、みていきましょう。

インプラントの失敗にはどのようなことがあるのか

1.体の構造による失敗・トラブル

インプラント治療は歯茎の骨にインプラント体という土台を埋めて、その上に人工の歯を固定する治療です。
歯茎の骨の近くには血管や神経が張り巡らされているため、インプラント体を埋めるときに血管や神経を傷つけて出血したり、麻痺や知覚異常などの後遺症が現れたりする可能性があります。
 
また、歯茎の骨の量が足りないのにインプラント治療を行い、インプラント体が骨を突き抜けるケースもあるようです。

 

2. 手術による失敗・トラブル

インプラント治療は、外科的な手術を伴って行う治療方法です。手術により、次のようなトラブルが起こる可能性があります。

・患者が元々もっていた高血圧や糖尿病などの病気が一時的に悪化する。
・歯科医師が手術操作を誤ることで血管や神経などを損傷する。
 

3.歯の骨とインプラントの土台が結合しない失敗・トラブル

通常のインプラント治療では、骨の中に土台を埋めたあと、周りの骨が自然治癒することによって土台がしっかりと固定されます。
 
しかし、骨の治癒に何らかの原因で異常が起こり、土台が固定されないこともあるのです。
 
骨の治癒に異常が起こる原因
・骨粗しょう症
・糖尿病
・口の衛生状態の不良
・喫煙 など
 
また、骨の治癒が途中の段階で人工の歯を入れてしまうと、せっかく固定しかけていた土台の周囲が破壊されて脱落する可能性もあります。

 

4.人工の歯を入れるときに起こりえる失敗・トラブル

インプラントの土台を入れることはできても、上にのせる人工の歯を作れないケースもあります。例えば、患者の咬み合わせや歯並びが通常とは異なっている場合です。
また、歯肉(しにく)の量が不十分なために、インプラント治療をすると最終的に見た目が悪くなるケースも見受けられます。

 

5.医療スタッフと患者の意思疎通が不十分なことで起こる失敗・トラブル

医療スタッフに患者の意思が十分に伝わっていないことで、思ったような治療や仕上がりにならずにトラブルに発展するケースもあります。
国民生活センターのデータベースでは、毎年60~80件ほど、インプラント治療の危害情報が寄せられているそうです。(2019年12月時点 独立行政法人国民生活センター|「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか-なくならない歯科インプラントにかかわる相談-」)
そのなかには、インプラント治療の相談に行った次の予約日にいきなり手術された、歯科医師が治療を断念し、どのように治療を継続したらよいかわからないという事例も報告されています。

6.インプラント治療の痛みは、手術後1~2週間程度感じる

インプラント治療では、歯に穴を開けるので痛そうなイメージがあるのではないでしょうか。
インプラント手術中の痛みについて、杉山先生は次のように教えてくださいました。

標準的なインプラント治療では、あらかじめ局所麻酔薬や鎮痛薬を使用するので、痛みを感じる場面は少ないと思います。
実際、当院で治療をお受けになった方からも、治療を受ける前は心配していたが、それほど痛くはなかったというお話をよく伺います。
インプラントの失敗にはどのようなことがあるのか

このように、実際にインプラントの治療を受けている最中は、麻酔や鎮痛剤の効果で痛みは感じにくいようです。一方、麻酔が切れた後の痛みはどうなのでしょうか。杉山先生の見解は、以下の通りです。

通常手術後の痛みは、1~2週間以内に改善してきます。痛みが長引く場合には、インプラント周囲の感染症に伴う炎症や神経障害性疼痛(神経が傷つくことによって生じる痛み)が起きている可能性もあります。

インプラント治療では、手術のあとにしばらく痛みを感じる期間があるようです。
しかし、基本的には1~2週間という短期間のため、あまり神経質にならず過ごすといいでしょう。
一方、痛みが長引く場合には手術による痛みではなく、ほかの原因がある可能性も考えられるそうです。

インプラントの失敗を回避するために必要なこととは

ここまでインプラント治療のさまざまなトラブルをみてきましたが、これらのトラブルを避ける手立てはあるのでしょうか。
 
インプラント治療のトラブルは、おもに患者の口の状態によるものと、患者の持病など全身状態によるものに分けられます。
 
そのため、口の中や全身の状態を治療開始前に把握することが、インプラント治療で失敗する可能性を下げることに繋がるのです。
これらを十分に把握するには、治療開始前に次の2点を確認することが大切だといいます。
 

  • 治療開始前に十分に検査を行う
  • 患者自身が自分の健康状態について正しく伝える

 
この2点について詳しくみていきましょう。

インプラントの失敗を回避するために必要なこととは

1.治療開始前に十分に検査を行う

インプラントの治療を始める前に口の中の状態を把握することは、失敗しないためにとても大切なことです。
患者の歯肉状態、歯茎の骨の量や密度、血管や神経の場所などは、口の中を観察したり、レントゲンやCTの検査を行ったりすることで、ある程度捉えることができます。
 
また、糖尿病のように、全身の病気がインプラント治療に影響を与えるケースもあります。これまで糖尿病を指摘されたことがなくても、前回の検査からインプラント治療開始までに発症するケースもあるため、より安全に治療を進めるには事前に血糖値などの検査を行うといいでしょう。
 
このように、さまざまな検査を通して患者の状態を把握することが、失敗のリスクを抑えたインプラント治療に繋がります。
 

2.患者自身が自分の健康状態や要望について正しく伝える

検査結果というのは、その検査を受けたときの状態を示しているものです。
そのため、いくら事前の検査では問題ないと言われたとしても、実際には何かトラブルが隠れているということは否定できません。
 
例えば血糖値は、食事の影響を受けるなど、1日のなかでも数値が大きく変動します。つまり、検査を受けた時点では血糖値が高くなかったとしても、それはたまたま血糖値が下がっているタイミングで検査を受けただけかもしれないのです。これは、血糖値だけでなく、ほかの検査も同様です。
 
さらに、インプラント治療の前に行う検査では全ての病気を把握できるわけではありません。事前に検査をしなかった持病によって、治療中にトラブルに見舞われる可能性もあります。
このような理由から、患者自身が自分の健康状態について、詳細に医師に伝えることも、とても大切なことです。
 
また、医療スタッフに患者の意思が正しく伝わらないことで、思ったような仕上がりや費用負担にならない可能性もあります。
このような事態を避けるためにも、自分の要望を医療スタッフに伝え、納得して治療を開始することも重要です。

痛みを長引かせないためには歯科医師の指示に従って

インプラントの痛みが長引くケースとして、感染症による炎症と、神経障害性疼痛の可能性があると、先ほど先生から教えていただきました。
これらのトラブルも、避けるためにできることがあります。
 
感染症を避けるためには、手術後に処方される抗菌薬を正しく飲むことが大切です。
万が一痛みが早めに引いたとしても、抗菌薬は飲み切らなければいけません。
薬を飲み切らないことで、わずかに生き残った細菌が抗菌薬の効かない細菌に変化し、炎症が治りにくくなる可能性があります。
 
また、神経障害性疼痛は、神経を傷つけることで起こる痛みなので、治療前のレントゲンやCTで神経の位置を把握することでリスクを下げることが可能です。
 
しかし、これらの予防策を行っても、痛みが長引いてしまうケースがないとはいいきれません。
痛みが長引いた場合の対処について、杉山先生に教えてくただきました。

インプラントの失敗を回避するために必要なこととは
どのような場合でも、まずは痛みの原因を精査することが重要です。そのあと、判断された原因に対して治療を行うことになります。

痛みが長引くようであれば、まずは歯科医師によって原因を調べてもらうことが重要なようです。手術後、あまりにも痛みが引かないようであれば手術を受けた歯科医院を受診しましょう。

インプラントで失敗しない歯科医院選びのコツとは

現在、多くの歯科医院でインプラント治療が行われていますが、どの歯科医院で治療を受けるかを決めるのは難しいですよね。
インプラント治療で失敗しないような歯科医院選びのポイントを、杉山先生に伺いました。

インプラントで失敗しない歯科医院選びのコツとは
実力のある歯科医師は数多くいらっしゃいますが、患者さんが受診前にそれを見極めるのは困難と思います。
簡単な選択基準のひとつとしては、日本口腔インプラント学会や日本顎顔面インプラント学会などが認定するインプラント専門医であるかどうかに注目しましょう。なぜなら、これらの専門医の資格を得るためには、一定の治療実績や研修歴が必要なためです。

日本口腔インプラント学会や日本顎顔面インプラント学会をはじめいくつかの学会では、インプラントに関する専門的な知識と技能をもつ歯科医師の養成を目的として、専門医制度を設けています。
例えば、日本口腔インプラント学会や日本顎顔面インプラント学会でインプラント治療医と認められるには、5年以上研修施設に在籍、診療記録を提出などの10以上の条件を満たし、さらに試験に合格しなければなりません。また、それぞれのライセンスは5年ごとに更新が必要です。
そのため、これらの学会の医師であれば、精度を上げた治療を受けられる可能性があります。
 
また、インプラント治療で失敗しないために必要なこととして、患者自身が自分の健康状態について正しく伝えることを挙げました。そのためには、患者の話にしっかりと耳を傾け、患者の質問にていねいに対応してくれるスタッフがいる歯科医院を選ぶことも大切です。
この点について、杉山先生は次のようにおっしゃっています。

インプラントで失敗しない歯科医院選びのコツとは
インプラント治療は歯が入ったら終わりではありません。長く通院するためには、歯科医院の雰囲気や歯科医師・歯科衛生士などの担当者との相性も重要な要素のひとつとなると思います。

インプラント治療は歯を入れた後も、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要になります。そのため、長くお付き合いができるような歯科医院を選択することも大切です。

 

失敗しにくいインプラント治療は歯科医院選びから

インプラント治療の失敗は、患者の口腔内状態をはじめ、全身の状態も影響して起こります。
そのため、治療開始前に十分に検査を行い、患者自身も自分の健康状態や要望を伝えることが大切です。
 
最後に、インプラント治療について杉山先生は次のようにお話ししてくださいました。

歯科インプラント治療におけるトラブル事例があるのは、事実です。
しかし、きちんとインプラント治療を行えば、10年残存率は80~97%前後といわれています。(2019年12月時点)日本歯科医師会|歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020 「インプラント」)
さらにインプラント治療はものを噛む力の回復とQOL(生活の質)の向上が期待できる治療法です。
治療を考えている皆様におかれましては、よく考えていいインプラント治療が受けられるように願っています。

歯科医院選びの際には、日本口腔インプラント学会や日本顎顔面インプラント学会などがインプラント治療医と認定している歯科医師を選んだり、話しやすい、通いやすい歯科医院を選んだりすることもポイントになります。
インプラント治療の失敗を避けたい方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

医療法人クオーレ 杉山デンタルクリニック
インプラント治療費 1本あたり35〜60万(税抜)

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