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【雑誌「Hanako」コラボ #3】注目の眼内コンタクトレンズ、ICLについて知りたい《眼科》

 更新日:2023/10/04
【雑誌「Hanako」コラボ #3】注目の眼内コンタクトレンズ、ICLについて知りたい《眼科》

人気雑誌『Hanako』とコラボレーション。副編集長の佐藤あやが、体に関するさまざまな情報を専門医に聞く対談連載の第3弾は、眼科医の北澤世志博さんを訪ねることに。テーマは「ICL(眼内コンタクトレンズ)」。佐藤自身も手術を考えているという視力矯正治療です。

※2022年4月27日発売の「Hanako」に掲載された記事をMedical DOC用に再編集しています。

北澤世志博先生

監修医師
北澤 世志博(サピアタワーアイクリニック東京 執刀責任者)

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日本眼科学会認定専門医、日本眼科手術学会理事、ICL研究会世話人で、同クリニックの執刀責任者。ICL治療には2007年から取り組み、国内の5万人の患者のうち5千人を受け持ってきた。

CLINIC DATA
日本初のICL専門クリニック。白内障や遠近両用眼内コンタクトレンズの手術も。東京駅に近くアクセスがいい。
東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー7F 0120-971-162 9:00〜12:30、14:00〜19:00(日~18:00、受付時間は診療終了30分前)※完全予約制 木休

佐藤あやさん

佐藤あや(「Medical DOC」副編集長)

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モデル、ハナコラボ パートナー。最新医療に関心が高く、2021年8月から「Medical DOC」副編集長に。YouTubeチャンネル『教えてドクター・Medical DOC』などで活動。一児の母としての目線も。

目にレンズを埋め込む!? 気になる視力矯正術

目にレンズを埋め込む!? 気になる視力矯正術

編集部佐藤あや

レーシックが流行った時から矯正手術に興味があったのですが、目の手術となると怖くて。ICLとレーシックはどう違うのでしょうか?

北澤世志博先生北澤先生

角膜を削るか削らないかという大きな違いがあります。レーシックは角膜を削ってレーザーを照射し、視力を調整する方法。対してICLは、目の中にレンズを挿入する術式です。レーシックでは術後に視力が戻ってしまうこともありますが、ICLの場合はコンタクトレンズを入れているのと同じく、見え方が変わることはありません。

編集部佐藤あや

レーシック手術はいろいろな事件も聞いたことがあったので、なかなか踏み切れませんでした。ICLは全く違う治療なんですね。

北澤世志博先生北澤先生

ドライアイなどの合併症を引き起こすといった問題があることで、レーシックについては厚労省も注意喚起しています。術後わずかの時間、ハローやグレアによって視界がキラキラしたり、光の輪が見えたりとICLにリスクが全くないわけではありませんが、格段に安全だと思いますよ。

編集部佐藤あや

具体的にどんな手術を行うのでしょうか?

北澤世志博先生北澤先生

眼内コンタクトレンズを入れる箇所は、虹彩と水晶体の間の「後房」(こうぼう)という場所です。所要時間は執刀医にもよりますが、私の場合は両目で10分ほど。点眼麻酔だけなので、会話しているうちに終わります。

編集部佐藤あや

目の中にレンズを入れるって不思議な感覚。つまり、つけっぱなしということですよね。どんなお手入れが必要ですか?

北澤世志博先生北澤先生

ICLのいいところは、メンテナンスフリーということ。術後しばらくは感染症予防のためのケアが必要ですが、それを乗り越えれば安定した視力で生活が送れます。もしも何か問題がある場合、レンズを取り除いて元通りにできるのも、ICLの大きなメリットです。

ICLの大きなメリット

編集部佐藤あや

目を擦ったり顔を洗ったりと、少し衝撃が加わっても大丈夫ですか?

北澤世志博先生北澤先生

「目をぶつけてもレンズが割れることはないか?」と聞かれることがありますが、眼内コンタクトレンズはソフトコンタクトレンズのように柔らかく、割れることはありません。大事故に遭って、目だけでなく頭蓋骨などにも損傷がある場合には別ですが、それは視力以前の問題ですから。

編集部佐藤あや

私は今はコンタクトレンズをつけていますが、プールや温泉に入る時は大変。子どもがメガネに興味津々で取られてしまうので、メガネもストレスがあって……。検診に行ったりレンズのお手入れをしたりと、コンタクトレンズって意外と不便。ICLはそのモヤモヤもなさそうです。

北澤世志博先生北澤先生

「起きてすぐ、飼っている猫の顔が見られて感動した!」という声もありました。プロのスポーツ選手にも好評です。つけっぱなしなので、災害時に困ることもありません。

編集部佐藤あや

聞けば聞くほど良いことずくめ! 今まで知らなかったのが不思議なくらいです。

ICLは良いことずくめ

北澤世志博先生北澤先生

ICLは新しいように思われますが、実はレーシックより歴史が長いもの。それなのにどうして広まらなかったかというと、医師のライセンスが必要だからです。いまICL治療をできる医師は、全国でようやく250人ほどに増えました。ちなみに、国内の眼科医は8000人〜10000人ほどいます。

編集部佐藤あや

なるほど。そもそも治療を受けられるクリニックが少ない、ということですね。

北澤世志博先生北澤先生

レーシックは角膜を削る以外の作業はレーザーにお任せ。一方でICL治療はすべて人の手で行います。白内障の手術に近い、難易度の高い技術が必要なのです。私を含め“エキスパートインストラクター”に認められた医師だけが行えるんですよ。

編集部佐藤あや

それは安心。どんな先生がいるかは、クリニックを選ぶ基準になりそうですね。

北澤世志博先生北澤先生

保険外診療なので費用もさまざま。当院の場合は、レンズの度数に関係なく乱視なし68万円、乱視あり78万円と一律です。術後3年間の検診やレンズの交換も保証しています。

編集部佐藤あや

高額なICL治療の中でも良心的ですね。まずは初診の予約をさせてください!

目の中にレンズを埋め込むICL治療は、長期間良好な状態を維持できる。手術の2日後には仕事復帰できるほど、すぐに視力が安定するという。このクリニックでは、感染症リスクを最低限に抑えるため心臓の外科手術にも使われるクリーンルームを採用。手術中は外から見学もできる。

Photo : Miyu Yasuda
hair & make : Yasuna Nagayama
text : Kahoko Nishimura

この記事の監修医師