EUで禁止? 日本では認可の“あの成分”とは? 体への「効果」と影響【管理栄養士監修】

食品添加物の規制は国によって大きく異なり、日本で使用が認められている添加物がEUやアメリカでは規制されているケースもあります。国際的な規制の動向と日本の現状を照らし合わせることで、消費者として食品を選ぶ際のより幅広い視点が得られます。規制の背景にある考え方の違いや今後の課題についてもご説明します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
海外と日本の添加物規制の違い
食品添加物の規制は国によって大きく異なります。日本で使用が認められている添加物が、海外では禁止されているケースもあれば、その逆もあります。国際的な視点から日本の規制を見ることで、より客観的な判断ができるようになります。
欧米で禁止・制限されている添加物
欧州連合(EU)では、タール系合成着色料の使用に厳しい規制があり、使用する場合には「子どもの活動や注意力に悪影響を及ぼす可能性がある」という警告表示が義務付けられています。また、臭素酸カリウムという小麦粉改良剤は、発がん性の懸念から多くの国で使用が禁止されていますが、日本では一部使用が認められています。
アメリカでは、トランス脂肪酸を含む部分水素添加油脂の使用が段階的に禁止されました。また、亜硫酸塩という保存料・漂白剤についても、使用制限と表示義務が厳格化されています。カナダやオーストラリアでも、特定の着色料や保存料に関して日本より厳しい規制が敷かれています。これらの国際的な動向は、日本の規制を見直す際の重要な参考となっています。
日本独自の基準と今後の課題
日本では食品安全委員会が科学的評価を行い、その結果を踏まえて厚生労働省が使用基準や規格を定めています。
1日摂取許容量(ADI:人間が一生毎日摂取し続けても、健康に悪影響がないと判断される量)を設定し、通常の食生活でこの量を超えないように使用基準が定められています。定期的に見直しも行われており、新たな科学的知見により使用が制限されたり禁止されたりする添加物もあります。
しかし、日本の規制は海外に比べて異なる考え方をとる部分があるとの指摘もあります。特に複数の添加物を同時に摂取した場合の相互作用や、長期的な低用量曝露の影響については、まだ十分な研究がなされていないのが現状です。食品安全委員会も、腸内マイクロバイオームとの関係については今後の研究が必要な領域としています。消費者としては、国の基準を信頼しつつも、自分自身でも情報を集め、判断する姿勢が大切といえるでしょう。
まとめ
食品添加物と賢くつき合うためには、その実態を知り、表示を読み解き、日常的に添加物の少ない食品を選ぶ習慣が大切です。特に人工甘味料や一部乳化剤と腸内細菌叢との関係は研究が進んでいますが、現時点ではヒトでの影響はなお検討途上です。完璧を目指す必要はありませんが、できることから少しずつ実践していくことで、確実に健康状態は改善していきます。原材料表示を確認する、生鮮食品を中心に献立を考える、発酵食品や食物繊維を積極的に摂るといった小さな行動の積み重ねが、長期的には大きな違いを生み出します。もし食生活の改善に不安がある場合や、既に消化器症状などでお困りの場合は、消化器内科や栄養相談の専門家に相談されることをおすすめします。