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むせているときに背中をたたくのはNG―対処法と医療機関を受診すべきサイン

 公開日:2026/04/16
むせているときに背中をたたくのはNG―対処法と医療機関を受診すべきサイン

むせた際の対応を誤ると、誤嚥性肺炎や窒息のリスクが高まります。正しい対処法を知ることで安全性を確保できます。本章では、むせたときの基本的な対応から受診すべきサインまでを整理し、いざというときに落ち着いて行動できる知識を解説します。

松本 学

監修医師
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)

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兵庫医科大学医学部卒業 。専門は呼吸器外科・内科・呼吸器リハビリテーション科。現在は「きだ呼吸器・リハビリクリニック」院長。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。

むせた時の対処法と受診のタイミング―緊急時の対応を知る

食事中にむせた際の適切な対処法を知っておくことで、誤嚥性肺炎の発症を防ぐことができます。また、医療機関を受診すべきタイミングも理解しておきましょう。

むせた時の基本的な対応

食事中にむせた場合、まずは落ち着いてせきをするよう促します。せきは異物を排出する自然な反応ですので、無理に止めようとせず、しっかりとせき込めるようにします。むせている(せきができている)間は、無理に背中を叩かず、本人がしっかりとせき込んで異物を出し切れるよう見守り、声をかけます。ただし、声が出ない、顔色が青紫になるなど窒息のサインが見られる場合は、直ちに救急車を呼び、背中の肩甲骨の間を手のひらの付け根で力強く何度も叩く「背部叩打法」を行って異物を吐き出させる必要があります。

むせが治まった後は、水を飲ませる前に、口の中に食べ物が残っていないかを確認します。残っている場合は取り除き、口をすすぐようにします。すぐに水を飲むと、再びむせることがあるため、呼吸が落ち着いてから少量ずつ飲むようにします。

声がかすれていたり、喉に違和感が残っていたりする場合は、無理に食事を続けず、様子を見ます。呼吸が苦しそうな場合や、顔色が悪い場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。窒息の可能性がある場合は、救急車を呼ぶことも検討します。

医療機関を受診すべきサイン

むせの頻度が明らかに増えた、以前は問題なく食べられていたものでむせるようになった、という変化がある場合は、早めに受診を検討しましょう。むせた後に発熱やせき、痰が増えるといった症状が現れた場合は、誤嚥性肺炎を発症している可能性があるため、速やかに受診が必要です。

食欲が低下し、体重が減少している場合も受診のサインです。嚥下の不安から食事量が減り、栄養状態が悪化していることが考えられます。声のかすれが続く、飲み込んだ後も喉に違和感が残る、といった症状も、嚥下機能の低下を示唆します。

夜間や早朝のせきが増えた、原因不明の微熱が続く、といった症状がある場合は、隠れ誤嚥の可能性があります。これらの症状は見過ごされがちですが、放置すると肺炎を繰り返すリスクが高まるため、注意が必要です。

受診する診療科は、内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科などが適切です。かかりつけ医がいる場合は、まず相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらうとよいでしょう。嚥下機能の詳しい評価が必要な場合は、リハビリテーション科や歯科口腔外科を受診することもあります。

まとめ

誤嚥性肺炎は、早期発見と適切な対処により予防できる疾患です。日常生活での小さな変化に気づき、専門家のサポートを受けながら嚥下機能を維持していくことが、健やかな生活を送るための鍵となります。食事は生活の楽しみの一つでもありますので、安全においしく食べられる工夫を続けていきましょう。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な評価と指導を受けることをおすすめします。

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