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「重症な喘息」の発作を減らす?「生物学的製剤」や「気管支熱形成術」などの治療法【医師解説】

 公開日:2026/04/03

従来の治療ではコントロールが難しい重症喘息に対し、近年では新たな治療の選択肢が広がっています。生物学的製剤や気管支熱形成術など、喘息の発症メカニズムに基づいたアプローチが注目を集めています。呼吸リハビリテーションといった補助療法も含め、それぞれの特徴と対象となる方について本章で詳しくご説明します。

松本 学

監修医師
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)

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兵庫医科大学医学部卒業 。専門は呼吸器外科・内科・呼吸器リハビリテーション科。現在は「きだ呼吸器・リハビリクリニック」院長。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。

新しい治療法と選択肢

従来の治療でコントロールが難しい重症喘息に対しては、近年、新たな治療選択肢が登場しています。これらの治療法は、喘息の発症メカニズムに基づいて開発されたもので、従来の治療とは異なるアプローチで症状の改善を図ります。

生物学的製剤による治療

生物学的製剤は、喘息の炎症を引き起こす特定の物質を標的として作用する注射薬です。アレルギー反応に関わる免疫グロブリンE(IgE)に対する抗体薬や、好酸球性炎症に関わるインターロイキン5(IL-5)などのサイトカインを標的とした薬剤があります。これらは重症喘息患者さんのうち、特定の条件を満たす方に使用され、喘息発作の頻度を大幅に減らし、経口ステロイド薬の減量を可能にすることが報告されています。

生物学的製剤は通常2週間から4週間に1回、医療機関で皮下注射または点滴で投与されます。効果が現れるまでに数週間から数ヶ月かかることがあり、定期的な評価が必要です。費用は高額ですが、条件を満たせば医療保険が適用されます。また、高額療養費制度を利用することで、自己負担額を抑えることも可能です。

気管支熱形成術と補助療法

気管支熱形成術は、重症喘息の方を対象とした比較的新しい治療法です。気管支鏡を使って気道の内側を温めることで、気道の壁にある平滑筋を減少させ、気道の収縮を抑える効果が期待できます。薬物療法で十分な効果が得られない方に検討される選択肢の一つですが、実施できる施設は限られています。

また、補助療法として呼吸リハビリテーションや呼吸法の訓練も有効です。腹式呼吸や口すぼめ呼吸などの技法を習得することで、呼吸の効率を高め、息切れの軽減につながります。適度な運動は心肺機能を向上させ、喘息症状の改善に寄与することが知られていますが、運動の種類や強度は医師と相談しながら決定することが推奨されます。

まとめ

喘息は慢性的な疾患ですが、適切な治療と日常的な予防対策により、症状を良好にコントロールすることは十分に可能です。初期症状を見逃さず早期に受診すること、自分の喘息のタイプや誘発因子を理解すること、医師の指導のもとで継続的に治療を受けることが、生活の質を保つうえで不可欠です。症状が気になる場合や現在の治療でコントロールが不十分と感じる場合は、呼吸器内科やアレルギー疾患内科の専門医に相談されることをおすすめします。適切な知識と行動により、喘息と上手に付き合いながら充実した日常生活を送ることができるでしょう。

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