『睡眠時無呼吸症候群』の治し方! マウスピースや手術の治療法【医師監修】

睡眠時無呼吸症候群には、CPAP療法以外にも、口腔内装置や外科的手術による治療の選択肢があります。軽症から中等症の方や、CPAP療法が合わない方には口腔内装置が適応されることがあります。また、気道の狭窄が構造的な問題による場合は、外科的手術が検討されることもあります。治療効果を高め、長期的に症状をコントロールするためには、定期的な受診と家族のサポートが重要です。本記事では、口腔内装置と外科的手術の詳細、そして治療を継続するためのポイントについて解説します。

監修医師:
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)
目次 -INDEX-
マウスピースや手術による睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方
CPAP療法以外にも、口腔内装置や外科的手術による治療の選択肢があります。
口腔内装置(マウスピース)による治療
口腔内装置は、就寝時に口の中に装着する装置で、下顎を前方に固定することで舌の付け根が後方に落ち込むのを防ぎ、気道を確保します。軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんや、CPAP療法が合わない方に適応されます。口腔内装置は歯科医院で作製され、個人の歯型に合わせたオーダーメイドのものが使用されます。装置を使用することで、いびきの軽減や無呼吸の回数の減少が期待できます。CPAP療法と比較すると携帯性に優れ、旅行時などにも持ち運びやすい利点があります。ただし、効果はCPAP療法より劣る場合があり、重症の患者さんには十分な効果が得られないことがあります。また、装置を使用することで、顎の関節に違和感を感じたり、歯や歯茎に負担がかかったりすることがあるため、定期的な歯科での調整が必要です。保険適用となるためには、医師の診断と紹介状が必要で、歯科医師と連携しての治療となります。
外科的手術による治療の選択肢
気道の狭窄が扁桃肥大、アデノイド肥大、鼻中隔彎曲症(鼻の中の仕切りが曲がっている状態)などの構造的な問題による場合、外科的手術が選択肢となることがあります。扁桃摘出術やアデノイド切除術は、特に小児の睡眠時無呼吸症候群に対して高い効果が期待できます。成人でも扁桃が大きく気道を塞いでいる場合は、手術により症状の改善が見込めます。また、成人への口蓋垂や軟口蓋の手術は、痛みを伴うことや再発のリスクがあるため、現在では医師が適応を非常に慎重に判断した場合にのみ行われます。顎の骨格に問題がある場合は、上顎や下顎を前方に移動させる顎矯正手術が検討されることもありますが、これは侵襲度が高く、適応は限られます。手術による治療は、患者さんの状態や気道の解剖学的な特徴を詳しく評価したうえで、効果が期待できる場合に選択されます。手術後も経過観察が必要で、場合によっては他の治療法との併用が必要になることもあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療を成功させるために
睡眠時無呼吸症候群の治療効果を高め、長期的に症状をコントロールするためには、継続的な取り組みが重要です。
定期的な受診と治療効果のモニタリング
睡眠時無呼吸症候群の治療を開始したあとは、定期的に医療機関を受診し、治療効果を確認することが大切です。CPAP療法を受けている場合、機器には使用時間や無呼吸の回数、マスクの空気漏れなどのデータが記録されており、医師はこれらのデータをもとに治療がうまくいっているかを評価します。使用時間が短い、無呼吸が十分に改善していない、マスクの空気漏れが多いといった問題があれば、圧力設定の調整やマスクの変更などの対策が行われます。また、体重の変化や日中の症状の変化についても報告することで、治療方針の見直しが必要かどうかを判断できます。定期受診を怠ると、治療効果が十分に得られなかったり、問題に気づくのが遅れたりすることがあるため、指定された通院スケジュールを守ることが推奨されます。
家族や周囲のサポートの重要性
睡眠時無呼吸症候群の治療を継続するうえで、家族や周囲の理解とサポートは大きな力となります。特にCPAP療法を始めたばかりの時期は、マスクの装着に慣れず、継続が難しいと感じることがあります。家族が励ましたり、一緒に治療の効果を確認したりすることで、治療への意欲を維持しやすくなります。また、生活習慣の改善においても、家族全体で健康的な食生活を心がけたり、一緒に運動したりすることで、取り組みやすくなります。パートナーがいる場合、治療前後でいびきや無呼吸がどのように変化したかを観察してもらうことも、治療効果を実感するうえで役立ちます。睡眠時無呼吸症候群は長期的な管理が必要な疾患ですが、適切な治療と生活習慣の改善により、症状をコントロールし、健康的な生活を送ることが可能です。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、いびきや呼吸停止といった夜間のサインと、日中の眠気や疲労感という形で現れます。放置すると高血圧や心疾患などの深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の発見と適切な治療が重要です。治療法はCPAP療法、口腔内装置、外科的手術、生活習慣の改善など、重症度や原因に応じて選択されます。気になる症状がある方は、医療機関への相談をおすすめします。




