”歩くと痛いのに休むと治る”のは「坐骨神経痛」じゃない?他の病との違いも医師が解説!

下肢の痺れや痛みは、坐骨神経痛以外の疾患でも生じることがあります。閉塞性動脈硬化症では歩行時に下肢の痛みが生じて少し歩くと歩けなくなり、休むと再び歩けるようになる間欠性跛行という症状が特徴的です。また、脊髄腫瘍や脊髄炎では両側性の症状や上肢にも症状が及ぶことがあります。正確な診断のために、他の疾患の可能性を示すサインを知っておくことが大切です。

監修医師:
廣田 智也(ファミリークリニック荒川)
坐骨神経痛と鑑別が必要な他の疾患のサイン
下肢の痺れや痛みは、坐骨神経痛以外の疾患でも生じることがあります。正確な診断のために、他の疾患の可能性を示すサインを知っておくことが大切です。
血管性疾患を疑うべき症状
下肢の痺れや痛みが血管の問題によって生じている場合があります。閉塞性動脈硬化症(ASO)では、歩行時に下肢の痛みや痺れが生じ、少し歩くと足が痛くなって歩けなくなり、しゃがんで休むと再び歩けるようになる症状(間欠性跛行:かんけつせいはこう)という症状が特徴的です。坐骨神経痛でも歩行時の症状悪化はありますが、前かがみになったり座ったりすると症状が軽減する点が血管性疾患とは異なります。
深部静脈血栓症(静脈の血栓)では、片側の足全体がむくんで腫れ、赤みや痛みを伴うのが特徴です。一方、動脈が狭くなる疾患(閉塞性動脈硬化症など)では、足の冷えや皮膚の蒼白化が見られ、足の甲の脈が触れにくくなります。いずれの場合も坐骨神経痛とは症状の現れ方が異なるため、血管外科や循環器内科での早急な評価が必要です。
脊髄や馬尾の疾患を示す特徴的なサイン
脊髄腫瘍や脊髄炎などの疾患では、坐骨神経痛と似た症状が出現することがありますが、いくつかの特徴的な違いがあります。両側性の症状、上肢にも症状が及ぶ、体幹部の感覚障害がある、といった所見は脊髄レベルの障害を疑わせます。
馬尾腫瘍や脊髄動静脈奇形では、排尿・排便障害が早期から出現することがあります。夜間痛が非常に強い、体重減少を伴う、安静にしていても症状が改善しない、といった特徴も悪性疾患の可能性を示唆します。発熱や全身倦怠感を伴う場合は、感染性疾患の可能性も考慮する必要があります。これらのサインがある場合は、MRI検査などによる精密な評価が必要となります。
まとめ
坐骨神経痛は、適切な知識と早期の対処により、症状をコントロールできる疾患です。痺れの特徴を理解し、悪化させる行動を避け、警告となるサインを見逃さないことが重要です。症状が気になる場合や、日常生活に支障が出始めた場合は、早めに整形外科を受診し、専門医による診察と適切な検査を受けることをおすすめします。一人ひとりの症状や生活状況に合わせた治療計画を立てることで、生活の質を保ちながら症状と付き合っていくことができます。