片耳が突然聞こえない…突発性難聴のサインかも?聴力を守るための「48時間ルール」

突発性難聴の初期症状に気づいたとき、迅速かつ適切な対応が求められます。まずは落ち着いて症状を確認し、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診することが大切です。受診時には詳しい問診や聴力検査が行われ、症状の経過や検査結果から総合的に診断されます。治療はステロイド薬を中心とした薬物療法が基本となり、症状に応じて複数の治療法が組み合わされます。ここでは受診から診断、治療までの流れを具体的に解説します。

監修医師:
吉田 沙絵子(医師)
初期症状に気づいたときの行動指針
突発性難聴の初期症状に気づいたとき、どのように行動すべきかを具体的に解説します。迅速かつ適切な対応が、その後の経過を大きく左右します。
まず何をすべきか──受診までの流れ
突然の難聴や耳鳴り、耳閉感などの症状に気づいたら、まずは落ち着いて症状を確認しましょう。片耳だけに症状があるか、両耳に症状があるか、めまいや吐き気を伴うかなど、自分の状態を把握することが重要です。
次に、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診します。平日日中であれば、すぐに予約を入れるか、直接来院して事情を説明しましょう。多くの医療機関では、突発性難聴を疑う場合は優先的に診察してくれます。電話で症状を伝える際は、「突然片耳が聞こえなくなった」ことを明確に伝えることが大切です。
病院で行われる検査と診断
耳鼻咽喉科を受診すると、まず詳しい問診が行われます。いつから症状が始まったか、どのような症状があるか、めまいや耳鳴りの有無、既往歴や服用中の薬などについて聞かれます。これらの情報は診断の重要な手がかりとなります。
続いて、外耳道や鼓膜の状態を確認し、耳垢の詰まりや中耳の病気など、ほかの原因による難聴の可能性がないかを調べます。こうした異常が認められない場合には、内耳の障害による難聴が疑われます。
聴力検査(純音聴力検査)は、突発性難聴の診断に欠かせない検査です。防音室でヘッドホンをつけ、さまざまな音の高さと大きさの音を聞き、聞こえるかどうかを答えます。この検査によって、どの周波数帯域にどの程度の聴力低下があるかが明らかになります。
必要に応じて、めまいの症状を評価する平衡機能検査や、聴神経腫瘍など他の疾患を除外する目的でMRI検査が行われることもあります。これらの検査結果や症状の経過を総合的に判断し、突発性難聴かどうかが診断されます。
治療の選択肢と期待できる効果
突発性難聴の治療は、ステロイド薬を中心とした薬物療法が基本となります。ステロイドには強力な抗炎症作用があり、内耳の炎症を抑え、細胞の障害を最小限に食い止める効果が期待されます。通常、点滴または内服で投与され、数日から2週間程度継続されます。
ステロイド治療に加えて、血流改善薬やビタミン剤が併用されることもあります。これらは内耳への血流を改善し、細胞の代謝を助ける目的で使用されます。めまいが強い場合は、制吐薬やめまい止めも処方されます。
重症例や通常治療で効果が不十分な場合は、高気圧酸素療法や鼓室内ステロイド注入が検討されます。高気圧酸素療法は、専用の装置の中で高濃度の酸素を吸入することで、内耳への酸素供給を増やす治療法です。鼓室内注入は、鼓膜を通して中耳に直接ステロイドを注入する方法です。
まとめ
突発性難聴は、誰にでも起こり得る内耳の病気であり、その初期症状を見逃さないことが重要です。片耳の突然の難聴、耳鳴り、耳閉感といった症状に気づいたら、48時間以内の受診を目指しましょう。早期に治療を開始するほど、聴力が回復する可能性は高まります。受診が遅れても諦めず、2週間以内であれば治療効果が期待できることを覚えておいてください。症状に気づいたらすぐに行動し、専門医の診察を受けることが、大切な聴力を守る第一歩となります。