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「一過性脳虚血発作」を放置してはいけない理由とは? 3つの危険な前兆と受診の目安を医師が解説

 公開日:2026/03/23

TIAの症状は突然現れ、数分から数十分で消失する特徴があります。脳のどの部位で血流障害が起きたかによって、現れる症状は異なります。身体の片側に起こる運動麻痺や感覚異常、言葉に関する障害、視覚の異常など、日常生活の中で気づく症状を見逃さないことが重要です。ここでは、TIAの代表的な予兆症状について具体的に解説していきます。

田頭 秀悟

監修医師
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)

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鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。

一過性脳虚血発作(TIA)の代表的な予兆症状

TIAの予兆症状は突然現れ、数分から数十分で消失するのが特徴です。脳のどの部位の血流が途絶えたかによって、症状の現れ方は異なります。

片側の運動麻痺や感覚障害

TIAでもっとも頻度が高い症状は、身体の片側に起こる運動麻痺や感覚の異常です。例えば、右手や右足に力が入らなくなる、左半身がしびれる、顔の片側が下がるといった症状が突然現れます。箸を持とうとしたときに手から滑り落ちる、歩いていて片足が引きずられる感覚がある、顔の左右でゆがみを感じるなど、日常動作の中で気づくことが少なくありません。これらの症状は脳の運動野や感覚野への血流障害によって引き起こされます。症状が軽度であっても、片側性の異常は脳血管の問題を疑う重要なサインです。数分で治まったとしても、繰り返し起こる場合や初めて経験する場合は、速やかに医療機関を受診してください。

言語障害や構音障害

言葉に関する症状もTIAの代表的な予兆です。言いたいことが言葉にならない、相手の話している内容が理解できない、ろれつが回らず発音が不明瞭になるといった症状が突然出現します。脳の言語中枢(多くの場合は左半球)への血流が途絶えると、言語機能に支障をきたします。会話の途中で急に言葉が出なくなったり、簡単な指示が理解できなくなったりする場合は、TIAを疑う必要があります。また、文字を読めなくなる、書けなくなるといった症状が現れることもあります。これらの症状は仕事中や会話中に突然起こるため、周囲の人が異変に気づくケースも多いです。言語症状が一時的であっても、繰り返す場合や初発の場合は緊急性が高いと考えるべきでしょう。

視覚障害や複視

視覚に関する症状も見逃せません。片目が突然見えなくなる(一過性黒内障)、視野の片側が欠ける、物が二重に見える(複視)といった症状が現れます。網膜への血流を担う眼動脈や、視覚情報を処理する後頭葉への血流障害が原因です。特に片目の視力が急に低下する一過性黒内障は、頸動脈からの塞栓によって起こることが多く、TIAの典型的な症状といわれています。カーテンが下りるように視野が暗くなる、片側の視野が欠ける(半盲)、焦点が合わずぼやける、目の前がちらつくといった訴えもみられます。これらの症状は数分から数十分で回復することが多いものの、繰り返し起こる場合は血管に問題がある可能性が高く、精密検査が必要です。

まとめ

一過性脳虚血発作(TIA)は、脳梗塞への重要な警告サインです。症状が一時的であっても決して軽視せず、速やかに医療機関を受診することが、その後の重篤な脳卒中を防ぐ鍵となります。本記事で紹介した予兆症状のチェック、危険因子の管理、緊急時の対応方法を日常生活に取り入れ、ご自身やご家族の健康を守るための知識としてお役立てください。気になる症状や不安がある場合は、迷わず脳神経内科や脳神経外科の専門医にご相談ください。

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