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上の血圧が100未満は「低血圧」?数値よりも大切な症状の有無と診断基準

 公開日:2026/03/17
上の血圧が100未満は「低血圧」?数値よりも大切な症状の有無と診断基準

低血圧は数値だけで判断されるものではなく、症状の有無や個人の状態を総合的に評価することが重要です。世界保健機関が示す基準値を参考にしながらも、日本では明確な診断基準が確立されていないため、医療機関では患者さん一人ひとりの症状や生活への影響を重視した診断が行われます。ここでは、低血圧の医学的な基準と、年齢や性別による違いについて詳しく解説します。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

低血圧の基準と診断の考え方

低血圧の診断基準について理解することは、自分の状態を客観的に把握する第一歩です。一般的に用いられる数値と、その背景にある医学的な考え方について見ていきましょう。

医学的に定められた数値基準

低血圧の診断には、世界保健機関(WHO)が示した基準が広く参考にされています。この基準では、収縮期血圧(上の血圧)が100mmHg未満、拡張期血圧(下の血圧)が60mmHg未満の場合を低血圧と定義しています。ただし、この数値はあくまで目安であり、実際の診断では個人の状態や症状の有無が重視されます。
日本では一般的に収縮期血圧が100mmHg未満を低血圧の目安とすることが多いですが、明確な診断基準値は確立されていません。数値そのものよりも、めまいや倦怠感などの『症状の有無』が重視されます。重要なのは、単に数値が低いというだけでなく、めまいや倦怠感といった症状を伴っているかどうかです。症状のない低血圧は「本態性低血圧」と呼ばれ、必ずしも治療の対象とはなりません。一方、症状を伴う場合は日常生活に支障をきたすため、適切な対処が求められます。

年齢や性別による基準の違い

低血圧の基準値は、年齢や性別によって解釈が変わる側面があります。若年層、特に10代から30代の女性は、体質的に血圧が低めの方が多く見られます。これは女性ホルモンの影響や体格、筋肉量などが関係していると考えられています。
高齢になると、一般的には血圧が上昇する傾向にありますが、中には加齢によって血圧が低下する方もいらっしゃいます。高齢者の場合、血圧が低すぎると転倒のリスクが高まることがあり、注意が必要です。立ち上がった際の血圧の変動が大きくなることもあり、起立性低血圧という状態につながることもあります。
また、普段は正常な血圧の方でも、妊娠中は血圧が低下しやすくなります。これは胎児への血流を確保するために血管が拡張し、全身の血液循環が変化するためです。妊娠初期から中期にかけては特に低血圧の症状が現れやすく、適切な休息と水分摂取が大切になります。

まとめ

低血圧は単なる体質と考えられがちですが、日常生活の質に大きく影響を与える問題です。基準値や症状、原因を正しく理解し、食事や運動、生活習慣の見直しを通じて改善を図ることができます。塩分や水分の適切な摂取、規則正しい生活リズム、適度な運動などは、すぐに始められる有効な対策です。症状が強い場合や改善が見られない場合は、背景に他の疾患が隠れている可能性もあるため、医療機関での相談をためらわないことが大切です。適切な知識と対処法を持つことで、低血圧による不快な症状を軽減し、より快適な毎日を送ることができるでしょう。

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