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『春バテ』の正体をご存じですか? 中心的・具体的な症状や原因を医師が解説

 公開日:2026/03/19
『春バテ』の正体

前兆段階を過ぎて春バテが進行すると、より明確で日常生活に影響を及ぼす症状が現れるようになります。これらの症状は個人差があるものの、複数の症状が同時に出現することも珍しくありません。自律神経の乱れを中心として、動悸や息切れ、胃腸の不調、体温調節の異常など、さまざまな形で身体に変化が生じます。ここでは春バテの代表的な症状について、自律神経との関連や生活への影響という観点から詳しく見ていきましょう。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

春バテの具体的な症状

春バテが進行すると、前兆から具体的な症状へと移行します。これらの症状は個人差がありますが、複数の症状が同時に現れることも珍しくありません。

自律神経の乱れによる症状

自律神経の乱れは春バテの中心的な症状です。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって身体の機能を調整していますが、春の気候変動や環境の変化によってこのバランスが崩れやすくなります。

動悸や息切れといった症状が現れることがあります。階段を上る程度の軽い運動でも息が切れたり、安静時にも心臓の鼓動を強く感じたりします。これは交感神経が過剰に働いている状態を示しており、身体が常に緊張状態にあることを意味します。

血圧の変動も見られます。起立性低血圧といって、急に立ち上がったときにめまいや立ちくらみを起こすことがあります。また、血圧が不安定になることで、頭痛や耳鳴りといった症状が出る方もいらっしゃいます。

胃腸の不調も自律神経の乱れによって引き起こされます。消化機能が低下し、胃もたれや便秘、下痢といった症状が交互に現れることがあります。特に食後の不快感や腹部膨満感を訴える方が多く、食事が苦痛になることもあります。

体温調節がうまくいかず、発汗異常が生じることもあります。暑くないのに汗をかいたり、逆に暑い環境でも汗が出にくかったりするといった症状です。これにより、体温が適切に保てず、疲労感が増すことにつながります。

生活に支障をきたす症状

春バテが進行すると、日常生活に明確な支障が出るようになります。慢性的な疲労感は最も代表的な症状で、休息をとっても疲れが抜けず、活動意欲が著しく低下します。朝起きることが困難になり、遅刻や欠勤が増えるといった社会生活への影響も見られます。

睡眠障害はさらに深刻化し、不眠症の状態に陥ることもあります。入眠まで1時間以上かかる、夜間に3回以上目が覚める、総睡眠時間が6時間未満になるといった状態が続くと、心身の回復が著しく妨げられます。

頭痛は頻度と強度が増し、鎮痛薬を服用しても十分な効果が得られなくなることがあります。緊張型頭痛や片頭痛といった形で現れ、光や音に対する敏感さも伴うことがあります。

めまいやふらつきも生活の質を大きく低下させます。回転性めまいや浮動性めまいなど、種類はさまざまですが、いずれも転倒のリスクを高め、外出や活動を控えるようになる要因となります。

肩こりや腰痛といった筋骨格系の症状も悪化します。筋肉の緊張が持続することで、痛みが慢性化し、日常動作に制限が生じることもあります。これらの症状は生活の質を著しく低下させるため、早期の対処が重要です。

まとめ

春バテは気候の変化や環境の変化によって自律神経が乱れることで起こる、春特有の不調です。前兆を見逃さず、早期に対処することで、症状の悪化を防ぐことができます。放置すると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があるため、症状が2週間以上続く場合や生活に支障が出ている場合は、医療機関への受診を検討することが大切です。生活習慣の改善を基本としながら、必要に応じて専門的な治療を受けることで、春を健やかに過ごすことができるでしょう。

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