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「糖尿病合併症」を予防する2つの指標とは 目標数値と何をするべきか医師に聞く

 公開日:2026/03/23
糖尿病合併症としての三大疾病予防

三大疾病のリスクを軽減するには血糖管理だけでは不十分であり、血圧や脂質、生活習慣全般にわたる包括的な管理が求められます。ここでは具体的な予防策として、血圧と脂質のコントロール、禁煙や体重管理など日常生活で実践できる取り組みについて解説します。

井筒 琢磨

監修医師
井筒 琢磨(医師)

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

糖尿病合併症としての三大疾病予防

三大疾病のリスクを軽減するためには、血糖管理だけでなく、他の危険因子への包括的なアプローチが求められます。

血圧と脂質の管理

糖尿病の方の血圧管理目標は、一般的に家庭血圧が125/75mmHg、診察室血圧が 130/80mmHg未満とされます。高血圧は動脈硬化を進行させるだけでなく、糖尿病性腎症の悪化にも関与します。塩分摂取を1日6g未満に抑え、カリウムを多く含む野菜や果物を適度に摂取することが勧められます。降圧薬が必要な場合は、ACE阻害薬やARBといった腎保護作用を持つ薬剤が選択されることが多いです。
脂質管理では、LDLコレステロールを120mg/dL未満に保つことが目標とされます。食事では飽和脂肪酸の摂取を控え、n-3系脂肪酸を含む魚類を積極的に取り入れると良いでしょう。運動習慣も脂質プロファイルの改善に有効であり、有酸素運動を週に150分以上行うことが推奨されます。

禁煙と適正体重の維持

喫煙は動脈硬化を著しく促進し、糖尿病の方にとって特に有害です。喫煙者は非喫煙者に比べて心血管疾患のリスクが数倍高まるといわれています。禁煙補助薬やニコチン代替療法を利用しながら、医療機関の禁煙外来を受診することも一つの方法です。
肥満、特に内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性を悪化させます。体重を適正範囲に近づけることで、血糖値だけでなく血圧や脂質も改善しやすくなります。極端な減量は必要ありませんが、現体重の5〜10%程度の減量でも代謝指標の改善が期待できます。

まとめ

糖尿病は一度発症すると、完全に治癒することは難しいとされています。しかし、適切な食事管理、定期的な検査、必要に応じたインスリン療法や薬物治療により、血糖値を良好に管理し、合併症の発症や進行を防ぐことは十分に可能です。三大疾病のリスクを低減し、低血糖症状への対処法を身につけることで、安全で質の高い日常生活を送ることができます。自己判断で治療を中断せず、定期的に医療機関を受診し、専門家の助言を受けながら管理を続けていくことが大切です。

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