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「糖尿病」は“万病”のもと? 糖尿病と三大疾病の関係と対策とは【医師監修】

 公開日:2026/03/22
三大疾病と糖尿病の関連性

糖尿病は、がん・心疾患・脳血管疾患といった三大疾病のリスクを高めることが知られています。高血糖状態が続くことで血管や臓器に負担がかかり、これらの重篤な疾患の発症につながる可能性があります。生命予後に大きく影響するこれらの疾患を予防するためには、血糖管理とともに、包括的なリスク管理が重要です。

井筒 琢磨

監修医師
井筒 琢磨(医師)

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

三大疾病と糖尿病の関連性

糖尿病は、がん・心疾患・脳血管疾患といった「三大疾病」のリスクを高めることが知られています。これらの疾患は生命予後に大きく影響するため、予防と早期発見が重要です。

糖尿病とがんの関係

疫学研究により、糖尿病の方は糖尿病でない方と比較して、いくつかのがんの発症リスクが高いことが報告されています。特に肝臓がん、膵臓がん、大腸がん、子宮内膜がん、膀胱がんなどで関連が指摘されています。
高血糖やインスリン抵抗性に伴う高インスリン血症、慢性的な炎症、肥満などが、がんの発生や進展に関わると考えられています。インスリンには細胞増殖を促進する作用があり、過剰な状態が続くとがん細胞の成長を助ける可能性があります。適切な血糖管理と体重管理は、がんリスクの低減にもつながると期待されます。

動脈硬化性疾患のリスク増大

心疾患と脳血管疾患の背景には、動脈硬化の進行があります。糖尿病は動脈硬化を促進する代表的な危険因子の一つです。高血糖状態が続くと血管内皮が傷つき、脂質やコレステロールが沈着しやすくなります。さらに、糖尿病の方は高血圧や脂質異常症を合併しやすく、これらが相乗的に作用して動脈硬化を加速させます。
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害は、いずれも糖尿病の方において発症率が高いとされています。症状が現れた時点で既に進行している場合も多いため、症状やリスクに応じて、心電図や画像検査が行われることがあります。

まとめ

糖尿病は一度発症すると、完全に治癒することは難しいとされています。しかし、適切な食事管理、定期的な検査、必要に応じたインスリン療法や薬物治療により、血糖値を良好に管理し、合併症の発症や進行を防ぐことは十分に可能です。三大疾病のリスクを低減し、低血糖症状への対処法を身につけることで、安全で質の高い日常生活を送ることができます。自己判断で治療を中断せず、定期的に医療機関を受診し、専門家の助言を受けながら管理を続けていくことが大切です。

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