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『急性骨髄性白血病』の生活の質を保つ支持療法と副作用対策【医師監修】

 公開日:2026/03/17
支持療法と生活の質の維持

急性骨髄性白血病の治療中は、副作用の管理や合併症の予防のための支持療法が重要となります。感染症対策、輸血療法、吐き気や口内炎への対処、精神的なサポートなど、患者さんの生活の質を維持するための様々なケアが行われます。ここでは、治療を支える様々なサポートについて解説します。

山本 佳奈

監修医師
山本 佳奈(ナビタスクリニック)

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滋賀医科大学医学部 卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科

支持療法と生活の質の維持

急性骨髄性白血病の治療中は、副作用の管理や合併症の予防のための支持療法が重要となります。このセクションでは、治療を支える様々なケアについて解説します。

感染症対策と輸血療法

化学療法によって白血球が減少すると、感染症のリスクが著しく高まります。予防策として、無菌室や準無菌室での管理、抗生物質や抗真菌薬の予防投与、手洗いや消毒の徹底などが行われます。面会制限や食事制限(生ものや生野菜の制限など)も感染予防の一環として実施されます。
発熱が出た場合は、速やかに抗生物質による治療が開始されます。好中球(白血球の一種)が著しく減少している状態での発熱は、発熱性好中球減少症と呼ばれ、緊急的な対応が必要な状態です。血液培養などの検査を行いながら、広域スペクトラムの抗生物質が投与されます。
貧血や血小板減少に対しては、輸血療法が行われます。ヘモグロビン値が一定レベル以下に低下した場合は赤血球輸血、血小板数が減少して出血リスクが高まった場合は血小板輸血が実施されます。輸血は患者さんの全身状態や症状に応じて判断され、必要なタイミングで適切に行われます。

副作用の管理と緩和ケア

抗がん剤による副作用として、吐き気や嘔吐が生じることがあります。制吐剤(吐き気止め)を適切に使用することで、これらの症状をかなり軽減できます。予防的に制吐剤を投与することも一般的であり、患者さんの苦痛を最小限に抑える工夫がなされています。
口内炎も頻繁に見られる副作用です。口腔内を清潔に保つことが予防の基本となります。こまめな口腔ケア、刺激の少ないうがい薬の使用、口腔内保湿剤の活用などが推奨されます。痛みが強い場合は、鎮痛薬や麻酔作用のある含嗽剤(うがい薬)が処方されます。
脱毛も多くの患者さんが経験する副作用です。治療開始から2〜3週間後に始まることが多く、心理的な負担となることがあります。ウィッグ(かつら)や帽子、スカーフなどを活用することで、外見上の変化に対処できます。治療終了後、数か月かけて徐々に髪は再生していきます。
精神的なサポートも治療の重要な一部です。病気の診断や治療の過程で、不安や抑うつ、恐怖などの感情を抱くことは自然なことです。医療チーム(医師、看護師、心理士、ソーシャルワーカーなど)が連携して、患者さんやご家族の心理的なケアを提供します。必要に応じて、精神科医や臨床心理士による専門的なサポートも受けることができます。

まとめ

急性骨髄性白血病は、病型や年齢、遺伝子異常などにより予後は異なりますが、近年は分子標的薬や移植治療の進歩により、寛解や長期生存が期待できるようになってきています。気になる症状がある場合は、速やかに医療機関を受診し、血液検査を含めた詳しい評価を受けることが大切です。診断後は、専門医と十分に相談しながら、一人ひとりの状態に合った治療を選択していくことが重要です。医療の進歩により新しい治療法も登場しており、希望を持って治療に臨むことができます。まずは信頼できる血液内科を受診し、専門的な評価と治療を受けることをおすすめします。

この記事の監修医師