チョコではない!? 「低血糖症」の対処に適した食べ物をご存じですか?【医師解説】

低血糖症状が現れた際には、速やかに適切な糖分を摂取することが求められます。どのような食品を選び、どのように摂取すればよいのかを知っておくことで、症状の悪化を防ぐことができます。緊急時に備えて、対処に適した食品を常備しておくことが推奨されます。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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低血糖症発症時の対処に適した食べ物
低血糖症状が現れた際には、速やかに糖分を摂取することが必要です。適切な食品を選び、正しい方法で摂取することで、症状の改善が期待できます。
速やかに血糖を上げる食品
低血糖症状が現れた場合、速やかに吸収される糖質を含む食品を摂取することが推奨されます。ブドウ糖が迅速に血糖を上昇させるため、ブドウ糖を含むタブレットや飴が理想的です。
ブドウ糖タブレットは、糖尿病治療中の方が常備しておくべき基本的なアイテムです。一般的には10g程度のブドウ糖(市販のブドウ糖タブレットなら2〜3個、ジュースなら150〜200mlが目安)を摂取し、15分後に症状の改善を確認します。改善が見られない場合には、再度同量を摂取します。ただし、必要な摂取量には個人差があり、体重や血糖値の低下度合いによっても変わってきます。
ブドウ糖が手元にない場合には、砂糖を含む飲料やジュース、蜂蜜なども代用できます。ただし、人工甘味料を使用した飲料は血糖を上げる効果がないため、注意が必要です。また、チョコレートや脂肪を多く含む菓子類は、吸収が遅いため低血糖時の対処には適していません。
ただし、α-グルコシダーゼ阻害薬を服用中の方は、砂糖(ショ糖)の分解が阻害されるため、必ず『ブドウ糖』を摂取してください。砂糖を含む飴やジュースでは効果が遅れ、危険です。
摂取後の経過観察
糖分を摂取した後は、15分程度で症状の改善を待ちます。動悸や震え、冷や汗などの症状が治まり、意識がはっきりしてきたら、通常の食事を摂ることができます。回復の速度には個人差があり、低血糖の程度や身体の状態によっても異なります。
症状が改善しない場合や、意識が朦朧としている場合には、速やかに医療機関を受診するか、救急車を要請する必要があります。意識がない状態で無理に飲み物を飲ませると、誤嚥の危険があるため、絶対に避けるべきです。
低血糖を繰り返す場合には、原因を特定し、治療方針を見直すことが重要です。医師と相談しながら、薬剤の調整や食事内容の改善を図ることが推奨されます。
まとめ
低血糖症は、糖尿病治療中の方だけでなく、さまざまな疾患や生活習慣によって誰にでも起こり得る状態です。なりやすい方の特徴を理解し、原因を把握することで、予防と早期対処が可能になります。症状の兆候を見逃さず、適切な食べ物や治療によって血糖値を安定させることが重要です。低血糖を繰り返す場合や、日常生活に支障をきたす症状がある場合には、専門の医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。