牡蠣などの二枚貝を安全に! 『ノロウイルス』を防ぐ加熱温度と正しい保存方法

二枚貝は栄養価が高くおいしい食材です。リスクを理解したうえで適切な調理法を選ぶことで、安全に楽しむことができます。調理前には流水でよく洗い、殻の表面の汚れを落とすことが大切です。85度以上で1分間以上加熱することでウイルスは不活化されます。また、乳幼児や高齢者、妊娠中の方、免疫力が低下している方は、重症化のリスクが高いため生の二枚貝の摂取は避けることが賢明でしょう。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
二枚貝(カキ)をおいしく楽しむための対策
二枚貝(カキ)は栄養価が高くおいしい食材です。リスクを理解したうえで感染リスクを低減する調理法を選ぶことで、楽しむことができます。
調理前の下処理と保存方法
二枚貝を調理する前には、流水でよく洗い、殻の表面に付着した汚れを落とします。アサリやシジミは砂抜きをする際、清潔な水を使用し、砂抜き後の水は調理に使わないようにしましょう。牡蠣は殻付きの場合、ブラシなどで丁寧に洗い流します。
保存は冷蔵庫で行い、購入後は早めに調理することが大切です。特に生食用の牡蠣は消費期限が短いため、日付を確認し期限内に食べるようにしてください。冷凍保存も可能ですが、解凍後は必ず加熱調理をすることをおすすめします。冷凍によってウイルスが完全に不活化されるわけではないため、加熱調理が安全性を高めます。
調理器具も重要なポイントです。生の二枚貝を扱った包丁やまな板は、他の食材に使う前に洗剤でよく洗い消毒するか、生食用の食材と分けて扱うことで、交差汚染を防ぐことができます。
リスクの高い方への注意喚起
すべての方が同じリスクを持つわけではありません。特に注意が必要なのは、乳幼児、高齢者、妊娠中の方、慢性疾患をお持ちの方など、免疫力が低下している可能性のある方々です。これらの方々は、重症化のリスクが高く、脱水症状も進行しやすいため、生の二枚貝の摂取は避けることが賢明です。
小さなお子さんの場合、消化器官が未発達で少量のウイルスでも発症しやすく、嘔吐や下痢による体力消耗も激しくなります。また、症状を言葉でうまく伝えられないため、重症化に気づくのが遅れる危険性もあります。家族で二枚貝を楽しむ際は、お子さんには十分に加熱したものだけを提供しましょう。
外食の際も、体調が優れない時や免疫力が低下していると感じる時は、生牡蠣やお刺身は控えめにする判断も大切です。美味しい食事を安全に楽しむためには、自分の体調と相談しながら選択することが重要です。
まとめ
ノロウイルス感染症は、突然の嘔吐と下痢を主症状とする感染性胃腸炎で、24時間から48時間の潜伏期間を経て発症します。二枚貝を介した食品感染と、人から人への二次感染という二つの経路で広がりやすく、特に冬季に流行します。初期症状を早期に認識し、適切な水分補給と安静を保つことが回復への第一歩です。
ノロウイルスの予防には、手洗いの徹底、食品の十分な加熱、調理器具の衛生管理が基本となります。生の二枚貝を食べる際はリスクを理解し、体調や免疫状態を考慮した判断が必要です。感染力が強いウイルスですが、正しい知識と予防対策で、ご自身と大切な方々を守ることができます。