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『ノロウイルス』感染者と接触したら? 潜伏期間の注意点と受診の目安【医師解説】

 公開日:2026/02/12
潜伏期間中の注意点と早期対応

潜伏期間中は無症状であっても、すでにウイルスは体内で増殖を始めています。感染者と接触した可能性がある場合は、症状が出ていなくても手洗いをこまめに行い、消化に良い食事を心がけることが重要です。症状が現れ始めたら無理をせず安静にし、少量ずつ頻繁に水分を補給しましょう。市販の下痢止めは自己判断での使用を避け、水分がまったく摂れない場合や意識がもうろうとしている場合は早めに医療機関を受診してください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

潜伏期間中の注意点と早期対応

潜伏期間中は無症状であっても、すでにウイルスは体内で増殖を始めています。この時期の過ごし方と周囲への配慮が、感染拡大の防止に重要な役割を果たします。

感染が疑われる状況での過ごし方

ノロウイルスの感染者と接触した、あるいは生牡蠣などリスクの高い食品を食べたという心当たりがある場合、症状が出ていなくても警戒が必要です。手洗いをこまめに行い、特に食事前やトイレ後は丁寧に洗いましょう。石鹸を使って30秒以上、指先や爪の間、手首まで意識して洗うことが大切です。
この時期は消化に良い食事を心がけ、十分な休養をとって体調を整えておくことも重要です。過度な疲労やストレスは免疫力を低下させ、発症リスクを高める可能性があります。アルコールの摂取は控え、規則正しい生活リズムを保ちましょう。ただし、これらの対策で感染を完全に防げるわけではなく、あくまで発症リスクを下げるための心がけです。
家族や同居者がいる場合は、タオルの共用を避け、食器も個別に使用することが望ましいでしょう。調理をする際は特に注意深く手洗いを行い、生の食材と加熱済みの食材は別々の調理器具を使って扱います。調理器具の衛生管理を徹底することで、家庭内での感染拡大リスクを減らすことができます。

発症初期の適切な対応と受診のタイミング

症状が現れ始めたら、無理をせず安静にすることが第一です。嘔吐や下痢が始まったら、脱水症状を防ぐため少量ずつ頻繁に水分を補給しましょう。経口補水液を常温で飲むのが理想的です。一度に大量に飲むと再び嘔吐を誘発することがあるため、ティースプーン1杯程度から始め、様子を見ながら増やしていきます。
市販の下痢止めは、ウイルスの排出を妨げる可能性があるため、自己判断での使用は避けたほうがよいでしょう。症状は辛いですが、下痢や嘔吐はウイルスを体外に排出する自然な防御反応でもあります。症状を無理に抑えることで、かえって回復が遅れる可能性があります。
医療機関への受診が必要なのは、水分がまったく摂れない、尿が半日以上出ていない、意識がもうろうとしている、高齢者や乳幼児で症状が重いといった場合です。脱水症状が進行すると点滴治療が必要になることもあるため、我慢せず早めに相談してください。

まとめ

ノロウイルス感染症は、突然の嘔吐と下痢を主症状とする感染性胃腸炎で、24時間から48時間の潜伏期間を経て発症します。二枚貝を介した食品感染と、人から人への二次感染という二つの経路で広がりやすく、特に冬季に流行します。初期症状を早期に認識し、適切な水分補給と安静を保つことが回復への第一歩です。
ノロウイルスの予防には、手洗いの徹底、食品の十分な加熱、調理器具の衛生管理が基本となります。生の二枚貝を食べる際はリスクを理解し、体調や免疫状態を考慮した判断が必要です。感染力が強いウイルスですが、正しい知識と予防対策で、ご自身と大切な方々を守ることができます。

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