『肺がん』の検査は何をする? CTや生検など診断の流れを解説【医師監修】

肺がんを正確に診断するためには、複数の検査を組み合わせて行う必要があります。検査の目的と方法を理解することで、安心して検査を受けることができます。画像検査による初期評価から、組織診断と病理検査まで、段階的に精密な検査が進められます。それぞれの検査がどのような役割を果たし、診断にどのように役立つのかを知っておくことが大切です。

監修医師:
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)
目次 -INDEX-
肺がんの診断に必要な検査
肺がんを正確に診断するためには、複数の検査を組み合わせて行う必要があります。検査の目的と方法を理解することで、安心して検査を受けることができます。
画像検査による初期評価
肺がんの診断において、まず行われるのが画像検査です。胸部レントゲン検査は、基本的なスクリーニング方法であり、健康診断でも広く実施されています。肺に異常な陰影が見つかった場合、さらに詳しい検査が必要となります。
CT検査(コンピュータ断層撮影)は、肺の内部を詳細に観察できる検査です。通常のCT検査よりも薄い断面で撮影する「薄層CT」や「高分解能CT」を用いることで、小さな腫瘍や病変の性状を正確に把握することができます。近年では、低線量CTを用いた肺がん検診が普及しており、早期発見の手段として注目されています。
PET-CT検査(陽電子放射断層撮影)は、がん細胞の活動性を評価する検査です。がん細胞は正常細胞よりも多くのブドウ糖を取り込む性質があり、この性質を利用して病変を検出します。特に肺がんの進行度や転移の有無を調べる際に有用とされています。
組織診断と病理検査
画像検査で肺がんが疑われた場合、確定診断のために組織や細胞を採取する検査が行われます。気管支鏡検査は、細い内視鏡を口や鼻から挿入し、気管支の内部を観察しながら、病変部位から組織を採取する方法です。中枢型の肺がんの診断に特に有効とされています。
経皮的肺生検は、CTガイド下で体外から針を刺して肺の組織を採取する方法です。末梢型の肺がんや、気管支鏡では到達しにくい部位の病変に対して行われます。局所麻酔下で実施されることが多く、検査時間は30分から1時間程度です。
採取された組織は病理検査に回され、顕微鏡で細胞の形態を詳しく観察します。これにより、がんの組織型(腺がん、扁平上皮がん、小細胞がんなど)が確定され、治療方針の決定に重要な情報となります。また、遺伝子検査を行うことで、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の適応を判断するためのバイオマーカーを調べることも可能です。病理診断は治療計画の基盤となる重要な検査であり、正確な診断が適切な治療につながります。
まとめ
肺がんは、早期発見と適切な治療により、予後が改善する可能性のある疾患です。症状や前兆を見逃さず、気になる変化があれば速やかに医療機関を受診することが重要です。また、喫煙をはじめとするリスク因子を避け、定期的な健康診断を受けることで、早期発見の機会を増やすことができます。治療法は日々進歩しており、患者さん一人ひとりの状態に合わせた個別化医療が実現しつつあります。専門の医療機関と連携しながら適切な治療を選択し、生活の質を保ちながら病気と向き合うことが大切です。




