『肺がん』の原因となる生活習慣とは? 効果的な予防策としての禁煙と食事改善

肺がんのリスクを減らすためには、生活習慣の見直しが重要です。日常生活での具体的な取り組みが、長期的な健康維持につながります。禁煙と受動喫煙の回避は、肺がん予防において効果的な対策といえます。また、バランスの取れた食事や適度な運動習慣も、がんのリスク低減に役立つとされています。ここでは、実践可能な予防策について詳しく見ていきましょう。

監修医師:
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)
肺がんの原因となる生活習慣と予防策
肺がんのリスクを減らすためには、生活習慣の見直しが重要です。日常生活での具体的な取り組みが、長期的な健康維持につながります。
禁煙と受動喫煙の回避
肺がん予防において効果的な対策として、禁煙が挙げられます。喫煙者が禁煙すると、肺がんのリスクは時間とともに低下していき、10年から15年経過すると非喫煙者に近いレベルまで下がるとされています。禁煙の開始が早ければ早いほど、その効果は大きくなります。
禁煙は意志の力だけでは難しい場合も少なくないため、禁煙外来の利用が推奨されます。医療機関では、ニコチン依存症の評価を行い、ニコチン置換療法や内服薬を用いた治療を受けることができます。禁煙補助薬を使用することで、離脱症状を和らげながら無理なく禁煙を継続できる可能性が高まります。
受動喫煙の回避も重要です。家庭内に喫煙者がいる場合、換気をしても有害物質は残留するため、屋外での喫煙を徹底するか、喫煙者自身の禁煙を促すことが望ましいでしょう。職場や公共の場での受動喫煙対策も進んでいますが、自身の健康を守るために、喫煙環境を避ける意識を持つことが大切です。
食生活と運動習慣の改善
バランスの取れた食事は、肺がんを含むさまざまながんの予防に役立つとされています。野菜や果物に含まれる抗酸化物質は、細胞の酸化ストレスを軽減し、DNA損傷を防ぐ働きがあると考えられています。特に、緑黄色野菜や柑橘類を日常的に摂取することが推奨されます。
ただし、特定の栄養素を大量に摂取することで肺がんを予防できるという確実なエビデンスは限られています。過去には、ベータカロテンのサプリメントが喫煙者の肺がんリスクを増加させたという研究報告もあるため、サプリメントに頼るのではなく、食事全体の質を高めることが重要です。
適度な運動習慣も、がん予防において重要な役割を果たします。運動は免疫機能を高め、炎症を抑制する効果があるとされています。週に150分程度の中等度の有酸素運動、例えばウォーキングやサイクリングを取り入れることで、全身の健康状態が向上し、結果的にがんのリスク低減につながると考えられています。
まとめ
肺がんは、早期発見と適切な治療により、予後が改善する可能性のある疾患です。症状や前兆を見逃さず、気になる変化があれば速やかに医療機関を受診することが重要です。また、喫煙をはじめとするリスク因子を避け、定期的な健康診断を受けることで、早期発見の機会を増やすことができます。治療法は日々進歩しており、患者さん一人ひとりの状態に合わせた個別化医療が実現しつつあります。専門の医療機関と連携しながら適切な治療を選択し、生活の質を保ちながら病気と向き合うことが大切です。



