『肺がん』の症状が出る仕組み。発生場所や組織型による違いとは?【医師監修】

肺がんによる症状は、腫瘍の発生場所や大きさ、周囲組織への影響によって異なります。症状の出方を理解することで、早期発見につながる可能性があります。腫瘍の位置によって中枢型と末梢型に分類され、それぞれ症状の現れ方が異なります。また、組織型によっても進行の速さや転移のしやすさが変わるため、どのような仕組みで症状が生じるのかを知っておくことが大切です。

監修医師:
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)
目次 -INDEX-
肺がんの症状が現れるメカニズム
肺がんによる症状は、腫瘍の発生場所や大きさ、周囲組織への影響によって異なります。症状の出方を理解することで、早期発見につながる可能性があります。
腫瘍の位置と症状の関係
肺がんは、発生する場所によって中枢型と末梢型に分類されます。中枢型は太い気管支に近い部分に発生し、咳や血痰、呼吸困難といった症状が比較的早期から現れやすい傾向があります。一方、末梢型は肺の外側に近い部分に発生するため、初期には症状が乏しく、健康診断や他の検査で偶然発見されることも少なくありません。
腫瘍が大きくなると、周囲の気管支を圧迫したり塞いだりして、空気の通り道が狭くなります。その結果、息苦しさや喘鳴(ぜんめい)といった呼吸困難の症状が生じます。腫瘍によって気管支などの粘膜がダメージを受けたり、脆くなった血管から出血したりすると、咳と一緒に血液が混じることがあります。これが血痰です。
さらに、がん細胞が肺の表面を覆う胸膜に達すると、胸水が溜まることがあります。胸水の貯留は呼吸を妨げ、強い息切れや胸部の圧迫感を引き起こします。このように、症状の現れ方は腫瘍の位置と密接に関連しているため、画像検査による正確な診断が不可欠です。末梢型の場合は無症状のまま進行することもあるため、定期的な検診が重要といえます。
組織型による症状の特徴
肺がんは組織型によって、小細胞肺がんと非小細胞肺がんに大別されます。小細胞肺がんは進行が速く、早い段階でリンパ節や他の臓器に転移しやすい特徴があります。そのため、診断時にはすでに全身症状が現れているケースも多く、倦怠感や体重減少が顕著に見られます。
非小細胞肺がんは、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどに分類されます。腺がんは肺の末梢に発生しやすく、比較的ゆっくり進行するため、初期症状が目立たないことが特徴です。一方、扁平上皮がんは中枢の太い気管支に発生しやすく、咳や血痰といった症状が早期から認められる傾向があります。
まとめ
肺がんは、早期発見と適切な治療により、予後が改善する可能性のある疾患です。症状や前兆を見逃さず、気になる変化があれば速やかに医療機関を受診することが重要です。また、喫煙をはじめとするリスク因子を避け、定期的な健康診断を受けることで、早期発見の機会を増やすことができます。治療法は日々進歩しており、患者さん一人ひとりの状態に合わせた個別化医療が実現しつつあります。専門の医療機関と連携しながら適切な治療を選択し、生活の質を保ちながら病気と向き合うことが大切です。




