肺がんの初期症状と進行。『咳』や『血痰』など見逃せないサイン【医師監修】

肺がんは初期段階では症状が現れにくく、進行してから気づくケースが少なくありません。呼吸器症状は他の疾患とも共通するため、見逃されやすい傾向があります。ここでは、初期段階で現れる可能性のある症状と、進行に伴って生じる全身症状について解説します。小さな身体の変化を見逃さず、適切なタイミングで医療機関を受診することが、早期発見につながる重要なポイントです。

監修医師:
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)
目次 -INDEX-
肺がんの初期症状と進行時の変化
肺がんは初期段階では症状が現れにくく、進行してから気づくケースが少なくありません。呼吸器症状は他の疾患とも共通するため、見逃されやすい傾向があります。
初期段階で見られる症状
肺がんの初期症状は、他の呼吸器疾患と区別がつきにくいことが特徴です。長引く咳、痰、息切れといった症状が代表的ですが、これらは風邪や気管支炎でも起こるため、見過ごされやすい傾向があります。特に2週間以上続く咳や、普段と異なる性質の咳が出る場合は注意が必要です。また、痰に血が混じる血痰は、肺がんの可能性を示唆する重要なサインといわれています。
喫煙習慣のある方や、過去に喫煙していた方は、こうした症状をより慎重に観察することが大切です。非喫煙者であっても、受動喫煙や職業的な粉塵への曝露歴がある場合は、同様に注意が求められます。
進行に伴う全身症状
肺がんが進行すると、呼吸器症状だけでなく全身にさまざまな影響が現れます。体重減少や食欲不振、倦怠感といった非特異的な症状が目立つようになり、日常生活の質にも影響を及ぼします。これらは腫瘍の増大や転移により、身体全体のエネルギー消費が変化することが一因と考えられています。
胸痛や背部痛が生じることもあり、特に深呼吸や咳をした際に痛みが増す場合は、腫瘍が胸膜や胸壁に広がっている可能性があります。また、声がかすれる嗄声(させい)は、腫瘍が声帯を動かす神経に影響を与えているサインとされます。さらに進行すると、顔や首のむくみ、頭痛といった症状が現れることがあり、これは上大静脈という太い血管が圧迫されることによるものです。
こうした症状が複数組み合わさって現れる場合、病状が進行している可能性が高いため、速やかに専門の医療機関を受診し、精密検査を受けることが重要です。進行度によって治療選択肢が変わるため、早めの受診が望ましいといえます。
まとめ
肺がんは、早期発見と適切な治療により、予後が改善する可能性のある疾患です。症状や前兆を見逃さず、気になる変化があれば速やかに医療機関を受診することが重要です。また、喫煙をはじめとするリスク因子を避け、定期的な健康診断を受けることで、早期発見の機会を増やすことができます。治療法は日々進歩しており、患者さん一人ひとりの状態に合わせた個別化医療が実現しつつあります。専門の医療機関と連携しながら適切な治療を選択し、生活の質を保ちながら病気と向き合うことが大切です。




