早期発見が難しい「スキルス胃がん」になりやすい人とは?日常でできる予防策【医師解説】

スキルス胃がんは早期発見が困難な病型として知られていますが、発症リスクが高まる特徴や要因を理解することで、予防的なアプローチが可能になります。年齢や性別、生活習慣といったリスク要因と、定期検査や食生活の見直しなど、日常でできるリスク軽減方法について詳しく解説します。適切な知識を持つことが、早期発見への第一歩となるかもしれません。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
スキルス胃がんになりやすい方の特徴
スキルス胃がんは誰にでも発症する可能性がありますが、特定の特徴を持つ方でリスクが高まることが知られています。リスク要因を理解することで、定期的な検査や生活習慣の見直しといった予防行動につなげることが可能です。
年齢と性別による傾向
スキルス胃がんは、比較的若い年齢層での発症が報告されており、特に40代から50代の方に見られる傾向があります。通常の胃がんが高齢者層に発症しやすいのに対し、スキルス胃がんは中年期の発症が目立つ点が特徴的です。
性別では、女性にやや発症しやすいという指摘があります。ホルモンバランスや体質的な要因が関係している可能性が考えられていますが、明確なメカニズムはまだ解明されていません。男性でも発症するケースは存在するため、性別にかかわらず注意が必要です。
また、家族歴がある方は特に注意が求められます。血縁者にスキルス胃がんや胃がんの既往がある場合、遺伝的な要因が関与している可能性があるため、定期的な検査を受けることが推奨されます。
生活習慣とリスク因子
生活習慣の中には、スキルス胃がんのリスクを高める可能性がある要因がいくつか存在します。喫煙習慣のある方は、胃の粘膜に慢性的なダメージを与えるため、リスクが上昇することが知られています。喫煙年数や本数によってリスクの程度は異なりますが、禁煙によってリスクを軽減できる可能性があります。
食生活では、塩分を多く含む食事や刺激の強い食品を好む方、野菜や果物の摂取が少ない方でリスクが高まる傾向が報告されています。保存食品や加工食品を頻繁に摂取する食習慣も、胃粘膜への負担となる可能性があります。
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染も重要なリスク因子です。ピロリ菌は胃粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、長期間にわたって胃の環境を悪化させることで、がん化のリスクを高める可能性があります。感染の有無を確認し、必要に応じて除菌治療を受けることが予防につながると考えられます。
スキルス胃がんのリスクを軽減する方法
スキルス胃がんのリスクを完全に避けることは難しいものの、日常生活での工夫によってリスクを軽減できる可能性があります。早期発見と予防的なアプローチを組み合わせることが大切です。
定期検査の重要性
スキルス胃がんは早期発見が困難な病型であるため、定期的な検査が大変重要です。特にリスク要因を持つ方は、年に1回程度の胃内視鏡検査を受けることが推奨されます。
胃内視鏡検査では、胃の粘膜を直接観察できるため、異常な変化を早期に捉えることができます。スキルス胃がんは粘膜の表面に現れにくいという特徴がありますが、経験を積んだ医師による丁寧な観察と、必要に応じた生検によって発見できる可能性が高まります。完全な発見を保証するものではありませんが、現時点で有効な検査方法の一つです。
バリウム検査では見逃されやすい傾向があるため、内視鏡検査を選択することが望ましいと考えられています。特に家族歴がある方や、ピロリ菌感染が確認されている方は、より慎重な経過観察が必要とされます。検査方法の選択については、医療機関で専門医に相談することをおすすめします。
生活習慣の見直しと予防策
日々の生活習慣を見直すことで、胃の健康を保ち、リスクを軽減できる可能性があります。禁煙は効果が期待できる予防策の一つであり、喫煙習慣のある方は禁煙外来などの支援を活用することが推奨されます。禁煙の効果は個人差がありますが、胃粘膜への負担を減らすことにつながると考えられています。
食生活では、塩分を控えめにし、野菜や果物を積極的に摂取することが大切です。新鮮な食材を使った料理を心がけ、加工食品や保存食品の摂取を減らすことで、胃への負担を軽減できる可能性があります。バランスの取れた食事は、胃の健康だけでなく全身の健康維持にも役立ちます。
ピロリ菌感染が確認されている場合は、除菌治療を受けることを検討しましょう。除菌によって胃がんのリスクが減少する可能性があることが報告されています。治療は比較的簡単な内服薬によって行われ、成功率も高いとされていますが、個人の状態によって効果は異なります。早期の対応が望まれますが、除菌後も定期的な検査を続けることが重要です。
まとめ
スキルス胃がんは、その特殊な性質から早期発見が困難であり、進行が速いという特徴を持っています。しかし、リスク要因を理解し、定期的な検査を受けることで、早期発見の可能性を高めることができます。気になる症状がある場合は、自己判断せず、消化器内科や胃腸内科の専門医を受診することが大切です。正確な診断と適切な治療により、より良い結果につなげることができる可能性があります。日頃から自身の身体の変化に注意を払い、健康的な生活習慣を心がけることが予防の第一歩となります。

