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高齢者が注意すべき「ヒートショック」の危険とは?冬の事故を防ぐ対策を医師が解説!

 公開日:2026/02/19
高齢者の生活環境で注意すべき場所と時間帯

高齢者の日常生活において、特にヒートショックが発生しやすい場所や時間帯があります。トイレや廊下といった見落とされがちな空間、また早朝や夜間といった時間帯には、温度変化や身体の状態から特別な注意が求められます。危険な状況を認識し、重点的な対策を講じることが大切です。

滝村 英幸

監修医師
滝村 英幸(医師)

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2006年3月 聖マリアンナ医科大学医学部医学科卒業
2006年4月 聖マリアンナ医科大学病院 初期臨床研修医
2008年4月  済生会横浜市東部病院 循環器内科
2016年12月  総合東京病院(東京都中野区) 循環器内科
2017年 総合東京病院(東京都中野区) 心臓血管センター
2022年4月 総合東京病院(東京都中野区) 心臓血管センター 循環器内科 心臓血管インターベンション科 科長

【専門・資格・所属】
内科・循環器内科一般
冠動脈カテーテルインターベンション治療
末梢血管カテーテル治療
フットケア
心血管超音波検査

日本内科学会認定内科医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定心血管カテーテル治療専門医
日本心エコー図学会SHD心エコー図認定医

高齢者の生活環境で注意すべき場所と時間帯

高齢者の生活の中で、特にヒートショックのリスクが高まる場所や時間帯があります。これらを認識し、重点的に対策を講じることで、効果的な予防が可能になります。

トイレや廊下などの温度管理

トイレは冬場、非常に冷え込む場所の一つです。暖かい居室から寒いトイレに移動すると、急激な温度変化によって血圧が上昇します。さらに、排便時にいきむことで血圧がさらに上がり、その後急激に下がるという変動が加わります。この一連の変化が心臓や血管に大きな負担をかけ、ヒートショックを引き起こす可能性があります。

トイレには小型の暖房器具を設置することが推奨されます。人感センサー付きの暖房機であれば、使用時だけ自動的に作動するため、効率的に暖めることができます。また、便座の暖房機能を活用することも効果的です。

廊下も見落とされがちな危険箇所です。居室と浴室、トイレ、寝室などを結ぶ通路である廊下が冷えていると、移動のたびに温度変化にさらされることになります。可能であれば廊下にも暖房を入れる、もしくは居室のドアを開けて暖かい空気を循環させるなどの工夫が有効です。

早朝や夜間の行動における留意点

時間帯によってもヒートショックのリスクは変動します。早朝は一日の中で気温が低い時間帯です。暖房が切れた状態で朝を迎えることが多く、室温も大きく下がっています。この寒い環境で布団から出て活動を始めると、血圧が急上昇する可能性があります。特に起床直後は血圧が上がりやすいため、二重のリスクがあります。

早朝の対策としては、起床時刻の30分〜1時間前に暖房が作動するようタイマー設定をしておくことが有効です。また、起床時は布団の中でゆっくり身体を動かして目覚めさせ、急に立ち上がらないようにしましょう。厚手のガウンや上着を枕元に用意しておき、布団から出る前に着用することも推奨されます。

夜間のトイレ使用も危険な場面です。睡眠中は体温が下がっており、また暗い中で急に起きて移動することで、転倒のリスクも高まります。夜間頻尿がある方は特に注意が必要です。

夜間の対策としては、寝室からトイレまでの経路に足元灯やセンサーライトを設置し、安全に移動できるようにします。また、ポータブルトイレの使用も検討する価値があります。寝室に設置しておけば、温度変化や転倒のリスクを大幅に減らすことができます。

まとめ

ヒートショックは、正しい知識と日常的な対策によって予防できる健康リスクです。めまいや立ちくらみ、動悸などの初期症状を見逃さず、急激な温度変化による血圧変動の仕組みを理解することが重要となります。特に高齢者や基礎疾患のある方はリスクが高いため、室温管理や入浴方法の工夫、トイレや廊下、早朝・夜間など注意が必要な場面を把握しておくことが欠かせません。あわせて、家族による見守りや緊急時の対応を共有しておくことで、万が一の事態にも備えやすくなります。

住環境の改善や生活習慣の見直しを含め、できる対策から無理なく実践していきましょう。少しでも不安や症状がある場合は、早めに医療機関へ相談することが、冬を安全に過ごすための大切な一歩となります。

この記事の監修医師