まぐろの栄養を無駄にする?「食べ合わせ」の真実と注意すべき組み合わせを管理栄養士が解説

特定の食材との組み合わせは、栄養素の吸収を妨げたり、消化に負担をかけたりする可能性があるため、注意が必要な場合があります。科学的根拠の程度はさまざまですが、伝統的な知恵として伝えられている組み合わせもあります。まぐろを食べる際に気をつけたい食べ合わせについて、現在の知見をもとに解説します。

監修管理栄養士:
中西 真悠(管理栄養士)
2020年3月 女子栄養大学 栄養学部 実践栄養学科 卒業
2020年4月 株式会社野口医学研究所 入社
同年よりフリーの管理栄養士として活動開始、現在に至る
・法人向け健康経営支援サービスの立ち上げと推進(新規および既存顧客への営業活動を主導)
・食と健康に関する指導プログラムの実施(延べ2000人以上を対象にセミナーや測定会を通じて個別指導を実施)
・SNSでの情報発信によるブランディング
∟ Instagramにて食と健康に関する情報を発信し、フォロワー5万人超を達成
∟ 企業のSNS商品撮影代行やレシピ開発を400件以上実施
・サプリメントや雑貨のお客様相談室にてコールセンター業務を担当
・保険調査業務の実務を担当
避けたほうがよい食べ合わせ
特定の食材との組み合わせは、栄養素の吸収を妨げたり、消化に負担をかけたりする可能性があるため、注意が必要な場合があります。科学的根拠の程度はさまざまですが、伝統的な知恵として伝えられている組み合わせもあります。
タンニンを多く含む飲料との組み合わせ
緑茶や紅茶、コーヒーに含まれるタンニンには、植物性食品に多い「非ヘム鉄」と結合して吸収を妨げる作用があることが知られています。一方、まぐろに含まれる鉄分は主に動物性の「ヘム鉄」であり、ヘム鉄はタンニンの影響をほとんど受けず、比較的安定して吸収されることが分かっています。
そのため、まぐろ料理と一緒にお茶やコーヒーを飲んだからといって、鉄分の吸収が大きく低下する心配はほとんどありません。日常の食事において、「まぐろを食べるときはお茶を避けるべき」と過度に意識する必要はないといえるでしょう。
ただし、食事全体として植物性食品からの鉄分摂取が多い場合や、鉄欠乏性貧血と診断されている方が鉄剤や鉄強化食品を利用している場合には、タンニンの影響を考慮することがあります。そのような場合は、食事中は水や麦茶などを選び、緑茶やコーヒーは食後に楽しむといった工夫が役立つこともあります。
自身の健康状態や治療内容によって適切な対応は異なるため、鉄分補給が必要な方は、医師や管理栄養士の指導に基づいて食生活を調整することが大切です。
多量の食物繊維との組み合わせ
食物繊維は腸内環境を整える有益な成分ですが、過剰に摂取すると他の栄養素の吸収を妨げることがあります。まぐろのような栄養価の高い食材を摂取する際に、サプリメントなどで特定の食物繊維のみを大量に摂取すると、一部のミネラルの吸収がわずかに阻害される可能性が理論的には考えられます。
しかし、通常の食事で摂取する程度の食物繊維であれば問題はなく、むしろバランスのよい献立として推奨されます。野菜や海藻を適量添えることは、食物繊維やビタミン、ミネラルの補給につながり、健康的な食事の基本です。極端な偏りを避け、多様な食材を組み合わせることが重要といえます。消化器系の疾患がある方は、主治医や管理栄養士に相談しながら食物繊維の摂取量を調整してください。
まとめ
まぐろは良質なたんぱく質や必須脂肪酸(DHA・EPA)が豊富で、日常の食事に取り入れやすい優れた食材ですが、メチル水銀の蓄積やアレルギーのリスクなど注意すべき点も存在します。適切な摂取量を守り、鮮度管理を徹底することで、まぐろの持つ健康効果を適切に享受できます。ビタミンCや脂質を組み合わせたバランスのよい食べ合わせや保存方法を実践し、日々の食生活に上手に取り入れることで、心身の健康維持に役立てることができるでしょう。気になる症状がある場合や、妊娠中などの特別な状況にある場合は、専門の医療機関や管理栄養士に相談することをおすすめします。正しい知識を身につけることで、まぐろは一生の健康を支える心強い味方になってくれるはずです。