「コカイン」は”吸引”と”注射”どちらの方が依存度が高くなる?【医師監修】

コカインの作用は使用方法によって発現速度や持続時間が大きく異なります。粉末を鼻から吸引する方法、注射で静脈内に投与する方法、クラック・コカインを加熱して煙を吸う方法など、それぞれの使用方法における吸収速度や効果の特徴を理解することは重要です。使用方法ごとの効果の現れ方と持続時間について解説します。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
コカインの使用方法と効果の持続時間
コカインの作用は使用方法によって発現速度や持続時間が異なります。一般的には、粉末を鼻から吸引する方法、注射で静脈内に投与する方法、固形化したクラック・コカインを加熱して煙を吸う方法があり、それぞれの方法で吸収速度や脳への到達時間が変わるため、効果の強さや依存のリスクにも差が生じます。
粉末コカインを鼻から吸引した場合、鼻粘膜を通じて血流に吸収され、数分以内に効果が現れます。持続時間は15分から30分程度とされており、比較的短時間で作用が消失します。一方、静脈注射では血液中に直接投与されるため、数秒から数十秒で強烈な興奮作用を感じますが、持続時間は5分から15分程度とさらに短くなります。この急激な効果の立ち上がりと消失が、繰り返し使用を促す大きな要因となり、依存症のリスクを高めることになります。
吸引と注射による即効性の違い
粉末コカインを鼻から吸引する方法は、比較的緩やかに効果が現れるものの、鼻粘膜を通じた吸収には時間がかかるため、効果の発現は数分以内となります。この方法では、効果が15分から30分程度持続するため、使用者は一定時間の高揚感を得られますが、効果が消失すると強い不快感や疲労感が襲います。
静脈注射では、血液中に直接薬物が投与されるため、数秒から数十秒で強烈な興奮作用を感じます。しかし、持続時間は5分から15分程度と非常に短く、急激な効果の消失により、使用者は短時間に何度も使用を繰り返す傾向があります。この使用パターンは、心臓や血管への負担を急速に増大させ、急性の健康被害を引き起こしやすくなります。注射による使用は、感染症のリスクも伴うため、複合的な健康被害が生じる可能性が高まります。
クラック・コカインの特性と危険性
クラック・コカインは粉末コカインを加工して固形化したもので、加熱すると蒸気となり、肺を通じて速やかに血流に入ります。吸引後わずか数秒で効果が現れ、持続時間は5分から10分程度と非常に短いのが特徴です。
即効性が高い反面、効果の消失も早いため、使用者は短時間に何度も使用を繰り返す傾向があります。この使用パターンは心臓や呼吸器系への負担を急速に増大させ、急性の健康被害を引き起こしやすくなります。使用方法によらず、コカインは身体と精神に深刻な影響を及ぼすため、どの形態であっても危険性は非常に高いといえるでしょう。クラック・コカインは比較的安価に入手できる場合があるため、若年層や経済的に困窮している方が手を出しやすい傾向があり、社会的な問題としても深刻化しています。
まとめ
コカインは使用すると身体と精神に深刻なダメージをもたらし、依存性が非常に高い違法薬物です。心血管系や呼吸器系への急性の負担、認知機能の低下、強い精神的依存など、多岐にわたる影響が生じます。依存症からの回復には専門的な治療と長期的なサポートが不可欠であり、一人で抱え込まず、医療機関や支援機関に相談することが重要です。早期に適切な対応を取ることで、健康と生活を取り戻す道が開かれます。薬物に関する悩みや不安を感じたら、ためらわず専門家に相談してください。