「朝は花粉症の鼻水がひどい」理由をご存じですか?【医師監修】

花粉症による鼻水は、一般的な風邪とは異なる特徴を持つアレルギー性鼻炎の代表的な症状です。透明でさらさらした鼻水が大量に分泌される仕組みや、くしゃみ・鼻づまりといった併発症状について、発症メカニズムから詳しく解説します。適切な対策を講じるためには、まず症状の特徴を正しく理解することが大切です。

監修医師:
水上 真美子(医師)
平成10年 東邦大学医学部 卒業
平成10年 東邦大学医学部付属大森病院 第一耳鼻咽喉科 入局
平成13年 東邦大学医学部付属大森病院 第一耳鼻咽喉科 助手
平成16年 国際親善総合病院 耳鼻咽喉科 医長
平成18年 東邦大学医学部付属大森病院 耳鼻咽喉科 助教
平成23年 東邦大学医療センター大森病院 耳鼻咽喉科 医局長
平成23年 医学博士号取得
平成27年 耳鼻咽喉科専門研修指導医
平成28年 東邦大学医療センター大森病院 耳鼻咽喉科 客員講師
平成29年 田園調布耳鼻咽喉科医院(東京都大田区) 管理医師
【専門・資格・所属】
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医・耳鼻咽喉科指導医
補聴器相談医
補聴器適合判定医
身体障害者福祉法第15条指定医
花粉症による鼻水の特徴と発症メカニズム
花粉症による鼻水は、アレルギー性鼻炎の代表的な症状として多くの方を悩ませています。一般的な風邪とは異なる特徴を持つため、症状の見極めが適切な対策の第一歩となります。
アレルギー性鼻炎としての鼻水症状
花粉症の鼻水は、医学的にはアレルギー性鼻炎による鼻汁過多と呼ばれます。花粉が鼻粘膜に付着すると、身体の免疫システムが過剰に反応し、ヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が放出されます。これらの物質が鼻粘膜の血管を拡張させ、血管透過性を高めることで、水のようにさらさらした透明な鼻水が大量に分泌される仕組みです。
この鼻水は量が多く、頻繁に鼻をかむ必要が生じることがあります。風邪の場合は黄色や緑色の粘性のある鼻水が特徴的ですが、花粉症では透明でさらさらした鼻水が持続する点が大きな違いといえるでしょう。また、朝起きたときや花粉の飛散量が多い日に症状が悪化する傾向があります。個人差はありますが、花粉飛散期間中は症状が継続することが一般的です。
鼻水と併発するくしゃみ・鼻づまり
花粉症では、鼻水だけでなく、くしゃみや鼻づまりが同時に現れることが一般的です。くしゃみは、花粉などのアレルゲンを体外へ排出しようとする防御反応で、連続して何度も起こる場合があります。特に起床時に症状が強く現れることがありますが、起床時には、自律神経が副交感神経優位の状態から交感神経優位へと切り替わることで、鼻粘膜が過敏になりやすいためと考えられています。また、布団や枕に付着した花粉、ハウスダスト、ダニなどのアレルゲンを、睡眠中に吸い込んでいることも要因の一つです。この起床時に症状が強く出る状態は「モーニングアタック」と呼ばれ、花粉症やアレルギー性鼻炎でよくみられる特徴の一つです。外出時に症状が悪化する場合は、屋外での花粉への曝露が影響していることもあります。
一方、鼻づまりは鼻粘膜の腫れによって引き起こされ、両側の鼻が詰まることで口呼吸を余儀なくされます。この状態が続くと睡眠の質が低下し、日中の集中力や作業効率に影響を及ぼす可能性があります。鼻づまりが慢性化すると嗅覚の低下を招くこともあり、食事の味わいが減少するなど生活の質全体に波及する場合があるでしょう。鼻水、くしゃみ、鼻づまりの3つは花粉症の三大症状とされ、これらが揃って現れる場合は花粉症を疑う根拠となります。
まとめ
花粉症は多くの方が経験する身近なアレルギー疾患ですが、適切な知識と対策により、症状を大幅に軽減することが期待できます。鼻水や目のかゆみといった症状は生活の質に直接影響するため、早めの対処が重要となります。市販薬でのセルフケアも有効ですが、症状が改善しない場合や日常生活に支障がある場合は、耳鼻咽喉科や眼科での専門的な治療を検討しましょう。日々の予防策と適切な治療を組み合わせることで、花粉の季節を少しでも快適に過ごせるよう心がけることが大切です。
→(後編)日常生活における花粉症(鼻水・鼻づまり・くしゃみ)対策




