「がんの初期症状」見逃さないためのチェックポイントとは【医師解説】

がんは初期段階では症状が乏しく、進行してから自覚症状が現れることが多い病気です。原因不明の体重減少や持続する疲労感、微熱や寝汗といったわずかな身体の変化に注意を払うことが重要です。肺がんでは長引く咳や血痰、乳がんでは乳房のしこり、大腸がんでは便通の変化や血便など、部位によって特徴的な症状があります。これらの症状はがん以外の良性疾患でも現れるため、気になる場合は自己判断せず速やかに医療機関を受診することが大切です。

監修医師:
小坂 真琴(医師)
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当
がんの初期症状と早期発見の重要性
がんは初期段階では症状が乏しく、進行してから自覚症状が現れることが多い病気です。わずかな変化を見逃さず、早期発見につなげることが、治療成績を大きく左右します。
見逃しやすい初期症状とその特徴
多くのがんは初期に特有の症状を示しません。そのため、ちょっとした身体の変化に注意を払うことが重要です。たとえば、原因不明の体重減少が続く場合、特に食事量を減らしていないのに数ヶ月で5%以上の体重が減少した場合は、がんが潜んでいる可能性があります。
持続する疲労感や倦怠感も見逃されやすい症状です。十分な休息をとっても疲れがとれない、日常生活に支障が出るほどの倦怠感が続く場合は、精密検査が必要なことがあります。ただし、これらの症状はがん以外の病気でも現れるため、症状があるからといって必ずしもがんであるとは限りません。
微熱が続く、寝汗をかく、といった症状も、感染症以外にがんが原因の場合があります。特に血液系のがんでは、こうした全身症状が現れることがあります。食欲不振や嘔気、腹部の不快感が続く場合も注意が必要です。胃がんや膵臓がんなどの消化器系のがんは、初期には漠然とした消化器症状のみで、胃炎や胃潰瘍と見分けがつきにくいことがあります。
部位別にみる初期症状
肺がんでは、長引く咳や血痰が初期症状として現れることがあります。喫煙歴のある方や、咳が2週間以上続く場合は、胸部レントゲンやCT検査を受けることが推奨されます。ただし、風邪や気管支炎でも同様の症状が現れるため、症状だけで判断することは難しい面があります。
乳がんでは、乳房のしこりや皮膚のくぼみ、乳頭からの分泌物が初期症状です。自己触診で異常を感じた場合は、速やかに乳腺外来を受診しましょう。痛みを伴わないしこりが、がんである可能性もあるため、自覚症状がなくても定期的なマンモグラフィや超音波検査が重要です。
大腸がんでは、便通の変化や血便が見られることがあります。便秘と下痢を繰り返す、便が細くなる、排便後もすっきりしない感覚が続く場合は、大腸内視鏡検査を検討しましょう。痔と間違えやすい血便も、がんの可能性があるため軽視は禁物です。
胃がんは、胃の不快感や膨満感、食後の胃もたれが初期症状として現れることがあります。これらは胃炎や胃潰瘍と似ているため、症状が続く場合は内視鏡検査で詳しく調べる必要があります。これらの症状は、がん以外の良性疾患でも現れるため、症状があるからといって過度に心配する必要はありませんが、気になる場合は医療機関に相談することが大切です。
まとめ
がんは誰にでも起こり得る病気ですが、正しい知識を持ち、日々の生活習慣を整え、定期的な検診を受けることで、リスクを下げ、早期発見につなげられる可能性があります。食べ物や運動、遺伝、症状について理解を深めることは、自分自身と大切な方の健康を守る第一歩です。少しでも気になる症状があれば、躊躇せず医療機関に相談し、専門医の診察を受けましょう。早期発見と適切な治療により、多くのがんは克服できる時代です。今日から実践できることを一つずつ始め、健やかな毎日を築いていきましょう。



