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がんのリスクは環境で変わる?遺伝以外の要因と今日からできる生活習慣の見直し【医師解説】

 公開日:2026/02/02
遺伝以外の要因とがんの関係

遺伝性腫瘍でない場合でも、家族内でがんが多発することがあり、これは共通の生活習慣や環境要因が影響していると考えられます。塩分や脂肪の多い食事、喫煙や飲酒の傾向、ピロリ菌感染の共有などが、家族性集積の背景にある可能性があります。遺伝的要因は変えられませんが、環境要因や生活習慣は自分の意思で改善できるため、家族全員で食事改善や運動習慣づくりに取り組むことで、総合的なリスク低減が期待できます。

小坂 真琴

監修医師
小坂 真琴(医師)

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2022年、東京大学医学部卒業
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当

遺伝以外の要因とがんの関係

遺伝性腫瘍でない場合でも、家族内でがんが多発することがあります。これは共通の生活習慣や環境要因が影響していると考えられています。

家族性集積と生活習慣の関連

家族内で食生活や運動習慣、喫煙や飲酒の傾向が似ることは、がんの発症リスクに影響を与える可能性があります。塩分や脂肪の多い食事を好む家庭では胃がんや大腸がんのリスクが高まり、喫煙者がいる場合は受動喫煙も含め肺がんや膀胱がんのリスクが上昇します。
家族内でピロリ菌感染が共有される場合も胃がんのリスク要因です。ピロリ菌は食器などを介して感染し、長期化すると胃粘膜の萎縮が進み、発がんにつながることがあります。ただし、感染しても必ず胃がんになるわけではなく、他の要因によってリスクは変化します。
家族性集積があっても遺伝性腫瘍とは限らないため、まずは生活習慣の見直しが重要です。家族全員で食事改善や運動習慣づくり、喫煙者への禁煙支援を行うことで、総合的なリスク低減が期待できます。

遺伝的要因と環境要因の相互作用

がんの発症には、遺伝的素因と環境要因が複雑に絡み合っています。遺伝的にリスクが高い方でも、生活習慣を改善することで発症を遅らせたり、リスクを低減したりできる可能性があります。逆に、遺伝的リスクが低くても、喫煙や過度の飲酒、偏った食生活が続けば、がんの発症リスクは高まります。
遺伝的要因は変えられませんが、環境要因や生活習慣は自分の意思で改善できます。遺伝的リスクがあることを知った場合でも、諦めるのではなく、できる範囲での予防策を実践することが大切です。定期的な検診やサーベイランスを受けることで、早期発見につなげられる可能性も高まります。これらの取り組みは、遺伝的リスクの有無にかかわらず、すべての方にとって有益なものです。

まとめ

がんは誰にでも起こり得る病気ですが、正しい知識を持ち、日々の生活習慣を整え、定期的な検診を受けることで、リスクを下げ、早期発見につなげられる可能性があります。食べ物や運動、遺伝、症状について理解を深めることは、自分自身と大切な方の健康を守る第一歩です。少しでも気になる症状があれば、躊躇せず医療機関に相談し、専門医の診察を受けましょう。早期発見と適切な治療により、多くのがんは克服できる時代です。今日から実践できることを一つずつ始め、健やかな毎日を築いていきましょう。

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