「がん予防」に運動が効く?免疫力を高めてリスクを下げるポイント【医師解説】

運動は体重管理や代謝の改善を通じて、がんの発症リスクを下げる効果があることが多くの研究で示されています。特に大腸がん、乳がん、子宮内膜がんのリスク低下に寄与することが確認されており、身体活動が体内で引き起こす変化を理解することで、運動の重要性が実感できるでしょう。免疫機能の向上や炎症の抑制、酸化ストレスの軽減など、運動がもたらす効果は多岐にわたります。適度な運動習慣を取り入れることが、総合的ながん予防の重要な柱といえます。

監修医師:
小坂 真琴(医師)
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当
運動ががんのリスクに与える影響
運動は体重管理や代謝の改善を通じて、がんの発症リスクを下げる効果があることが示されています。身体活動が体内でどのような変化を引き起こすかを理解することで、運動の重要性が実感できるでしょう。
運動が予防に役立つがんの種類
運動は大腸がん、乳がん、子宮内膜がんのリスク低下に寄与することが多くの研究で示されています。大腸がんでは、運動により腸の蠕動が促進され、便通が改善することで発がん物質が腸壁に触れる時間が短くなると考えられています。さらに、運動はインスリン感受性を高め、インスリンや関連因子の適正な維持を通じてがん細胞の増殖を抑える可能性があります。
乳がんは、運動が体脂肪を減らし、エストロゲンの過剰産生を抑えることが予防に関与すると考えられています。特に閉経後は脂肪組織が主要なエストロゲン産生源となるため、体脂肪を適正に保つことが重要です。
子宮内膜がんもエストロゲン過剰がリスク因子であり、運動による体重管理とホルモンバランスの調整が予防に役立つと考えられています。肺がんや食道がんなど、他のがんでも身体活動との関連が報告されており、運動習慣は総合的ながん予防の重要な柱といえます。
運動が体内で引き起こす変化
運動は免疫機能を高め、体内でがん細胞を監視する働きを強化します。適度な運動は免疫細胞の活性を高め、がん細胞の発生や増殖を抑える方向に作用しますが、無理な強度は免疫機能を低下させることがあるため、自分に合った範囲で行うことが大切です。また、運動には炎症を抑える効果もあります。慢性的炎症はがんの発生に関与するとされ、運動により炎症性サイトカインが減少し、抗炎症作用をもつ物質が増えることが確認されています。
適度な運動は酸化ストレスを軽減し、抗酸化酵素の働きを促してDNA損傷を防ぐ力を高めます。一方で過度な運動は酸化ストレスを増やす可能性があるため、強度と頻度の調整が重要です。さらに、運動は精神的ストレスを和らげ、ホルモンバランスを整える作用もあります。ストレスホルモンの過剰はがんの進行に影響する可能性があるため、運動による心身のリラックス効果は予防面でも意味を持つでしょう。
まとめ
がんは誰にでも起こり得る病気ですが、正しい知識を持ち、日々の生活習慣を整え、定期的な検診を受けることで、リスクを下げ、早期発見につなげられる可能性があります。食べ物や運動、遺伝、症状について理解を深めることは、自分自身と大切な方の健康を守る第一歩です。少しでも気になる症状があれば、躊躇せず医療機関に相談し、専門医の診察を受けましょう。早期発見と適切な治療により、多くのがんは克服できる時代です。今日から実践できることを一つずつ始め、健やかな毎日を築いていきましょう。




