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「がん予防」につながる食生活とは?リスクを高める食品と体を守る食品とは【医師解説】

 公開日:2026/01/24
がんと食べ物の関係を理解する

食事内容はがんの発症リスクと密接に関わっており、日々の選択が将来の健康を左右します。加工肉や赤肉、塩分、アルコールといった特定の食品が体内の細胞にどう影響するのかを知ることで、リスクを下げる食習慣を築けるでしょう。一方で、野菜や果物、魚、大豆製品に含まれる栄養素は、がん予防との関連が示されています。正しい知識を身につけ、バランスの取れた食生活を実践することが、長期的な健康維持につながります。

小坂 真琴

監修医師
小坂 真琴(医師)

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2022年、東京大学医学部卒業
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当

がんと食べ物の関係を理解する

食生活はがんの発症リスクに深く関わっており、日々の食事選びが長期的な健康を左右します。特定の食品や栄養素が体内の細胞にどう作用するかを知ることで、リスクを下げる食習慣を築けるでしょう。

がんのリスクを高める食品とその理由

加工肉や赤肉の摂り過ぎは大腸がんのリスクを高めると報告されています。世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関は、加工肉を「発がん性がある」、赤肉を「おそらく発がん性がある」と分類しています。加工肉に含まれる亜硝酸塩は体内でニトロソ化合物に変化し、大腸粘膜を傷つける可能性があります。また、肉類を高温で調理すると複素環アミンや多環芳香族炭化水素が生成され、DNA損傷を引き起こすことが知られています。焼き肉や揚げ物を日常的に食べる習慣がある場合は、調理法を変えることで摂取量を減らすことができるでしょう。

塩分の過剰摂取も胃がんのリスク因子です。高塩分食品は胃粘膜を傷め、慢性的な炎症を引き起こし、ヘリコバクター・ピロリ菌感染と重なることで発がんリスクが上昇します。漬物や塩蔵品を多く食べる地域で胃がんが多いのもこのためです。

アルコールは食道がん、肝臓がん、大腸がん、乳がんなど複数のがんと関連しています。アルコール分解で生じるアセトアルデヒドはDNAを損傷させます。特に、日本人の約40%が持つ酵素活性の弱い体質では発がんリスクがさらに高まる傾向があります。

がんのリスクを下げる食品と栄養素

野菜や果物に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質は、がん予防との関連が示されています。緑黄色野菜に多いカロテノイドやビタミンCは活性酸素を抑え、細胞の酸化ストレスを軽減します。食物繊維は腸内環境を整え、発がん物質の排出を助けることで大腸がんのリスク低下に寄与すると考えられています。

魚に含まれるオメガ3脂肪酸は炎症を抑える働きがあり、特にEPAやDHAは細胞膜の安定化やがん細胞の増殖抑制に関与する可能性が報告されています。ただし、摂取量や調理法の影響も大きいため、魚を食べれば十分というわけではありません。大豆製品に含まれるイソフラボンは、乳がんや前立腺がんなどホルモン依存性のがんのリスク低下と関連があるとされています。過剰摂取は推奨されず、日常の食事から適量を取り入れることが重要です。

全粒穀物や豆類は食物繊維が豊富で、血糖値の急激な上昇を抑え、インスリン過剰分泌を防ぐ働きがあります。インスリンは細胞増殖を促すため、その分泌を安定させることはがん予防にも意味があると考えられます。

まとめ

がんは誰にでも起こり得る病気ですが、正しい知識を持ち、日々の生活習慣を整え、定期的な検診を受けることで、リスクを下げ、早期発見につなげられる可能性があります。食べ物や運動、遺伝、症状について理解を深めることは、自分自身と大切な方の健康を守る第一歩です。少しでも気になる症状があれば、躊躇せず医療機関に相談し、専門医の診察を受けましょう。早期発見と適切な治療により、多くのがんは克服できる時代です。今日から実践できることを一つずつ始め、健やかな毎日を築いていきましょう。

この記事の監修医師