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お酒を飲まないのにγ-GTPが上昇する理由とは? 知っておきたい5つの疾患リスクと改善法を医師が解説

 公開日:2026/02/09
非アルコール性の原因

お酒をほとんど飲まない方でもγ-GTPが高くなることがあります。その背景には肥満や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病が関与していることが少なくありません。また、特定の薬剤や胆道系の疾患も数値上昇の要因となります。非アルコール性脂肪性肝疾患は近年増加傾向にあり、早期発見と適切な管理が求められています。

藤原 大輔

監修医師
藤原 大輔(医師)

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【経歴】
1999年香川大学卒業
1999年4月香川大学放射線科勤務
2000年4月岡山大学第二内科勤務
2000年6月十全総合病院勤務
2001年6月岡山赤十字病院勤務
2011年5月クリニック開業
2022年8月以降体調不良により離職中

【免許・資格】
総合内科専門医
消化器内視鏡学会専門医
消化器病学会専門医

非アルコール性の原因

γ-GTPの上昇はアルコールだけが原因ではありません。実際、お酒をほとんど飲まない方でもγ-GTPが高くなることがあります。この場合、肥満や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病が背景にあるケースが多く、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、さらに最近では代謝異常関連脂肪肝(MASLD)​​として注目されています。

薬剤による影響

MASLD/NAFLDは、肝臓に脂肪が蓄積する疾患で、肥満やメタボリックシンドロームと密接に関連しています。脂肪肝が進行すると、肝細胞に炎症が起こり、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、最近では代謝異常関連脂肪肝炎( MASH​​)と呼ばれる状態へと発展することがあります。MASH/NASHは放置すると肝硬変や肝がんに進行するリスクがあり、早期の対応が求められます。
特定の薬剤を長期間服用することで、γ-GTPが上昇することもあります。とくにフェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタールなど一部の抗てんかん薬や、特定の鎮静薬でγ-GTPが増加することが知られています。睡眠薬・抗不安薬の多くは上昇しても軽度であることが多いようです。
​​また、ステロイド薬や一部の抗生物質では、まれに肝機能値が変動することがあります。脂質異常症治療薬(スタチン)による肝障害は稀で、多くは安全に使用できます。薬剤が原因と考えられる場合、主治医と相談しながら薬の種類や用量の見直しを検討することが重要です。仮に軽度上昇したとしても薬の効果が大きいと医師が判断した場合は、そのまま継続する場合もあります。自己判断で服薬を中止すると本来の治療に支障をきたすことがあるため、必ず医師の指示に従いましょう。

胆道系疾患とγ-GTP

胆石症や胆管炎、胆嚢炎といった胆道系の疾患も、γ-GTPを上昇させる原因となります。胆石が胆管に詰まると胆汁の流れが滞り、胆汁うっ滞が生じます。この状態では、胆管や肝臓の細胞が障害を受け、γ-GTPが血液中に漏れ出します。
胆道系疾患では、γ-GTPとともにALP(アルカリホスファターゼ)も上昇することが多く、両方の数値が高い場合は胆道系の異常を疑う手がかりになります。右上腹部の痛みや発熱、黄疸といった症状がある場合は、速やかに医療機関を受診し、腹部超音波検査やCT検査などで詳しく調べる必要があります。

まとめ

γ-GTPは肝臓や胆道の健康状態を示す重要な指標であり、数値の上昇は肝細胞の障害や胆汁うっ滞を反映しています。主な原因としてアルコールの過剰摂取が知られていますが、肥満や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病、薬剤の影響、胆道系疾患なども関与します。高い状態を放置すると肝硬変や肝がんへと進行するリスクがあるため、早期の対処が不可欠です。改善には食事の見直し、運動習慣の確立、禁酒や節酒が有効であり、必要に応じて医療機関での治療を受けることが大切です。定期的な検査で数値の推移を確認し、専門医の指導のもと適切な管理を続けることで、肝臓の健康を守り、全身の健康維持につなげることができます。

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