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クレアチニン値が高い原因は腎臓病だけじゃない?意外な原因と対策【医師解説】

 公開日:2026/01/20
クレアチニン値が高くなる原因

クレアチニン値の上昇は、必ずしも腎臓病を意味するわけではありません。運動や食事、薬剤など一時的な要因で変動することもあります。しかし、持続的な上昇が見られる場合は、腎臓そのものに問題がある可能性を考慮する必要があります。原因を正確に特定することが、適切な対応への第一歩となります。

井筒 琢磨

監修医師
井筒 琢磨(医師)

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

クレアチニン値が高くなる原因

クレアチニン値の上昇には、腎臓そのものの病気だけでなく、さまざまな要因が関与します。原因を特定し、適切に対処することが重要です。

腎臓病以外の要因

クレアチニン値は、腎臓以外の要因で変動します。まず、筋肉量の多い方は、クレアチニンの産生量が多いため、腎機能が正常でも値が高めに出ることがあります。激しい運動の直後も、一時的に値が上昇することがあります。

脱水状態も、クレアチニン値を上昇させる要因です。身体の中の水分が不足すると血液が濃縮され、見かけ上の濃度が高くなります。また、食事の影響も無視できません。肉類を大量に摂取した後は、一時的に値が上がることがあります。

薬剤の影響も考慮すべき点です。一部の抗生物質や鎮痛薬、造影剤などは、腎臓に負担をかけたり、クレアチニンの排出を阻害したりすることがあります。サプリメントの中にも、腎臓に影響を与えるものがあるため、服用している場合は医師に伝えることが大切です。

腎臓病による上昇

慢性腎臓病では、腎臓の濾過機能が低下することでクレアチニンが排出されにくくなります。糸球体腎炎、糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化症などが代表的な原因疾患です。これらの病気では、腎臓の糸球体や尿細管が障害され、徐々に機能が失われていきます。

糖尿病性腎症は、慢性腎臓病の原因として多い疾患の一つです。高血糖状態が続くと、腎臓の細い血管が障害され、濾過機能が低下します。初期にはタンパク尿が出現し、進行するとクレアチニン値も上昇していきます。

高血圧も、腎臓に大きな負担をかけます。高い血圧が持続すると、腎臓の血管が硬化し、血流が悪化します。その結果、腎臓の組織が障害され、機能が低下していきます。糖尿病と高血圧の両方がある場合、腎臓病の進行リスクはさらに高まります。

また、急性腎障害から慢性腎臓病に移行する場合もあります。重症感染症、脱水、薬剤などによって急激に腎機能が低下し、その後回復が不十分な場合、慢性的な機能低下が残ることがあります。

まとめ

慢性腎臓病は、早期発見と適切な管理により、進行を遅らせることが可能な病気です。健康診断でクレアチニン値の異常を指摘された場合は、速やかに医療機関を受診し、精密検査を受けることが重要です。

食事療法、薬物療法、生活習慣の改善を組み合わせた総合的なアプローチにより、腎臓の機能を守ることができます。定期的な検査で状態を把握し、医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った治療を続けていきましょう。

病気の進行には個人差があり、治療の効果も異なります。不安や疑問があれば、遠慮せず医療スタッフに相談することをおすすめします。適切なサポートを受けながら、前向きに病気と向き合うことが大切です。

この記事の監修医師