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クレアチニン値が高いと言われたら?腎臓を守るために知りたいeGFRの仕組み【医師解説】

 公開日:2026/01/19
クレアチニン値と腎機能の関係

血液検査で測定されるクレアチニンは、腎機能を評価する基本的な指標として広く用いられています。この数値が高いということは、腎臓の働きが低下している可能性を示唆します。ただし、クレアチニン値だけでなく、年齢や体格なども考慮した総合的な評価が必要です。

井筒 琢磨

監修医師
井筒 琢磨(医師)

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

クレアチニン値と腎機能の関係

クレアチニンは、腎臓の機能を評価する上で基本的な指標の一つです。この値が高いということは、腎臓の濾過機能が低下している可能性を示しています。

クレアチニンとは何か

クレアチニンは、筋肉でエネルギーが使われる際に生成される老廃物です。筋肉の量に比例して産生され、通常は一定の速度で生成されます。健康な腎臓であれば、血液中のクレアチニンは腎臓の糸球体で濾過され、尿として身体の外に排出されます。

血液中のクレアチニン濃度は、腎臓の濾過能力を反映します。腎機能が正常であれば、産生されたクレアチニンは効率よく排出されるため、血中濃度は低く保たれます。しかし、腎機能が低下すると排出が追いつかなくなり、血中濃度が上昇します。

クレアチニンの基準値は、性別や年齢によって異なります。一般的に男性では0.65〜1.07mg/dL、女性では0.46〜0.79mg/dL程度とされています。ただし、筋肉量の多い方は基準値内でも高めの値を示すことがあり、逆に筋肉量の少ない高齢者や痩せた方は、腎機能が低下していても値が低めに出ることがあります。

クレアチニン値から計算される腎機能

クレアチニン値だけでは、腎機能を正確に評価することは困難です。そこで年齢、性別、クレアチニン値から推算糸球体濾過量(eGFR)を計算します。eGFRは、1分間に腎臓が濾過できる血液の量を表し、単位はmL/分/1.73㎡です。

eGFRが60以上であれば、腎機能はおおむね正常と考えられます。45〜59の範囲は軽度の機能低下、30〜44は中等度の低下とされます。30未満になると高度の機能低下であり、15未満では腎不全の状態です。15未満、または透析療法が必要な状態をG5ステージと呼び、末期腎不全に該当します。

eGFRの低下速度も重要な情報です。年間5以上の低下が見られる場合、急速に進行している可能性があり、より積極的な治療介入が必要になることがあります。定期的な検査で経過を追うことで、進行速度を把握し、適切なタイミングで治療方針を見直すことができます。

まとめ

慢性腎臓病は、早期発見と適切な管理により、進行を遅らせることが可能な病気です。健康診断でクレアチニン値の異常を指摘された場合は、速やかに医療機関を受診し、精密検査を受けることが重要です。

食事療法、薬物療法、生活習慣の改善を組み合わせた総合的なアプローチにより、腎臓の機能を守ることができます。定期的な検査で状態を把握し、医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った治療を続けていきましょう。

病気の進行には個人差があり、治療の効果も異なります。不安や疑問があれば、遠慮せず医療スタッフに相談することをおすすめします。適切なサポートを受けながら、前向きに病気と向き合うことが大切です。

この記事の監修医師