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海藻の食べ過ぎはNG?甲状腺に影響するヨウ素の摂取基準と注意すべき3つの食品

 公開日:2026/03/06
ヨウ素過剰摂取と甲状腺への影響

食事から摂取するヨウ素の量は甲状腺ホルモンの原料となるため、過剰摂取は甲状腺機能に大きな影響を与えます。特に日本は海藻類を多く摂取する食習慣があり、世界的にみてもヨウ素摂取量が多い傾向にあります。バセドウ病の治療中は特にヨウ素制限が重要となるため、含有量の多い食品を把握しておくことが大切です。

上田 洋行

監修医師
上田 洋行(医師)

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【経歴】
大阪大学医学部卒業
住友病院、大阪大学医学部附属病院にて勤務
専門は糖尿病・内分泌・代謝内科
【資格】
・日本専門医機構認定内科専門医
・日本糖尿病学会糖尿病専門医
・内分泌代謝・糖尿病内科領域専門医

ヨウ素過剰摂取と甲状腺への影響

食事から摂取するヨウ素の量は甲状腺機能に大きな影響を与えます。特に日本の方は海藻類を多く摂取する食習慣があり、ヨウ素摂取量が世界的にみても多い傾向があるため注意が必要です。

ヨウ素含有食品と摂取量

昆布は特にヨウ素含有量が多い食品として知られています。乾燥昆布1gには数mgのヨウ素が含まれており、少量でも推奨摂取量を大きく超えることがあります。昆布だしや昆布茶も注意が必要な食品です。普段何気なく使っているだしの素にも昆布エキスが含まれていることが多いため、成分表示を確認する習慣をつけることが大切でしょう。

わかめや海苔もヨウ素を含みますが、昆布ほど含有量は多くありません。それでも毎日大量に摂取すると、過剰摂取につながる可能性があります。ひじきやもずくといった海藻類も同様に注意が必要です。ヨウ素の推奨摂取量は成人で1日あたり0.13mgとされていますが、上限量は年齢や妊娠の有無によって異なりますが、2.0〜3.0mgとされています。

ヨウ素過剰による甲状腺機能への影響

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となる必須ミネラルであり、通常の食事範囲での摂取であれば、健康な甲状腺を持つ方では問題になることはほとんどありません。甲状腺には、ヨウ素摂取量が増減してもホルモン産生を一定に保つ調整機構が備わっています。

バセドウ病においては、原則として日常生活での厳格なヨウ素制限は必要ありません。 抗甲状腺薬による治療中であっても、通常の食事から摂取されるヨウ素量が治療効果を大きく左右することは少ないとされています。そのため、自己判断で極端な海藻制限などを行う必要はありません。

一方で、放射性ヨウ素内用療法(アイソトープ治療)を行う場合には、治療効果を高める目的で、治療前の一定期間にヨウ素制限が指示されることがあります。 この場合は、医師の指示に従い、海藻類やヨウ素を多く含む食品・サプリメントを一時的に控える必要があります。

なお、ヨウ素の過剰摂取が特に問題となりやすいのは、甲状腺機能低下症や橋本病などの疾患を持つ方です。これらの場合、ヨウ素の影響で甲状腺ホルモンの産生がさらに抑制されることがあります。

また、造影剤検査や一部のうがい薬、消毒薬、サプリメントにはヨウ素が含まれていることがあります。甲状腺疾患で治療中の方は、医療機関を受診する際にその旨を伝え、必要に応じて医師の判断を仰ぐことが大切です。特にサプリメントは成分表示を確認し、自己判断での長期使用は避けましょう。

まとめ

甲状腺機能亢進症は適切な診断と治療により、多くの場合で症状の改善が期待できる疾患です。動悸や体重減少、手の震えといった症状に気づいたら、早めに内科や内分泌内科を受診することが大切です。女性や家族歴のある方は特に注意が必要であり、定期的な健康チェックを心がけることが推奨されます。食事面ではヨウ素含有食品に注意し、バランスの取れた栄養摂取を心がけましょう。症状や治療について不安がある場合は、遠慮せず専門の医師に相談することをおすすめします。

この記事の監修医師