椎骨動脈解離の再発サインは? 治療後にチェックすべき体調の変化とは【医師監修】

治療が一段落した後も、椎骨動脈解離では長期的な経過観察と継続的な管理が欠かせません。再発の早期発見や新たな血管の異常を見逃さないために、定期的な画像検査による血管の状態確認が推奨されます。また、高血圧をはじめとする血管への負担を軽減するための生活習慣の見直しも重要です。薬物療法の継続、血圧管理、適度な運動など、日々の取り組みが再発予防につながります。ここでは、長期的な視点で疾患と向き合うための具体的な管理方法を解説します。

監修医師:
鮫島 哲朗(医師)
東京逓信病院脳神経外科部長
脳腫瘍 頭蓋底外科センター長
【経歴】
平成2年3月 宮崎医科大学(現宮崎大学)卒業
平成2年6月 宮崎医科大学(現宮崎大学)脳神経外科入局
平成3年4月 九州大学救急部研修(厚生省研修プログラム)
平成14年4月 Duke University Medical Center, USA
University of Torino , Italy
平成22年2月 NTT東日本関東病院脳神経外科主任医長
平成25年4月 浜松医科大学脳神経外科准教授
令和6年10月 東京逓信病院脳神経外科部長 脳腫瘍頭蓋底外科センター長
【専門・資格】
脳腫瘍 頭蓋底腫瘍 困難な脳外科手術等
医学博士
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳卒中学会 専門医
椎骨動脈解離の長期予後と管理
椎骨動脈解離の治療が一段落しても、長期的な経過観察と管理が必要となります。再発予防や合併症の早期発見のために、どのような点に注意すべきかについて理解しておきましょう。
定期的な画像検査の必要性
椎骨動脈解離の治療後は、定期的な画像検査によって血管の状態を確認する必要があります。初回の治療後は、3ヶ月から6ヶ月程度の間隔で、MRI検査やMRA検査(磁気共鳴血管造影)を実施することが一般的です。
血管壁の修復が確認された後も、年に1回程度の定期検査を継続することが推奨されます。これは再発の早期発見だけでなく、反対側の椎骨動脈や他の脳血管に異常が生じていないかを確認するためです。特に、発症時に両側の椎骨動脈に解離が認められた方や、結合組織疾患などの基礎疾患がある方については、より頻繁な検査が必要となるでしょう。
画像検査の結果によっては、治療方針の変更が必要となることもあります。血管の形状に変化が見られた場合や、新たな解離の兆候が認められた場合には、薬物療法の調整や場合によっては血管内治療などの追加治療を検討することになります。定期検査を欠かさず受けることで、早期に対応できる体制を整えておくことが大切です。
生活習慣の改善と血圧管理
椎骨動脈解離の再発予防には、生活習慣の改善が重要な役割を果たします。特に高血圧は血管壁に負担をかけ、解離のリスクを高める要因となるため、適切な血圧コントロールが必要です。目標血圧は患者さんの状態によって異なりますが、一般的には収縮期血圧130mmHg未満、拡張期血圧80mmHg未満を目指すことが多いです。
生活習慣の面では、喫煙が血管内皮を傷つけ、動脈硬化を促進させるため、椎骨動脈解離の再発リスクを高めます。また過度な飲酒も血圧変動の要因となるため、適量を守ることが推奨されます。食事は、塩分を控えめにし、野菜や果物を積極的に摂取するなど、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
運動については、主治医と相談しながら段階的に再開していくことが望ましいです。急激な血圧上昇を招くような運動は避け、ウォーキングなどの軽度から中等度の有酸素運動から始めることが一般的です。首を急激に動かすような動作や、首に強い力がかかるスポーツについては、慎重に判断する必要があります。
まとめ
椎骨動脈解離は、突然の頭痛や首の痛みといった見過ごしやすい症状から始まることも多い疾患です。初期症状を正確に認識し、速やかに医療機関を受診することで、重篤な合併症を予防できる可能性が高まります。適切な治療により多くの方が回復されていますが、再発予防のためには長期的な管理が欠かせません。血圧コントロール、ストレス管理、定期的な画像検査など、継続的な取り組みが重要です。気になる症状がある場合には、早めに神経内科や脳神経外科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。